第1章悪魔なメイド(3)
俺とこのメイドは食事を再開した・・・。
うん?そういえば・・・
「なぁ、お前」
「何ですか?マスター」
「名前、なんて呼べばいいんだ?」
「うーんと・・・そうですね〜。ではお姉様というのは」
「却下だ。」
俺はこいつが言い終わる前に即答した。
「どうですか?って最後まで言わせてください。何ですか?さっきまでずっといじられてたからやり返したいのですか?子供ですか?」
「そうじゃねえよ。考える余地もなく却下だよ!てかお前に名前はないのか?」
メイドは箸をおいて言った。
「勿論ないに決まってるでしょう。ずっと一人であの暗い世界にいたのですから。
まぁ、でもこの世界にくる上で矛盾が起きないように戸籍登録が必要でしたから一応名前は勝手につけましたよ。」
「へぇ・・・どんな名前だ?」
俺は一度箸をおいた。するとメイドも同じように箸をおいた。
どうせ元悪魔(?)の考える名前だ。山田花子とかそこらへんのある意味一般的な名前だろう・・・
「私の名前は『牧 明日香』です。」
「へっ?」
「どうしました?マスター。そんな変な声を出して。」
あまりの驚きに思わず変な上ずった声が出てしまった。
「いや・・・なんというか何も違和感ない普通の名前だったから・・・。」
「そらそうですよ。違和感ある名前とか後後面倒くさいだけじゃないですか。そこらへんはしっかりしていますよ。」
「・・・そうなのか?まぁいい。それで・・お前の年齢は?」
「レディーに年齢を聞くのは・・・と言いたいところですが、まぁ今回は仕方ないでしょう。一応20歳で登録させてもらいましたよ。・・・マスター、何ですかその気持ち悪い顔は?」
「気持ち悪い顔って何だよ!いやぁ・・・サバ読んでるなぁって思って」
「そもそも私はあの世界では年を取りませんよ。ある意味私は0歳です。」
「あっそうなのか?いや、悪かった。」
これは意外だ。正直年齢は1億歳とか言われても違和感なかったのにあの世界では年をとらないのか・・・。そうか。
「分かればいいですよ。分かれば。珍しくマスターのもの分かりもいいので私はとても楽です。」
うむ・・・このメイド一言二言余計な事を所々言うな・・・。
「さあ、早く食べましょう、マスター。」
「あっそうだな。食べよっか。」
そして俺たちはすぐに食事を終えた。
終えたのはもうこの日があと1時間程度で終わる時間だった。
だから俺はもうこの波乱万丈な一日はこれで終わったかのように思えた。だがまだこの日はそのまますぐには終わらなかったのだった。
・・・・・・to be continued