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戦い④

「これ以上貴様らに付き合うつもりはない!一気に決めてやるわ!」


 空中から漆黒の巨大な刀をアンドロマリウスは出現させる。

 俺の大鎌に該当する、アンドロマリウスの愛用の武器だ。


 振りかぶったアンドロマリウスの大刀に膨大な魔気が集結していくのがわかる。


 おいおい、こいつマジでこの城ごと吹き飛ばすつもりか?

 ヤバすぎる量の魔気にさすがに俺もちょっとビビるが逃げるつもりはない。


 やがて魔気の集約が終わり、


 「もはや後悔する時間も与えん!消え去れ!」


 気合とともにアンドロマリウスが大刀を振り下ろすと、そのありったけの魔気を練りこまれた黒い衝撃波が俺たちに向かって飛んでくる!



                *


 

 

 「ば、ばかな・・・」

 

 すべてを壊したと思っていたアンドロマリウスの目の前にはぴんぴんしている俺たちの姿だ。

 

 はははっ。間抜けな顔で驚いてやがる。

 そりゃそうだろうな。絶対の自信をもった一撃が完全に防がれたのだ。

 あいつのあんな顔を見るのは初めてだな。


 「一体どうやって・・・聖域?!いつの間にそんなものを作っていたのだ?!いや、たとえ聖域だとしてもそんなものでこの俺の本気の攻撃が防がれるなどあり得ないことだ!」


 独り言での解説ご苦労様だな。

 だが、その疑問はもっともだ。

 では、疑問に一つずつ答えていこう。


 あえて触れてはいなかったがアンドロマリウスは俺とロバートと戦っている時も魔気を大刀にためている時もずっと聖なる封印の嫌がらせを受け続けていた。

 

 聖域は聖なる力系の防御結界としては破格の性能を誇っていて物理攻撃はもちろん、魔法攻撃も普通なら完全に防ぐ優秀なものだが、弱点もある。それはある程度の詠唱時間が必要となる事だ。


 だから聖なる封印の嫌がらせを受け続けていたアンドロマリウスからしたらリィンが聖域を作る時間がなかったはずなのにと思っているんだろう。


 「じいさん手間をかけたな」


 「なあにわしはわしの守りたいものを守っただけじゃよ」


 そう言ってキョウドウがリィンの尻の後ろからにやけた顔出す。


 なんかその登場の仕方だと守りたいものがリィンの尻みたいだぞ。セクハラじじい。

 実際、リィンはかなり嫌そうな顔でキョウドウを見下ろしている。


 しかし、このキョウドウのおかげでアンドロマリウスをだませたのだ。なにしろリィンに代わって途中から聖なる封印をかけ続けていたのはキョウドウだったのだからな。


 そしてアンドロマリウスの本気の攻撃を防いだのは簡単だ。

 リィンの聖域に加えて俺が魔の結界を何重にもかけていたからだ。


 俺の魔の結界だけではアンドロマリウスの攻撃は防げない。

 聖域だけでもアンドロマリウスの攻撃を防げない。

 だが、俺の魔の結界を破って威力の減った攻撃なら聖域で十分防げたということだ。


 さて。そろそろ頃合いかな。


 「まだ、まだだ!まだ、俺は負けん!」


 アンドロマリウスは再び魔気を大刀に集中させ始めるが・・・。


 「なんだ!?魔気が収束しない・・・。身体から力が・・・」

 

 ガクンと片膝をついて自身の身体におこっている変化に戸惑っている。


 「魔気の流出が始まったようじゃ!」


 キョウドウがまたしてもリィンの尻の後ろから顔出して叫ぶ。


 ようやく始まったか。

 これで詰みだ。


 魔気を見ることに関してはキョウドウの右に出る者はいない。キョウドウを連れてきていたのは聖域のためだけではなくこのためでもある。


 しかし、いちいちリィンの尻の後ろに戻るところにこのじじいのダメなところが集約しているな。

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