#41 連休はどうするの?
直人はスマホで都内で行けるイルミネーションがキレイな所を探していた。
少し時間が経ったあと亜沙美からのメッセ着信の通知が届いたので開いた。
「今から会社出る、か。」
わかった。と返信をして会社の方に歩くことにした。
「ナオ!」
直人は自分を呼ぶ声がする方を向くと亜沙美が向かってきていた。
「ごめん、遅くなった」
「大丈夫だよ」
「どこ行く?」
「うちの近くの店で食べる?」
「そうだね、じゃあ行こう!」
亜沙美は直人と腕を組んだ。直人のコートがまた冷たかった。
「ナオ?また外にいたね?」
「ん?あぁ、イブの時と同じだね」
「だから風邪ひいたらどうするの?」
「大丈夫だよ」
「…ナオって大丈夫が口癖?結構聞いてる気がする」
「そう?…そうかな」
「…今日泊まっても大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「ほら!」
「今のはダメでしょ。亜沙美がそう聞いてるんだから」
「ダメか…」
二人は駅から直人の部屋の最寄り駅まで電車で移動した。
駅から出て歩いている途中で亜沙美がふと気になった事を直人に聞いた。
「ちなみに聞くけど…。昨日はご飯食べた?」
「……食べたよ?」
「食べてないな」
「なんでわかったの?」
「ナオがとってもわかりやすいから、食べなきゃダメでしょ」
「大丈夫だよ。あっ…」
「ほら!言った!」
「確かに言うみたいだね…」
「はい、それはそれとして今日はちゃんとご飯食べるよ」
「どこ行くの?」
「ファミレス、ナオはご飯大盛りね」
「……」
「あれ?返事は?」
「はい…」
「別に食べるのが嫌いなわけじゃないんでしょ?連休中いっぱい食べてたもんね」
「食べるときは食べるよ。一人だと面倒くさく思う時があってその時は食べないで寝るだけ」
「食事を面倒くさく思うところが逆に凄いわ」
「そういう時無い?」
「うん、無い。そうか、一人だと食べないのか…」
「あっ、そんな深く考えなくてもいいよ。単純に気まぐれなだけだから」
「彼氏が体調崩したらなんか責任感じるでしょ」
「それは僕も同じだから深く考えなくていいんだって、考えすぎてって事もあるでしょ?」
「…そっか。じゃあ深く考えないでとりあえず食べさせよう」
「ごめん、そこは考えて」
二人は駅から近くにあったファミレスに入り、メニューを選んで注文した。
「さてさて、ナオ、土日はどうするつもりだったのかな?」
「土日?」
「三連休は考えてないけど土日は考えてるって言ってたじゃない」
「…土日?」
「あ?」
「ごめんなさい、考えてます」
「どこ行くの?」
「イルミネーションなんてどうでしょう?」
「もうクリスマス終わってるのに?」
「バレンタインまでやってるんだよ。クリスマスの時はまだ付き合ってなかったし、一緒に見たいなって」
「……グフフ、いいね」
「ちょっと待って、今何考えた?」
「ん?んー。フフフ」
「…別の場所にしようか」
「なんでよ!」
「怖かったから」
「彼女に対してひどいこと言うね」
「それで場所なんだけど」
「おや?スルーかな?」
「どこがいい?」
「決めてないの!?」
「いっぱいありすぎて…」
「まぁそっか、確かにそこらじゅうにあるもんね。ほらこの前に智美さんと行った所にもあったもんね」
「そこにする?」
「それは私怒っていいやつだよね?」
「冗談です」
「で?ナオとしてはどこ考えたの?」
「遊園地…、夜はすごくキレイみたいで。昼間遊んで夜はイルミネーションってどうでしょう?」
「初めからそれでいいじゃん!賛成!」
「日曜日でいい?」
「うん、明日一旦帰ってまた日曜日ね」
「あっ、そうだ。実家に行く日なんだけどさ。その次の週の十九日でいい?多分こっちから決めないと決まらないから」
「私は大丈夫だよ」
「じゃあそう連絡しておくね」
そう決まったときにテーブルに料理が運ばれてきたので二人は食べ始めた。
「亜沙美の好きな食べ物をこの前聞いたけど、広い範囲で言うと何が好きなの?」
「広い範囲?お肉…」
「和とか洋は?」
「どっちも好きだよ」
「甘いものは?」
「…好きだよ」
「僕の事は?」
「好きだよ。ってバカじゃないの!?何を言わせるのよ!」
「………」
直人は半笑いで食事を続けている。
「何とか言いなさい?」
「人参食べる?」
「人参も食べなさい!ってそうじゃなくて」
「いや、亜沙美もあえて言ってたじゃん、自然と」
「そりゃ言いますとも、好きですから」
「あっ、そんなストレートに言われると……」
「なに?」
「照れる」
「なんで半笑い?」
「照れ笑い」
「なら、よし!」
料理を食べ終わり二人は店を出た。
直人の部屋に向かう道を少し歩いたところで直人は手を繋いだ。
「亜沙美」
「なに?」
「愛してるよ」
亜沙美は少し口角を上げて直人に肩をぶつけ、それから笑いかけた。
直人を自分の方に引き寄せてから、握った手を直人のコートのポケットに入れた。




