一人暮らしの高校生
「明日の学校帰り、例のメイド喫茶に寄ってみようかな」
僕はベッドの上でメイド喫茶の事を考えていた。
ぶっちゃけると、前々からメイド喫茶に興味はあったものの、そっちの世界はふしだらな気がして踏み込めなかった。
「でも、良いきっかけ…だし…」
考えている途中、急に睡魔に襲われ意識を手放した。
眼が覚めると、日の出に出くわした様で周囲はうっすら明るかった。
時計を見ると時刻はAM5:37、 学校の始業が8:45なのでしばらく余裕があった。
「シャワーでも浴びよっと…」
そう呟くと、シャワールームに向かう。
僕は地方のとあるアパートで一人暮らしをしている。
一人でいる故に生活も厳しく、高校生のバイト代じゃとても賄えなかった。
何故一人暮らしなのかと言うと、まだ僕が幼い頃に交通事故で死んでしまったらしい。
その時の記憶が僕には無い、両親の記憶も…。
シャワールームを出てドライヤーで髪を乾かす。
朝シャンというものは久々で、いい眠気覚ましになった。
リビングに戻ると家に買い置きしてある缶詰と、昨晩から炊いておいた米を食す。
それが済むと、時刻は7:32、ちょうどいい時間だ。
「行ってきます」
誰もいない部屋にそう呟き、学校へと向かった。