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フェイクマイナス  作者: 海鮮メロン
35/77

#35 まだ買い物するの?

夕方


亜沙美と智美は何だかんだで買い物を続け、もう日が暮れてしまっていた。

直人が話しかけると智美が反応した。

「二人とも、もう夕方なんですけど」

「ん?あぁ、日が暮れるの早いねぇ」

「いや、その感想は求めてない」

「じゃあ何を求めてるの?」

「疲れたから帰りたい」

「彼女と幼馴染を部屋に連れ込みたい?その発言はどうかと思うよ?」

「そんなことは言ってない」

「そう聞こえたけど?」

「それは智美がおかしいだけ」

「それより直人、あっち見てみて」

智美は直人の後方を指差した。直人はその方向を見たが特にこれといった物は無く

「えっ?何があったの?」

と智美を見たがもうそこには智美はいなかった。

「あいつ、やりやがったな……まだ買い物するつもりか」


その光景を亜沙美が見ており近づいてきた。

「ナオってそんなチョロかったっけ?」

「何その突然の暴言」

「私も今度から色々とやってみよう」

「いや、やめて。ってどこ行くの!?」

亜沙美は特に何もせず普通に買い物を続けた。


「はぁー」

直人は再度エスカレーター横のベンチに座り、スマホを見た。

すると一通のメールが届いていた。社内連絡メールだった。

「あれ?誰が送ったんだ?これ…、あっそうか四日だからまた休日出勤の人がいるのか」

直人はメールを開いて読み始めた。どうやら六日の日は全社朝礼の為いつもより三十分早く出社するようにとの内容だった。


「亜沙美!」

亜沙美は少し離れたところから直人の声に反応した。

直人はスマホを指差し

「メール!」

とだけ言った。


亜沙美はカバンからスマホを取り出しメールを確認した。

読み終わったのか直人に頷いただけで買い物を続けた。


「まだ終わらないのか…」

直人は暇だった。



一時間後


「お待たせー」

二人が直人の元に来た。

直人はベンチで少し眠りに落ちそうになっていたが、ようやく帰る事が出来そうになったのですぐに立ち上がった。


「じゃあ直人スーパー行くよ」

「スーパー?なんで?」

「夕飯の買い物に決まってるでしょう」

「いや、だからなんで?」

「鍋パーティーするって言ったでしょ?」

「聞いてないし、どこで?」

「直人の部屋で」

「うん、全然聞いてないね」

「さっきあっちから言ったけどね」

「どのぐらいの声で?」

「このぐらいの声で」

「じゃあ聞こえるわけないね」

「それは直人が悪い」

「俺は悪くない」


「私は聞こえてたよ?」

「亜沙美はどこにいたの?」

「隣にいたし、ナオの部屋で鍋パーティーしようって私が言ったから」

「うん、その時一回僕を呼ぼうか」

「えっ?迷惑だった?」

亜沙美は下を向いた。

「め、迷惑じゃないよ。迷惑じゃないけどそういう話の時は僕を呼ぼうか」


「で?何鍋にする?」

「智美は食べ物の時はいつでもブレないな…」

「智美さん牡蠣とか大丈夫?」

「私は大丈夫ですけど直人がダメです」

「えっ?そうだったの?」

「うん、何回か牡蠣食べて行動不能になってる」

「じゃあこれからは智美さんにナオが何食べられないか聞こう」

「いや、直接聞いて?」

「あっ、そっか」


「スープだけ決めて具材はそれっぽいの買って鍋にしません?」

「あっ、いいねそれ!ナオ、じゃああのスーパー行こ?」

「唐揚げ買ったとこ?」

「そう」

「唐揚げですか?」

「亜沙美は唐揚げが好きなんだよ」

「ちょっと、簡単に言わないでよ」

「えぇ!そうなんですか!?私もです」

「お前は何でも好きだろ…痛っ!」

直人は脇腹を突かれた。


「攻撃するのやめろって言ったよな?」

「いつ?」

「元旦」

「が、んた、ん?」

「とぼけるか?」

「本当は嬉しいんでしょ?」

「嬉しくありません。で?どうするの?行くの?」

「行かない選択肢あるの?」

「無いけど…」


「そういえばナオってカセットコンロ持ってるの?」

「いや持ってないよ?」

「私持ってるから大丈夫」

智美は直人の肩に手を回し

「私がお隣さんで良かったなぁ、なーおーとー」

「何が良かったのかよくわからないけどね!」

直人は手を払った。


「はい、じゃあ行こう!」

亜沙美を先頭に三人はスーパーに向かった。

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