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スクランブルだじょーい
「…ッ!」
琴音の表情が険しくなる。
「どうしたの?」
僕は明らかに動揺している琴音に問いかけた。
「怪物のお出ましよ、それもとびきり強い奴のね…」
そう告げると琴音は自身の周りに無数の光の粒を纏わせる。
「琴音、また戦うんだね…気を付けてね」
「大丈夫よ、今日はレジェホワのメンバー全員出動だからね」
琴音はそう告げると、光に包まれその場から姿を消した。
レジェホワのメンバー全員出動って事は、レジェホワは全員戦えるのだろうか?
琴音の行く先が気になりニュース番組にテレビのチャンネルを合わせる。
ニュースは案の定怪物の話題で持ち切りだった。
「現在ヘリから撮影しておりますが、地上で暴れている謎の生命体は尚も破壊活動を繰り返しています!近隣の住民には自衛隊や消防隊が避難を呼び掛けていますが、損害は大きくーーー」
テレビ画面には大蛇を彷彿とさせる太く長い生き物が映し出され、そいつが尻尾や牙で建物を破壊する様が誰の目にも閲覧可能な様にされていた。
「琴音、大丈夫かな…」
僕の不安感は、確かに募っていた。