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フェイクマイナス  作者: 海鮮メロン
40/77

#40 淋しいんだもん

一月十日 金曜日


仕事初め初日から水曜までは激務が続いたが木曜には業務が落ち着き定時で帰ることが出来た直人。

亜沙美はというと特にこれといった激務は無かったが連日の会議で別の疲れが出ていた。


火曜水曜と木曜はお互い一緒に帰る事無く連絡だけで終わっていた。


「ふー、これで会議は全部終わりか。これいっぺんに出来ないのかしら?」

商品や企画毎に会議が行われるため時間としては短いがいちいち発生する移動や資料の読み込み、それを担当する社員の振り分けなど度々面倒だった。


「そろそろお昼か…、ナオと食べようかな」

亜沙美はデスクに戻り直人を探したがそこにはいなかった。

「あれ?藤堂くんは?」

「昼行きました。なんか次やる仕事に手をつけると半端になりそうだからって」

「あんにゃろ、報告も無しに…」



直人は近くの定食屋で昼食を食べている最中に亜沙美からメッセが来たので確認をした。

内容は今日は一緒に帰ろう。ご飯食べてから泊まってもいいかという内容だった。

直人はすぐに「いいよ」と返信した。

その後またメッセを着信し、「お昼一緒に食べようと思ったのに、どこか行っちゃうんだもん…」

と来たので「ごめん、仕事の面はあとで報告する」と返信した。


「しまった…、やはりまずかったかな。今週は月曜しか会ってないもんな…」

直人は定食の白飯を口の中にかきこみ、食べ終わるとすぐに戻ることにした。



午後五時半頃

「藤堂くーん」

亜沙美が伸ばす言い方をいつもより低めの声を使って直人を呼んだ。

「は、はい…」

「わかってるよねぇ、はい、会議室」

「はい…」

先に会議室に入っていった亜沙美を追いかけるように直人も会議室に向かった。


「はい、報告!」

他の人達にも聞こえるようにあえて少し大きめに言った。

「はい…」


直人は昼に報告すると言っていた業務内容について報告をした。メーカーの生産トラブルで入荷が難しい商品が出てしまったので倉庫に抱えてる在庫の関係で来週までに代替品を探す必要があった。

しかし品質と粗利率を考え候補が二つあったため、それを報告。

納品までの日数や売価をまとめた資料を渡し、亜沙美の判断に任せることになった。


「うん、じゃあこれは来週始めに一番に決めてフィードバックします。だから火曜日ね」

「…火曜日?」

「月曜日は休みよ?三連休だから」

「…あっ、やった!」

「そこ気付いてないのは少しまずいかなぁ…」

「すみません、気を付けます」


「三連休だから私とどこ行こうとか考えなかった?」

「か、考えたよ?」

「ふーん、本当は?」

「土日の事しか考えてませんでした。でもその日の事は考えてるから」

「具体的には?」


「…怒ってる?」

「怒ってないよ」

「いや、怒ってる」

「怒ってないよ!淋しいだけ」

「淋しい?」

「だって全然会えないんだもん」

「まっ、まぁそうだけど…」

「なんで会議室に呼んだかわかる?別にデスクでも良かったのに」

亜沙美は直人に体を近付けた。


「い、いや、それはまずいでしょ…」

「なんで?良いじゃん」

「いや、会社内でそれは…」

「大丈夫だよ、軽くだったら」

「いや、軽くても仕事中なんだから」

「二人きりで話すことだったら大丈夫だよ、仕事の話もしたんだし」


「…話す。あ!あぁそうだね、話すことなら問題ないね」

「あれ?何を考えたのかな?」

「…しまった、このパターンか」

直人は右手で額から目にかけて覆った。


「んー?何を考えてたんですか?」

「は、話すことですよ?」

「ほんとにー?」

「ほ、本当に」

「キスすると思った?」

「思…ってない」

「ふふーん、ナオはいつもエッチなことを考えてるね」

「考えてません」

「なんでそこは即答するのよ」

亜沙美は直人の肩を強めに叩いた。


「まっ、冗談はさておき」

「冗談……?」

「なにか?」

「何にも…」


「今日は何時に終われそう?」

「ほぼ定時で上がれるよ」

「私は今週の日報をまとめてから上がるから三十分くらい遅くなりそう」

「わかった。その辺で待ってるよ。終わったら連絡して」

「うん、そうする」

「じゃあ先に戻ってるね」

「うん」

直人はデスクに戻り、少しの時間差で亜沙美は直人から受け取った資料を読みながらデスクに戻った。



終業後、直人はクリスマスイブと同じようにその辺で待つことにした。

「そうか、あれからまだ二週間ちょっとしか経ってないのか…。もう結構経った気がするな」

当然もうクリスマスツリーは無いが、代わりにバレンタイン向けのイルミネーションが広がっていた。


「キレイだよなぁ…。そうだ!このイルミネーションが凄い所を探して一緒に見に行こう」

実は直人は土日の事すら何も考えていなかった。あの時は咄嗟に出た言葉であり具体的にはと聞かれたときはかなり焦っていた。


「いかんな、なぁなぁになってきてるようじゃダメだ。もっと思い出を作ろう」

直人はスマホで色々と検索を始めた。

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