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残念な転生者

『あなた達を転生させますので、一つだけ希望を言って下さい』



この言葉を聞いた時、自分は不覚にも軽く失禁してしまいました。

こっ、これはテンプレートな転生フラグではありませんか。


物心ついた時から漫画やアニメにドップリ浸かり、クラスメートの名前は覚えて無くても、好きな漫画の登場人物はモブキャラですらフルネームで言える自分としては、垂涎ものの展開であります。


まあ、垂らしたのは涎ではありませんでしたが、それは些細な事、冷静びーくーるにであります。


このような展開に慣れている自分としては、現在の状況確認が急務であります。

まず、この死亡が誰のせいかで今後の対応を決めねばなりません。


よくある「神様のミス」で死んだ場合は、強気にいき情報を引き出し、転生時の特典を増やしてもらうのが定石なのです。


しかし、先ほどの声は『あなた達』と言っておりました。

さすがに、ミスで複数の人間を殺害というのは、自分の知識を持ってしても記憶に無いパターン。


となると、「神様の娯楽」のために転生させられるという状況が有力ですが、この場合は他の転生者の有無で対応を変えねばなりません。


今回は、他の転生者がいるので、良くある『最強の力』や『無限の魔力』という願いは神様も辟易しているはずですから避けます。

ベストな願いは神様に『そんな力で良いの?』と言わせつつ、使い勝手の良いものです。


それを決めるのには、転生先の情報が重要になってきます。

まずは、神との交渉と洒落こみましょうか。



・・・あのー・・・



あれ、声がでません。

あぁ、体が無いので当然ですか。


それなら、どうやって願いを伝えるのでしょうか。

例えばテンプレ通りに心を読んで・・・





・・・って、心読まれてんじゃね


心の声、駄々漏れじゃね。

都合よく願いだけ聞こえますってわけなし、今まで考えてた事、意味無いじゃん。

うわぁー、初歩的なミスかましたわぁ。ないわぁ。


はぁ、もうどうでもよくなりました。

情報を教えてくれって頼みが、願いだと判断されても困るので、さっさと願いを決めてしまいましょう。


昔の漫画の主人公で、板であれば、どんな板でも作り出す事ができる能力

【無限の板製(UNLIMITED PLATE WORKS)】

これを使えるようにしてもらいましょうか。


転生物で、もっとも良く使われる能力だが、それだけに使い方が検討されつくしていますし。

木の板で家を作ったり、金の板を売って金にしたり、オリハルコンやミスリルといった空想素材で強力な武器を作ったりと汎用性もあります。

もちろん板を作る能力なので、目の前に壁を作って防御もできるし、薄くした板を飛ばして相手を切り裂いたりもでき戦闘にも便利。


まあ、他の転生者も同じ願いをするでしょうが、培った知識で自分の方がうまく能力を使えるはずですし。



・・・ふぅ

当初の予定とは、大分離れてしまいましたが、この能力なら転生先で苦労する事は無いでしょう。

あとは、転生者という事を隠して、面白おかしく生きてみましょうかねぇ。


では、

「無限の板製(UNLIMITED PLATE WORKS)を使えるようにして下さい」



===========================================


気がつくと、赤ん坊になっておりました。

目はまだ見えませんが、父親や母親であろう声が聞こえるので転生成功といった所でしょう。


転生先を指定できなかったので、いきなり天涯孤独とか森に捨てられるとか、


ヘルモードバージョンも想像しておりましたが、そこは考えすぎだったようです。


もちろん、いきなり能力を使って両親を驚かせるような事はしません。

自分で動き回れるようになるまで辛抱我慢であります。


今は早く言葉を覚えるようにしますかねぇ。



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