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デスゲーム開始

視界が再び戻ると、そこには見たこともない町が広がっていた。

若干驚きながら周りを見渡すと、同じように驚きながら周りを見渡す人達が大量に見えた。どういう訳か、皆日本人ぽい顔だけど。


で、これが最初の町っつうわけか。いいね。

レンガ造りの家に、でっかい運河、そして運河を渡る船。

まるで中世ヨーロッパの町並みだぜ。


それにしても、VRにしてはよく出来てるなぁ。

そう思って空を見上げた瞬間。


半透明の、美少女の巨人が空に現れた。

何故かはわからないが、俺の背筋に悪寒が走る。

なんかこう漠然とした感じでしか言えないけど、コイツ、ヤバイ。


俺が動揺していると、突然巨人がしゃべりだした。


「おお!人がたくさん居るねー!えーと?9927人?

あれれー、73人足りないなー。まーいっか!

じゃあ皆!これから大事な話をするからよーく聞いててね?

はーい!ほら皆さんちゃんとこっち見て話を聞いてー?

では、重大発表いきますよ!


皆さん!この世界は――――――――



――――――――デスゲームになっちゃいましたー!


はい拍手ー!パチパチパチ。

じゃあ、内容を説明するよ!」


まるで、ただのドッキリかのような口調。

それ故に、皆現実が理解できなかった。


「お、おいどういうことだ!?」


真っ先に現実に戻ったのは、20代前半の兄ちゃん。

彼が叫ぶ姿を見て、彼女は笑みを保ったまま質問に答える。


「あれ?デスゲームになったって言ったよね?

あ、デスゲームが何かわかんないかー。

えっとね?要するに、この世界で死んだら現実でも死亡。オーケー?」


「マジ……………かよ。」


兄ちゃんは、膝を地面につき項垂れた。

彼を見て現実逃避から帰ってきたのか、周りの人たちも口々に騒ぎ出す。

それを見て少しだけ笑みを引くつかせた巨人が、手をパンパンと鳴らした。


「はい、皆さんうるさいですよー。

これから大事な大事なルールを説明するんだから黙っていて下さーい。

黙ってくれないと…………殺しますよ?」


直後、運河が暴れだし一匹の水竜の形と変化する。

そのあまりの威圧に全員が黙った。


「やっと静かになってくれましたねー。

では!皆さんお待ちかねのルールです!

まず、皆さんにはこの世界で自由に過ごし、最終的に魔王を討伐してもらいます!

期間は半年!頑張って魔王を討伐しちゃってください!

先程も言った通り、この世界で死ぬと現実でも意識がなくなりますが、例外として魔王さえ討伐できれば皆さんを復活させちゃいます!

しかも!魔王を倒せば現実世界にも戻れちゃいます!やだ私やっさしィ!


だけど、半年の内に討伐できなければそこでゲームオーバー!皆さんには死んで貰います!

では、ルール説明終了!

皆さん頑張って下さいねー。」


そう言って、彼女は消えた。

それ元の水色に戻り、水竜も元に戻って運河となった。

しかし、元通りどころかおかしくなったものが居る。

プレイヤー達だ。


「何がサプライズだ!」「こんなの嫌だ!」「なんで……なんで!?」「お袋ぉ」「生き地獄だ………」「仕事どうしてくれんだ!」「それより、現実の体は!?」


そんな中、強化された脳による処理能力のお陰で落ち着くことが出来た俺は、解決策を探すことにした。

まあ、俺だって多少はまだ動揺しているけど。

起きたらいつの間にか電脳人間になっていたりいつの間にかVRMMOの重役になっていたりしていた俺からすれば、このくらいのハプニングはギリギリ処理可能な範囲だ。


でもって、変に動揺して時間を無駄にするよりも解決策を探したほうが有益だ、と判断できるくらいには俺も冷静になれてるのだ。


(さて、まずはログアウトの有無だが……)


メニューと念じると、俺のメニュー画面が出てくる。

その中から、オプションの項目を選び、『ログアウト』のボタンを探す。

お、あった。

しかし、それは薄暗くなっており、どれだけ選択しても応答することはない。


(だよなぁ………。逆にそれで抜けられたら笑い話だけどさ。)


とりあえず、ログアウトが不可であることの他に、緊急脱出やGMコールも使えないことを確認した俺はを確認した俺は、次の手段に出ることにした。

即ち、仲間(寺本)との合流。


因みに、ついさっき気づいたが、驚いたことに俺達の顔はリアルとそんなに変わっていない。

運河に顔を写して確認したが、俺らの顔で変わっているのは目の色と髪の色だけだ。

だから、顔さえ見てれば寺本はすぐ見つかるはずだ。


早速寺本を探そうとメニュー画面を閉じて周りを見渡そうとした所で、俺はオプションにこんなのがあるのを見つけた。


『チャンネル変更』


「―――――!」


そうか、チャンネルか。

よくよく考えて見れば、この場だけに9927人もいるとは思えない。

とりあえず今この場に寺本が居ないことを確認した俺は、他のチャンネルへと移動することにした。

因みに、チャンネルは5chまであるようだ。

1chにつき平均1985人か。それなりだな。


で、えっーと、ここは2chだから次は1chに行こう。


色んなチャンネルを飛び回った俺は、結局5chで寺本と合流することに成功した。













俺が寺本を見つけた時、彼はポカンとしていた。

あ、これなにが起きてるかわかってない奴だ。


「おーい、寺本!」


俺が呼びつけてやると、彼はビクッとしてこっちを向いた。

因みに彼の容姿は髪が赤、目が緑。プレイヤーネームは†TERROR†だ。

寺本だからこうなったのだろう。


「お、お前もしかして狩野か!?」


「ああ、そうだよ。で、どうしたテラー君。」


「名前のこと気になったけど、今はいいや。

それより!今、俺達はどうなったんだ!?

周りの人があたふたしてるんだけど、全然わかんなくって。」


「そんなことだろうと思ったよ。いいか?今俺達は―――――」


俺が現状を説明すると、寺本の顔が青ざめる。

そして、慌て始めた。


「お、おいどうすんだよ狩野ぉ!」


「どうしようもねぇよ。今見たけどログアウトとか緊急脱出ボタンとかは全部無効だ。

手のひらで踊らされているようでムカつくけど、魔王を倒すしか無いな。

所でさ、お前、ステータスとスキルはどんな感じにした?」


「ああ!お前に言われた通り、str全振りにしといたぜ!」


「………へ?」


確かにstrに多めに振っとけとは言ったが……………全振り!?

唖然とする俺に構わず、寺本はしゃべり続ける。


「あ、スキルは剣術のスキルレベル4と歩行術レベル3、あと危機一髪レベル3にしといたぜ。」


あ、コイツわかってねえな。


「いや、そこが問題じゃねえから。

お前、DEX振ってなかったらいくらstrが高くても攻撃当たらないじゃん!?」


「え?あ、しまっったあああああああああああ!!!!!!」


「しまったじゃねええええええ!!!!」



何で俺らこんな所で躓いてんだろ、マジで。

1日目


シルト 男 レベル1


HP 100/100 MP 159/159


STR 0(0)

VIT 0(0)

INT 40(44)

MND 0(0)

DEX 0(0)

AGI 60(48)


スキル

火属性魔法 レベル3

ファイアーボール フレイムバレット

魔力探知 レベル1

危機一髪 レベル1

空間魔法 レベル1

跳躍強化 レベル1

中二病 レベル3


スキルポイント 0


武器 なし

上防具 ノービスウェア(上)

下防具 ノービスウェア(下)

アクセサリ1 なし

アクセサリ2 なし



†TERROR† 男 レベル1


STR 100(100)

VIT 0(0)

INT 0(0)

MND 0(0)

DEX 0(0)

AGI 0(0)



スキル

剣術レベル4

スラッシュ ワイドスラッシュ

歩行術レベル3

ステップ 

危機一髪レベル3


スキルポイント 0


武器 なし

上防具 ノービスウェア(上)

下防具 ノービスウェア(下)

アクセサリ1 なし

アクセサリ2 なし


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