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無限スキル使いの男〜クソザコだけど幼女と世界を救います〜  作者: ちゃこる
金の民救出作戦【クレア王国編】
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金の民救出作戦、其の捌

「フィリアちゃん。こっち!」


アルカナはフィリアの手を引く。

壁際の隙間からは、美扇達が奮闘する様子が見える。


「ミオ…リト姉。みんな」


戦闘班、特別班の大多数は救援に向かい、少数で龍の塔を目指すこととなった。


作戦は続いている。


こうなっては作戦はめちゃくちゃだが、目的は変わらない。


金の民、全員を救出する。


それさえ終わればどうにかなる。


そんな希望を胸に、アルカナ達も走り続けている。


「大丈夫だよ、フィリアちゃん。お姉さん達が絶対にあなたを送り届けるから」


「そうだよ。フィリアちゃん。俺たちが守ってやるからな」


握る二人の手が震えていることを感じた。


「そう簡単には進ませないわよ」


長身の女性。

大きな剣を手にぶら下げている。

さらしを胸にまいている他に、大きなマントを一枚。


「私はミーヤ。九つの神の一人」


「何が神だよ。このデカ女!」


ミーヤはわななく。


「デカ女?神に向かってどの口が…!」


素早い斬撃。


「鋼鉄系第七隔壁!アイギスシールド!」


グロウの詠唱と共に、彼の腕をゴツゴツした鋼鉄が覆っている。


轟音が響き、斬撃が弾かれる。


「ぐっ!強え!流石ゴリラ女!」


「我を低俗な猿と罵るか!」


二撃。三撃。五六七、百。


数えられない程の斬撃をグロウが必死に受け止める。


「あぁあああああああぁああああああああああああああああああああぁぁぁ!」


最後の一撃が防がれると、ミーヤは手を下ろした。


「呆れた。なんて硬さ。本当に人間?」


「あぁあ。どーも。あんたこそ本当にゴリラでお間違いないのかい?」


神として敬われてきたであろうミーヤだ。

これほどの挑発への耐性はなく、目に見えて憤怒する。


「おぉまぁえぇはぁ」


一際大きな一振。


「クズがァ!」


「鋼鉄系第九隔壁!アキレウスシールドツヴァイ!」


こちらもひときわ重厚な盾。


ぶつかり合う矛盾は、白の廊下を大破させた。


瓦礫に埋もれた多数の兵士の悲惨な声を聞くと耳が痛い。


「なかなかやるねえ。あんたの評価。プラス1」


「そりゃどうもね。インベスト・ライフ・アドベント・スカイ・シャーク」


「空の番人。スカイシャーク。初めて見たよ」


無数のスカイシャークが牙を剥き、ミーヤに襲いかかる。


が、全て消えた。


「な、なぜだ!スカイシャークはどこに!」


随分と大きい足音が近づいてくる。


「うーん。あれ?食べたのにおなかいっぱいにならない」


「ラフィール。あのサメは魔法だ。食っても膨れるわけないだろ」


談笑。


グロウは放心。


後、覚醒。


「エンチャント・スピード・ブースト。重ねて、エンチャント・ジャンプ・ブースト」


魔法はフィリアとアルカナにかけられた。


「早く逃げろ!ここは何とかする」


「う、うん!行こう、フィリアちゃん」


グロウは思考していた。


「はっ。どうしたもんかな。カッコつけたのはいいものの」


自虐的笑。


しかし、彼には短い人生めいっぱい使って得た魔法がある。


「俺の名はグロウ・グリーム。第一高等魔術学院首席。お前らには真っ向から挑み。そして、勝つ」


彼の周囲を風が舞う。


地理は集められ、回転し、電気を帯びる。


「混合系第一隔壁!エレクトロニクスクラック!」


電気を帯びた大量の塵が光の速さで射出される。


驚愕も束の間、ラフィールとミーヤは防御姿勢が間に合わず、随分と後方に吹き飛ばされた。


「へへ。これを実践で使うのは初めてだけど。案外上手くいくな」


ミーヤはすぐさま立ち上がり、怒りを露わにする。


大きな剣を高々と掲げる。

見るからに、必殺の構え。


背筋を冷たい感覚がなぞる。


「喰らえ。我が秘奥義」


大気が震える。


その衝撃のあまり、グロウは反応するのがコンマ一秒遅れた。


「五十螺旋剣」

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