俺氏、死にかける
昨日の分のステータスを書くのを忘れていましたm(_ _)m
「『ブレイクスラッシュ』!」
218ダメージ!
寺坂の一撃がコボルトを撃沈させた所で、レベルが上がった。
因みに、狩っていて気づいたのだが、俺の消費MPが1下がっていた。
これがintの副次的効果なんだろう。
見たところ、int100につき1下がるってとこか。
スキルポイントは、俺は『中二病』に、寺坂は『剣術』に振った。
『中二病』がレベル5となったことで、俺のintの実数値は200を超えた。
これで俺のMP消費は2下がっただろう。
因みに、寺坂の剣術はこうなった。
剣術 スキルレベル10 MAX!
アクティブスキル
剣全般が使いやすくなる。
剣全般の攻撃力が1.1倍になり、剣速が1.5倍になる。
使用できるアーツ
スラッシュ
詳細
ワイドスラッシュ
詳細
ラピッドスラッシュ
詳細
ブレイクスラッシュ
詳細
ソードスタンス
詳細
ソードスタンス
一定時間、自身を強化するアーツ。
剣全般を使用している時のみ使用可能。
120秒の間、剣速が2倍になり、STR・DEX・AGIに10×レベルの補正がかかる。
使用後は1時間の間MPの最大値が2分の1になる。
「「……………。」」
何だこのアーツは。
ヘヴィソードのマイナス分を考えてもコイツのDEXは『ソードスタンス』中36になる。
これは、かなりの強化なんじゃないだろうか。
「俺の時代、きたわ。」
「それは言いすぎだけどな。」
今までがあまりにも酷すぎるだけだし。
よくよく考えるとDEXに9を振った人と同レベルになるだけだ。
今までよりは格段にマシだが。
「でも、かなり戦闘能力自体は強化されたな。
じゃあ、奥の方に行ってみようぜ。」
「そうだな。」
そこから暫く『魔力探知』にはコボルトしか引っかからなかったのだが、山を登り始めた頃に、見たことのない反応があった。
「右方約300メートル先に狼みたいな反応がある。
見つからないように行くぞ。」
「了解。」
狼のような反応は、こちらには気づいていないようでその場からほとんど動いていない。
忍び足で近づいた俺達は、『フレイムバレット』の射程に入った所で、いつも通り近くの岩に隠れた。
用心深すぎるとは思うが、出来れば先手をとっておきたい。
俺は、パーティチャットを起動した。
シルト じゃ、いつも通りな。
†TERROR† わかってるって。
このやりとりも何回目だろう、と思いながら俺は『フレイムバレット』を叩きつけた。
29ダメージ!
という表記とともに、そのHPバーが若干削れた。
けど。
シルト 無理だ。今回は逃げるぞ。
†TERROR† マジか。わかった、逃げよう。
俺達が岩で姿を隠しながら逃げていると、さっき『フレイムバレット』を叩き込んだ狼もどきが、俺達を探そうと周りをウロウロし始めた。
しかし、俺達を見つけることが出来なかった狼もどきは、雄叫びを上げる。
「ウオオオオオオオーーーン!!!!!!」
それに呼応するように、沢山の狼もどきがぞろぞろと出てきた。
あれ、何か最初の狼もどきのほうがデカイぞ。
不思議に思った俺は、チラッと後ろのデカイ狼もどきを観察し、ビビった。
《ウルフリーダー》
そう、表示されていたのだ。
シルト やべえ、俺達はとんでもないものに手を出しちまったみたいだぞ。
†TERROR† どうした?さっき雄叫びが聞こえたが。
シルト 俺達が会ったのは『ウルフリーダー』っつうモンスターだったんだよ!
そして、さっきの雄叫びをきっかけに大量の狼が出てきやがった。
直に俺達の捜索を始めるぞ!
†TERROR† え、やばくね?
シルト やばいよ!って、捜索を始めやがった!
約10体のウルフが、四方にバラけて捜索を始めた。
こっちに近づいているのは2体。
一体は俺達の右側に、もう一体は俺達の左側から近づいてくる。
頼むからバレるな、と俺が念じていると、右側の方が俺等から遠ざかっていった。
俺が安堵したその瞬間。
唐突に風が吹いた。
さて、思い出して欲しい。
俺の武器であるレッドスネークの本は、その名の通り本だ。
その本が開きっぱなしの状態で風に煽られるとどうなるでしょう。
(しまった!)
気づいた時にはもう遅く、パラパラと音をたてて本がめくれた。
それを、狼達が見逃してれるはずがない。
さっきから左側にいた狼が、俺達の前に踊りでた。
シルト やるぞ!
†TERROR† 言われなくても!
パーティチャットで軽く話し、俺は『フレイムバインド』を使った。
そのまま、ヘヴィソードを振りかぶった寺坂が小声で呟く。
「『ラピッドスラッシュ』!」
61ダメージ!64ダメージ!
狼はコボルトと同じタイプのようで、今の一撃でHPが4割削れてくれた。
しかし、これじゃ全然足りない。
(『フレイムバレット』『フレイムバレット』『フレイムバレット』『フレイムバレット』『フレイムバレット』『フレイムバレット』!)
「『ステップ』、『スラッシュ』!」
寺坂がウルフの一撃を躱し、俺がその背中に『フレイムバレット』の6連射を決めた。
いつもと状況が逆だが、そういうのはケースバイケースだ。
俺のMPをゴリゴリと削った連射は、殆ど音を出さずにウルフを倒した。
筈だった。
「オオオオーーーン!!!」
「チッ!」
死に際にウルフが吠えたのだ。
冷や汗が、背中を伝った。
シルト 逃げるぞ!全力だ!
†TERROR† 流石にこれはマズイって!?
案の定、ウルフたちが追いかけてくる。
俺は全力疾走し、寺坂が『ステップ』の連打で逃げるが、彼らは止まらない。
その中でもスピードが群を抜いているのはやはり例のウルフリーダーだ。
ウルフリーダー達から全力で逃げる俺らだったが、途中で目の前にウルフが躍り出た。
「殺るぞ!『ファイアーボール』『ファイアーボール』『ファイアーボール』『ファイアーボール』『ファイアーボール』!」
「わかってる!『ソードスタンス』『スラッシュ』!」
俺の『ファイアーボール』がウルフのHPをゴリゴリと削り、寺坂の『スラッシュ』がウルフにとどめを刺した。
寺坂はMPが切れたようで、MPポーションを握りつぶして回復している。
くそ、ウルフ達の動向を推測しながら『ファイアーボール』を5連射はキツイか。折角無詠唱をしないで口に出して言ったってのに。
俺もMPが減ってきたのでMPポーションを握りつぶす。回復量は一律で150のようだ。若干足りねえ。
なおも逃走を続けていた俺達だったが、ここでさっきのウルフの代償が出た。
「ちっ、『ソードスタンス』が切れた!」
つまり、寺坂のMPは最高でも50。
『ラピッドスラッシュ』すら使えなくなった。
マズイな、と思いながらウルフリーダー達を観察していた俺は、重大なことに気づいた。
彼らは、主に俺を追いかけている。
最初にウルフリーダーを攻撃したのが俺なのが原因だろう。
気づいた俺は、すぐに指示を飛ばした。
「寺坂!俺から離れて逃げろ!」
「お、おい!そんなことが…………「いいから早く!」
俺の鬼気迫る声に気圧されたのか、寺坂は横にそれた。
『ソードスタンス』が切れた自分じゃ足手まといになるとでも思ったのかもしれない。
確かにそれもなくはないが、実際は違うのだとあとで彼に教えてやろう。
ここで、生き延びられればの話だが。
案の定、彼らは離れていく寺坂には目もくれず俺を追いかけてきた。
その中でもやはりウルフリーダーは早い。
最初は200メートルは距離が開いていたのに、今では2メートルもない。
俺は、ここで思考をやめた。
ただ、走る。
同時に、電脳が運動機能の補助に重点を置き始めた。
俺の走りが最適化され、今まででトップスピードを発揮する。
2134年においても記録の打ち破られることのなかったボ◯トもビックリな動きで、俺の体が走る。
そんな俺の視界に、遂に町が写った。
俺はそれを見て少し安堵した。いや、安堵してしまった。
俺の体が、宙を舞う。
目の前に、459ダメージという表記が現れ、更に『危機一髪』が発動しました、というテロップが流れた。
どうやら、一撃を喰らってしまったらしい。
驚くほど冷静になった俺は、再び電脳の運動機能の補助を活用し、強引に着地&ダッシュという芸当をしてみせる。
しかし、ウルフリーダーは未だに手を伸ばせば届く距離。
そして、俺を殺さんとその爪が光る。
それをジャンプで躱す。
足のすぐ下を風圧が通る。
あっぶねぇ、跳躍強化がなけりゃあ死んでいた。
再び着地&ダッシュをした俺は、そのまま一直線に街を目指す。
それでも、ウルフリーダーの凶爪は十分届く距離。
俺は、横、ジャンプとその一撃を回避しながら町の中にダイブする。
俺は、もう走るのをやめた。
逃げる必要がないからだ。
電脳の過剰使用によって薄らいでいく視界の中で、ウルフリーダー達を一突きで殺していく警備兵達を見ながら、俺は意識を落とした。
2日目
シルト 男 レベル4
HP 1/100 MP 56/376
STR 0(0)
VIT 0(0)
INT 160(205)
MND 0(0)
DEX 0(0)
AGI 240(197)
スキル
火属性魔法 レベル5
ファイアーボール フレイムバレット フレイムバインド
魔力探知 レベル3
危機一髪 レベル1
空間魔法 レベル1
跳躍強化 レベル1
中二病 レベル5
スキルポイント 0
武器 レッドスネークの本 本
INT+7% AGI+3% 火属性魔法+6%
上防具 ノービスウェア(上)
下防具 ノービスウェア(下)
アクセサリ1 なし
アクセサリ2 なし
†TERROR† 男 レベル4
HP 748/748 MP 50/50
STR 400(480)
VIT 0(0)
INT 0(0)
MND 0(0)
DEX 0(0)
AGI 0(0)
スキル
剣術レベル10
スラッシュ ワイドスラッシュ ラピッドスラッシュ ブレイクスラッシュ
ソードスタンス
歩行術レベル3
ステップ
危機一髪レベル3
スキルポイント 0
武器 ヘヴィソード 両手剣
STR+20% AGI-10% DEX-10%
上防具 ノービスウェア(上)
下防具 ノービスウェア(下)
アクセサリ1 なし
アクセサリ2 なし