【漫才】スマホ依存3
二人「はい、どうも~」
ボケ「今の時代、みんなスマホって持ってると思うんだけど、僕スマホが手放せなくってねぇ」
ツッコミ「まぁ、多いんじゃない? そういう人は。俺もそうだわ。一人で暇なときはなんかスマホ弄ったりしちゃってるわ」
ボケ「そんな次元の低い話じゃないんです。僕をそんじょそこらの一般人と一緒にしないでいただきたい、レベルが違うんです」
ツッコミ「なにがどう違うんだよ。暇なときスマホ弄る以上のスマホ依存症ってこと?」
ボケ「暇なときにスマホ弄るなんて依存症のいの字もないですよ、僕に言わせれば。だから、あ、ですよ。あぞん症ですね」
ツッコミ「わけわかんねぇこと言うな。十分依存症だと思うけどね、ずっとスマホ弄ったりしてんのは」
ボケ「僕くらいになると何をしていても常にスマホを弄ってますから」
ツッコミ「何をしていてもってなんだよ。何してるときだよ、たとえば」
ボケ「スカイダイビングとか」
ツッコミ「スカイダイビング!? スマホなんか弄ってる余裕ねぇだろ!」
ボケ「スカイダイビング、なう」
ツッコミ「なう、じゃないんだって。ぶっ飛んでいくだろ、スカイダイビング中にスマホなんか弄ろうとしたら」
ボケ「僕は今、僕が何をやっているかとか、常に最新の情報をみなさんにお届けしたいわけ」
ツッコミ「あぁ、そうなの。でもスカイダイビングしてるときくらいスカイダイビングを楽しもうよ。終わってから呟いたりすりゃいいじゃん」
ボケ「それじゃ遅いでしょ! もう終わってんじゃん! 常に最新の僕をお届けしたいって言ってんじゃん! 終わってから呟いたんじゃ最新の僕じゃないでしょ! 何言ってんの君は!」
ツッコミ「わかった、わかった。めっちゃ怒るじゃん。最新の僕ってなんだよ」
ボケ「だからたとえば、僕がボクシングしてるときでもスマホ弄ってますから」
ツッコミ「できるか! スマホ持ちながらリング立てるわけねぇだろ」
ボケ「こう自撮りしながらパンチ避けたり打ったりしますから」
ツッコミ「自撮りすんなって! そんなふざけた奴リングにあげるわけねぇだろ」
ボケ「そんなことない。相手も決め顔してポーズしたりしますから、カメラ向けると」
ツッコミ「ボクシングしろ! なんでそんなフレンドリーな空間になってんだよ、おかしいだろ」
ボケ「自撮りしようとすると、相手も画面に入ってこようとしますから」
ツッコミ「いやだから、ボクシングしろっつーの。なんで仲良くなってんの」
ボケ「ほかにはたとえば、僕が100メートル走で走ってるときでもスマホ弄ってますから」
ツッコミ「スマホ持ちながら走るな! どこの世界にスマホ持ちながら陸上やってる奴がいんだよ」
ボケ「50メートル通過、なう」
ツッコミ「呟くなって! そんなことしてる時間ねぇだろ。入力してる間にゴールしてんだろもう」
ボケ「55メートル通過、なう」
ツッコミ「刻むな! なんでそんなおっせぇんだよ。歩いてんのかお前は。っていうか100メートルなんてすぐ終わるんだから、終わってから呟いたらいいじゃん」
ボケ「だから最新の走ってる僕を最新でお届けしたいって言ってんじゃん! 終わってからじゃ最新の僕じゃないでしょもう!」
ツッコミ「最新最新うるせぇな! 最新言いたいだけじゃねぇか」
ボケ「それに100メートル走は0コンマ何秒を争う世界なんだよ、知らないの君は! そんな悠長なこと言ってる間にどんどん離されていくわけ! 100メートル走舐めてるでしょ君!」
ツッコミ「お前だよ! スマホ持って走る奴のセリフか、それが。お前がスマホ弄ってる間にほかの人はもうゴールしてんだって」
ボケ「あとは、たとえば僕が仕事でミスして上司に怒られるっていう、そういう場面でもスマホ弄ってますから」
ツッコミ「弄るなって! 余計怒られるだろ、ミスして怒られるっていうのにスマホなんか見てたら」
ボケ「今回は僕のミスで多大なるご迷惑をお掛けしてしまいまして、誠に申し訳ございませんでした!」
ツッコミ「うん、まぁ――」
ボケ「そういうふうに上司に伝えようと思います。なう」
ツッコミ「……あっ、呟いてたの? 紛らわしい真似すんな! ちゃんと上司のとこ行って直接言え!」
ボケ「上司の目の前ですけど」
ツッコミ「えぇ? 目の前でスマホ操作すんな! 謝る態度かそれが!」
ボケ「だから最新の上司に謝る直前の最新の僕を最新でお届けしたいって言ってんじゃん!」
ツッコミ「だから最新最新うるせぇっつの! 最新言いたいだけだろもう」
ボケ「まぁ、これくらいスマホに依存してるってことですね。もう死んでもお届けしたいもんね。君、棺に入った僕の手にスマホ持たせてくんない? こうやって」
ツッコミ「それは別にいいけど、死んだらもうお届けできないのよ」
ボケ「僕の体を火葬場までお届け中。なう」
ツッコミ「だから呟けないんだって。いいかげんにしろ」
二人「どうも、ありがとうございました~」




