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世の理(ことわり)を知る転生者

『あなた達を転生させますので、一つだけ希望を言って下さい』



この言葉を聞いた時、僕は今まで以上の混乱におちいった。


僕は、そこそこ頭の良いほうだと思う。

なぜなら、僕が世界にとって無価値で無意味な存在だと判っているからだ。


人間は人生に意味を持たせたがる。

自分の存在は特別だと盲信して、価値を求めて生きている。


この世界から見たら、どんな生物にも価値なんてないのに。

自分を無価値だと認めながら、心を殺して生きていくしかないんだから。



だからこそ、この提案には驚いた。


転生させてもらえるのは良い。

輪廻とか、そういうシステムで世界はできているのだろうし。


でも、なぜ希望を聞くんだろう。

何も言わずルーチンワークのように転生させれば良いじゃないか。

「君は特別です」とでも言うんだろうか。

そもそも、この声の主は何者だ。神様なのか。


わからない。わかるはずがない。

僕は凡才なんだ。僕程度の頭で理解できるはずがない。


だけど、知りたい。なぜか好奇心が抑えられない。

気付けば僕は願っていたんだ。


「あなたと同じ知識をください」




===========================================


ともすれば音が聞こえてくるような知識の濁流に

僕の自我は吹き飛ばされた。


粉々に散っていく意識の中で、答えを得た充足感だけが残っていた。


・・・は転生した。全ての自我、欲求を知識で押し流されて。

赤ん坊ながらにして世界の(ことわり)を知り、個を無くした物として。


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