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フェイクマイナス  作者: 海鮮メロン
32/77

#32 嬉しくない答え合わせ

待ち合わせの駅までもう少しというところで直人のスマホが鳴った。

「あれ?智美から電話だ」

「もしかしてもう着いちゃったのかな?」

「もしもし、うん、わかった。こっちももう近くにいるからすぐ着くよ。うん、じゃあ」

やはりもう着いたという連絡だった為、二人は少し歩くスピードを速めて駅に向かった。


待ち合わせの駅

改札に近付くと直人は周辺を見回して智美を探し、一番端に立っているのを見つけた。


「亜沙美、あそこにいるのが智美だよ」

「…もしかしてあの背が高い人?ちょっと待って、本当に細い……」

亜沙美は智美の容姿に少し戸惑いを見せた。


やり取りをしている二人に智美が気付き、手を振ってから直人に近付いていった。


「思ったより早く着いちゃったよ!はい、これ。ちゃんと持ってきたからね」

「ありがとう。紹介するよ。お付き合いしている竹下亜沙美さん」

「初めまして、竹下亜沙美です」

亜沙美は会釈程度に頭を下げた。

「島崎智美です、初めまして」

智美も同じように頭を下げた。


「それでさ、新しいスーツ持って焼肉は少し抵抗があるんだよね。一回持って帰っていい?」

「えー?早く食べたいのに?」

「まぁまぁ、智美のも置いておくから」

「うーん、まぁ、そうね」

「それに店は席を予約してるから大丈夫、十二時までには来て下さいって言われてるから間に合うよ」

「うん、わかった。それじゃ一旦直人の部屋に行こう」

亜沙美は何となく会話に入りにくく黙っていた。

二人の中には入り込めない何かが周りにあるように感じた。



三人は直人の部屋に向かっていたが途中で智美があることに気付いた。

「あれ?こっちの方に私が住んでる部屋もあるよ?」

「そうなの?どの辺?」

「いや、もうすぐ近く。ほらあのアパート」

「……え?」

直人は驚いた。なんと智美が指したアパートは自分が住んでいるアパートだった。


「ちょっと待って、あのアパート。俺も住んでるんだけど……」

「は!?いやそんなウソはいいよ」

「いやいや、本当に!ね?亜沙美」

「……」

直人以上に亜沙美の方が驚いていて言葉が出なかった。

「亜沙美?」

「…え?う、うん。そうだね」

「どうかした?具合悪いとか」

「いや、そういうわけじゃなくて驚いてるだけ」

「えっ?本当なんですか?」

「う、うん。本当…」


亜沙美は一つだけ引っかかることが頭の中に生まれた。直人の住んでいる隣の部屋、先月引っ越してきて年末にドアが閉まる音が聞こえて以降何も音は聞こえてきていない。

智美は先月離婚して東京で一人暮らし、年末から今日まで実家に帰っていた。

仮定だけで照らし合わせると一致してしまう。でもまさかそんな偶然が?と思い、少し聞いてみることにした。


「島崎さん、聞いてもいい?」

「はい、何ですか?」

「先月引っ越してきたの?」

「そうですよ」

「年末から実家に帰ってから部屋には戻ってないのよね?」

「はい…、何かありました?」

「もしかして三階に住んでる?」

「はい、え?なんでわかったんですか?」

亜沙美は直人の顔を見たが何もわかっていない顔をしていたので少し苛立った。

「ん?どうしたの?」

「いや、どうしたのじゃなくて今の聞いてわからなかった?」

直人は少し気圧された。

「な、なにが?」

「直人の部屋の隣、島崎さんだよ」

「…えっ!?」

「ウソ!?隣?」

「ナオから聞いた話と島崎さんから今聞いた話、照らし合わせると一致するのよね」

亜沙美は最後に確信を持って三階に住んでいるかを聞いた。


「直人、何号室?」

「306、一番奥の部屋だよ」

「……私、305。隣だ」

二人は黙ってしまった。


「えっと、竹下さん。あの、そういうのじゃないので…何て言うか、その…」

「あっ、その辺は大丈夫だよ。ナオから色々聞いてるし」

亜沙美は考えたことが当たっていたことに少し気が重くなったが、今朝貰った部屋の鍵や今までナオが話してくれた事を信じることにして、ここは明るくいようと思った。


「とりあえずスーツ置いて、お店に行こう?時間が迫ってきてるから」

「そ、そうだね」

直人はそれが逆に少し怖く感じていた。



直人と智美は部屋にスーツを置きに中に入っている時、亜沙美は共用廊下のちょうど部屋の間で待っていた。

「まっ、偶然だろうけど…運命とも呼ぶのかな…。いやいや、大丈夫!」

不安で弱くなりそうな心を奮い立たせた。

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