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無限スキル使いの男〜クソザコだけど幼女と世界を救います〜  作者: ちゃこる
金の民救出作戦【クレア王国編】
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金の民救出作戦、其の拾

「ここが…龍の塔」


アルカナとフィリアは、リモ電に印された座標へと到着した。


龍の塔を入口は、豪華な龍の装飾で飾られている。


「そんなことより、早く金の民のみんなを助けなきゃ!」


木の葉スーツを着ている二人は、衛兵たちに気づかれることは無かった。


「風系第二隔壁!ジャック・ウインド!」


丁度葉の大きさの刃が飛び、衛兵に当たると、衛兵たちは気絶した。


「いこ!フィリアちゃん」


もう目の前には家族たちがいる。


長い間、待ち焦がれていた、村のみんなが。


また、いつもと同じように、平穏無事に過ごせるんだ。


金の村にも随分戻っていない。

荒れているだろうから、みんなと片付けなきゃ。


ーーー


重厚な扉を開くと、長い通路と階段。


「早く行こ」


グロウにかけてもらった強化魔法も、直に切れるであろう。


あの時グロウは、詠唱短縮を行っていた。


魔法を使い込むと、無意識に詠唱が開始されるため、前句を詠唱する必要がなくなる。


アルカナ自身も、得意な風系第一隔壁の魔法は詠唱短縮できるが、第二隔壁以降は難しい。

ましてや、グロウがやるような、高位生物の召喚魔法の詠唱短縮など、以ての外だ。


「ん!もうそろそろで開ける」


相当降りた頃、広場に出た。


悪臭。


龍の塔の地下部は、守りが堅く、中を見ることは出来ない。


しかし、今日に限っては見張りが薄く、アルカナでも十分に抜けられた。


無数の檻が側面に並んでいる。


助けを求める声が多い。


心苦しくこれを見捨てる。


今はフィリアちゃんの家族が大事!


走り抜けると、ひときわ大きな牢屋が現れた。


「みんな!」


フィリアが覚醒したように走り出す。


嫌な殺気。


「フィリアっ!来ないで!」


金の民の一員が叫ぶのも虚しく、影から現れた人影にフィリアは攫われた。


「いやぁ!離してよ!みんな!みんなぁ!」


金の民はそれぞれにフィリアの名を呼ぶ。


希望。


「フィリアちゃんを!離しなさいよ」


やるしかない。


最近身につけた強力な魔法。

ここで使う!


「地系第三隔壁!クレイモア・テラ!」


地面がボコボコと抉れる。


ミオウに敗れた時。

それを払拭するため、より大きく地面を破壊する魔法を研究した。


「ここから!こうでしょ!」


「強化系第二隔壁!エンチャント・スピード・ブースト!重ねて、攻撃系第三隔壁!ハンドナイフ!」


瞬時に移動し、敵の懐に入る。


そして、内側から、切り裂く。


ミオウとの戦いは、私にいい経験を与えてくれた。

実践の準備は万端よ。


「ぐあぁぁあぁ!」


バシャバシャと血が垂れる。


「うわっ!汚い」


フィリアが大男の手から落ちる。

寸前でキャッチ。


「おっとっと!フィリアちゃん!よかった」


フィリアとしては、今すぐにでも家族の元へ行きたいであろう。


その夢、叶えてしんぜようぞ!


「地系第二隔壁。ベンド・アイアン」


牢がぐにゃりと曲がり、隙間ができる。


フィリアはその隙間に一直線に飛び込んだ。


「ママぁ!パパぁ!お姉ちゃん!」


再会。

感動の涙。


しかしこちらは、強敵。


「さあ、かかってきなさい!アルカナ様のお通りよ!」


「むん!」


斬撃音。


あれあれ?もしかしてこの人。

腕何本もある?


「吾輩はアシュラ。ふぁふぁふぁ。愚妹よ」


「誰があんたの妹よ!この…この!きもいの!」


やばいわね。

これは強そう。


浴びせた一撃も、あまり効いていないように見える。


「早速行くばい。張り手!」


え。


何本もの腕が高速で迫る。


避けられるはずがない。


「って!諦めてる場合じゃないのよ!風系第四隔壁!エアリーシールド!」


風刃に何度も何度も、張り手が打ち込まれる。


「風系第四隔壁!エアリーシールド!」


二枚目。


そのまま何枚も重ねるも、これ以上は魔力の無駄だと感じる。


この一方的な攻防を変えるには、動くしかない。


「地系第三隔壁!クレイモア・テラ!」


先程に加えてさらに大破。


「ぬおっ」


一直線だった張り手は上を向き、内側ががら空きになった。


「はあぁぁ!地系第四隔壁!ハマー・テラ!」


大地が隆起し、鋭くなり、アシュラの腹を突刺す。


「ぐあぁぁあぁ!」


そのまま腹を刺しぬき固定。


「喰らえ!スパーダ・ウィンド・ミル・エキスパンション・ファイア!」


詠唱短縮。

高位魔法に更に属性を上乗せした一撃。


これが綺麗にアシュラの首を直撃し、はねた。


「はぁはぁ…もー魔力も限界!ここで立ち上がるなんてやったら怒るからね!」


幸いにも、アシュラはそれ以上動くことは無かった。


「さ、フィリアちゃん。金の村の皆さん。逃げてください。私の仲間達が足止めしてくれているうちに」


皆が一目散に逃げ出す。


痛々しい傷をおっているものも多かった。


フィリアの笑顔を見ると、金の村の皆に感謝を感じた。


生きていてくれて、ありがと。


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