表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フェイクマイナス  作者: 海鮮メロン
34/77

#34 数倍疲れる

三人は会計を済ませて店の外に出た。


「はい、直人」

直人が会計を払ったため智美は自分の分のお金を直人に渡そうとした。

「いや、いいよ」

「良くない、はい、受け取って」

「就職祝いって事で」

「それはスーツの時でしょ」

「いいから」

「良くない」

「じゃあ、あれだ、アレ祝いで」

「アレ祝いってなによ」

「アレ祝いはアレ祝いだよ」

「祝いはいいから、今日は私が亜沙美さんに会わせてほしいっていう食事なんだから」

「いらない」

「受けとれ」

「じゃあ貰う」

直人が手を出した。

「そこまで言うなら渡さなくていいね」

智美はお金を引っ込めた。

「今貰うって言ったじゃん」

「スッと貰いなさいよ、はい」

直人はお金を受け取った。


「今、コントしてた?」

亜沙美が不思議そうな顔で二人を見ている。

「ん?いつもこんな感じだよ」

「本当に仲良いんだね」

直人と智美は目を合わせたあとに

「いやいや」

二人同時に否定した。


「ハハッ、ほら同時だし」

「真似しないように」

直人が指を指す。

「それこっちのセリフだから」

智美も言い返す。

「今の真似するなってことは仲良いって言えって事になるよ?」

「あっ…」

またもや二人同時に言った。


「もうわかったから」

「なにが?」

「二人の仲良いところを見ても私は嫉妬しません」

「い、いえ、それを気にしてたわけでは…」

「いいからいいから、ナオ、この後はどうするの?」

「いや、特に考えてないよ」

「彼女と幼馴染の両手に華なのに何も考えてないの?」

「亜沙美さん、直人はちゃんとエスコート出来てます?」

「…うーん」

「ちょっと待って、今日までは色々と考えてたよ?」

「アハハ、わかってるよ。智美さん、大丈夫だよ」

「ならいいですけど、あっ、連絡先聞いてもいいですか?」

「うん、いいよ」

二人は連絡先を交換した。


その間、直人は

「なんでこんなに疲れてるんだろ?」

ちょっと帰りたかった。



「智美さん、このあと予定は?」

「いえ、帰るだけなので特に無いですよ」

「このまま解散もちょっと淋しいかなって思うんだよね、ナオ、この辺に何か良いところある?」

「……文京ドームに商業施設あるよ?遊園地と」

「じゃあそこ行って色々と見て回らない?」

「はい!行きましょう」

「ナオは?行く?」

「いや、行くよ。ここで除け者にしないで」


「えっ?直人来るの?」

「どういう意味かな?」

「そういう意味だよ」

「ちょっとよくわからない」

「まっ、そうでしょうね」

「なんか腹立つ」


「はい、行くよ」

亜沙美は二人のやり取りに何となく慣れた。



商業施設に着くと智美は一階広場にクレープ屋を見つけた。

「直人、クレープ買って」

「自分で買いなよ」

「いいじゃん、祝いで」

「祝いはいいって言ってたじゃん」

「それはさっきの話でしょ。それはそれ、これはこれ」

「買いません」

「えー、食べたいー」

「ナオ、私のも買ってきて」

亜沙美は智美側についた。


「いや、亜沙美がそっち付いたら買わなきゃいけなくなるじゃん」

「私もクレープ食べたい」

「わかった、買ってくるよ。何がいい?」


「直人のセンスで」

「一番困るのやめてくれない?」

「私、生クリーム入ってるやつ」

「大体入ってるから、何だろう?いつもの数倍疲れる…」

「そんな…ひどい、私といる時疲れてるの?」

亜沙美は悲しそうな表情をした。


「ちょっと直人!何て事言うのよ!」

「そういう意味じゃない。亜沙美といる時は疲れてないよ」


「じゃあ私といると疲れるんだ…」

今度は智美が悲しそうな表情をした。

「うん、お前といると疲れる」

「おっ?ケンカなら買うぞ?」

「やるか?」

「色々な事を亜沙美さんに言ってやるからな」

「何を言うのかわからないけどごめんなさい」

「うん、素直でよろしい。私、バナナとチョコのやつね」

「買うのは決定なの?」

「私も同じやつね」

「はい…」

直人はうなだれながらクレープ屋に向かった。



二人はクレープを受け取り笑顔で食べだした。

「あんなに腹一杯食べたのによく食べられるね」

直人は不思議で仕方なかった。


「あれ?直人食べないの?」

「うん、もう入らない」

「わかってるよ、あーんで食べさせてもらいたいんでしょ?相変わらず姑息だよねぇ」

「言い方が悪いね、しかも相変わらずってなに、本当に腹一杯なの!」


「私のあーんでも食べないの?」

「うっ…、いや、今は食べられない」

「あげないけどね」

亜沙美はむしゃむしゃクレープを食べている。

「じゃあ、聞かないで。って食べ方、口の周りにクリームついてるから」

「拭いて?」

亜沙美はふざけるときのキスの口をした。

「はいはい」

「藤堂くん、はいは一回」

「急な職場モードやめて」

店でもらったナプキンでクリームを拭いた。



「智美さん、なんか楽しいね」

「ですね。今日お会いできて良かったです」

「さてさて、それは誰のおかげなのかな?」

直人が智美に指を差しながら言うと

「人に指を差してはいけませんって圭子おばさんにも私のお母さんからも教わらなかったかな?」

智美は指された指を逆に曲げようとした。

「痛い痛い。教わりました、ごめんなさい」

「わかればよろしい」

「人の指を逆に曲げてはいけませんって教わらなかった?」

「クレープ美味しいなぁ、直人も食べればいいのに」

「そこで無視する?」


「そういえば怒られるときは二倍怒られるって言ってたね」

「そうそう。でも俺より智美の方が怒られてるけどね」

「そんなことないね」

「あるね、元旦も怒られてたじゃん」

「それは直人もでしょ!?私に数年ぶりに会えたからってはしゃいじゃって」

「違うじゃん、あれは智美が悪いのに俺も怒られたんだろ。昔からそういうのばっか」

「お?昔の話するなら亜沙美さんに色々言うぞ?」

「……言わない」


「えっ?何でさっきから昔の話をされるの嫌がるの?私に言えない過去でもあるの?」

亜沙美はじっと直人を見ている。

「いやいやいや、そんなんじゃないけど。こいつが言うことはろくなことじゃないだろうから止めてるだけ」

直人は再度指を差すと無言で逆に曲げられた。

「痛い!なんか言ってからやれって」

「やられるのはいいんだ、相変わらずだね」

「あっそういえば。智美さん、ナオって叩いたりつねったりするの受け入れるんだけど昔から?」

「昔からですよ。女からだったら誰からでも受け入れます」

「誤解を生む言い方しないでくれない?」

「もしかしてそっちの人なの?」

「そうです。喜んでますから、そっちの人です」

「そっちが何の意味かはわからないけど、全力で否定しておくよ」

「でもイブの時、私につねられながら私の事可愛いって言ってたね」

「直人、あんたそういうの大概にしなさいよ。何してるの!」

「亜沙美、それは前後を言わないと大変な誤解が生まれるから今後は言わないようにね」


クレープを食べ終わり三人は色々な店を見て回ることにした。

施設の中にある店は雑貨や洋服ばかりで特に目新しい物も無く直人は少し飽きて特に買い物はしなかったが、亜沙美と智美はそこそこ色々と買っていた。


直人はエスカレーター横のベンチに座り母親から返事が来てないかスマホをチェックしたがまだ返事は来ていなかった。

そのまま休むことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ