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フェイクマイナス  作者: 海鮮メロン
37/77

#37 鍋と緊張

アパート 共同スペース


「じゃあ私、コンロ持っていくから」

「うん」

智美は先に自分の部屋に入っていった。


直人は亜沙美と共に自分の部屋に入り、キッチンに買った物を置いたあと、どこで食べるかを考えた。

「テレビの前のテーブルが一番いいかな、ちょっと狭いけど」


キッチンで食材を袋から出し始めた亜沙美はもう慣れたのかテキパキと食器等も出し始めた。


「ナオ、鍋は?」

「鍋?智美が持ってるんじゃないの?」

「まさか無かったらどうしよう」

「…ちょっと行ってくる」

直人は智美の部屋に向かった。


「智美!入るよ!」

「キャッ!ちょっと!」

「あ!ごめん!!」

扉を開けると智美が悲鳴をあげたので直人は何も見なかったが焦ってすぐに扉を閉めた。

するとすぐに扉が開いた。


「へへーん、別にこの格好のままですよー。焦った?焦った?」

智美はケラケラ笑ってる。

とりあえず直人は苛ついた。


「お前はおじやと唐揚げ抜きね」

「はっ?何それひどくない?メインじゃん!」

「メインは鍋だろが!」

「おじやを食べないと鍋とは言わないでしょ!」

「ところでお前鍋持ってるの?」

「持ってるよ。直人は持ってないの?」

「持ってない」

「じゃあ鍋も持っていくからおじやも食べさせろ」

「はいはい」

「直人は唐揚げ食べちゃダメだよ。あれは亜沙美さんと私の分だから」

「その理屈はわからない」

「私がわかるから問題ない」

「勝手に食べまーす」


二人はコンロと鍋を持って直人の部屋に戻った。

「亜沙美、持ってきたよ」

「ナオ、もしかして智美さんの着替え覗いた?」

「覗かれました」

「覗いてません。服装一緒じゃん」

「冗談はそこまでにして鍋の用意しよ」

「自分から言ったのに…?」

「なに?」

「何でもない…」


鍋を作り始める。

買ってきたスープと具材をただ鍋に入れて火にかけただけで終わるからと亜沙美が全部やることにした。

直人と智美はコンロの準備と食器等を並べ、惣菜を皿に盛り付ける等をした。



「ナオ、カセットコンロ用意出来てる?そろそろそっち持っていくよ」

「大丈夫だよ、ちゃんと火も着く」

「ボンベちゃんとはめた?」

「うん、そこは何度も確認した。爆発したらシャレにならないしね」

「ありがと、じゃあ持ってくよー」


亜沙美は鍋をテーブルに運んでいった。



「はいはい、座って座って」

「わー、鍋だー。早く!早く食べましょう!」

「落ち着け!」

「箸とお皿はあるよね」

「あるよ、大丈夫」

「はい、それじゃあ」


「いただきます」

三人同時に言ったあと智美がテーブルに準備していたお玉を取り

「亜沙美さんの私がよそってもいいですか?」

「え?いいよ、悪いよ」

「いえいえ、やらせてください」

「うん、じゃあお願い」

「はい!」

智美は亜沙美の取り皿によそい始めた。

「智美、俺のもお願い」

「亜沙美さん、これ食べたいっていうのあります?」

「あれ?無視?」

「エビ食べたいな、あとは適当でいいよ?」

「はい、わかりました」

「智美さん、俺のもお願いします」

「初めからそう言えばいいんだよ」

「覚えてろよ」

「あれ?まだ私がよそう前なのにそんなこと言っていいのかな?」

「ち、違う違う。智美によそってもらったことを覚えてろよって自分に言ったんだよ」

「直人はスープだけでいいんだっけ?」

「具も入れろよ!」

「あ?」

「入れてください」

「よろしい」

直人は智美から皿を受け取った。


「なんだかんだ言ってちゃんと入れてくれるからなぁ、さすが妹よ」

「おいこら!あんたが弟でしょ!」

「お前が妹!」

「私がお姉さんだから!」

「認めません」

「うるさい」


そのやり取りを亜沙美は微笑ましく見ていた。

「フフフッ」

「亜沙美?どうしたの?」

「ほんとう仲良いんだなぁって思って」

「ちょっと亜沙美さんやめてくださいよ」

「そうそう、本当のお姉さん目線やめて」


「…ねぇナオ、それは年齢の事を言ってるのかな?」

「い、いや、そんなつもりは…」

「んー?なにー?」

「ごめんなさい」

「何にごめんなさいなのかな?」

「いや、ほんと、その感じ怖いので勘弁してください」

「仕事が始まるのが楽しみだね」


「……智美、助けろって」

「もご?ふぁにが?」

「なんで唐揚げから食べてんだよ」

「この店の唐揚げ美味しいね、今度から食べたいときはここで買おう」

「お前は本当にブレないな…」


そろそろ食べ終わるという頃に直人のスマホが鳴った。

「誰だろう、あっ母さんからだ。日にちの事かもしれないから出るね?」

「う、うん、わかった」

「緊張しなくて大丈夫だから、……もしもし?うん、十九日か二十六日?…日曜なら大丈夫なのね。ちょっと待って、…亜沙美」

「ん?私はどっちでも大丈夫だよ」

「わかった。…もしもし、どっちでも大丈夫みたい…ん?今いるよ?…わかった、ちょっと待って」

直人はスマホを亜沙美に差し出し

「えっ?えっ?」

「ちょっと話したいから代わってくれないかって…」


「う、うん。……も、もしもし、…あっ、はい。直人さんとお付き合いさせていただいております竹下亜沙美と申します。……いえいえこちらこそよろしくお願いいたします。…はい、私の方は大丈夫ですので都合の良い日を決めていただければ…、はい、わかりました。よろしくお願いいたします」

亜沙美はスマホを直人に返した。


「もしもし?…わかった。じゃあその日に行くから。うん。智美?会えたよ。っていうか今いるけど…」

直人は今度は智美にスマホを渡した。

「もしもし?圭子おばさん?うん、大丈夫!はーい」

智美はすぐに直人に返した。

「それじゃあ、二人で行くから。うん、じゃあね」

通話を切った。


「智美との会話早かったな」

「スーツ渡した?ありがとね。で終わった」

「…日曜日、日曜日」

「亜沙美?」

「亜沙美さん?」

「…日曜日に」

直人は亜沙美の肩をポンッと叩き

「亜沙美!大丈夫だから」

「え?あっ、うん…」

「亜沙美さん、圭子おばさんはいい人ですし、亜沙美さんに会えるの楽しみにしてるから大丈夫ですよ」

「そうそう」

「うん、ありがと…」



藤堂家 居間


「直人の彼女さんと話せたわ」

「亜沙美さんと言ったか。今、一緒にいたのか」

「そうみたい、きっちりした話し方だったわね」

「智美ちゃんもいたのか?」

「うん、一度会わせるって話してたからそれでじゃない?」

「……直人、修羅場じゃないよな?」

「…さぁ?」

「さぁって…、まっあいつなら何とかするか」

「そうよ」

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