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キャンバス~色なき世界のアービトレーター≪仲裁人≫~  作者: ぶーたん
第4章 暗き太陽編

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第78話 魔術vs魔法

ウィッチは転移魔術を完成させるため、上空を飛び回っていた。

その後ろから絨毯に乗った異様に腹が出た六道の餓鬼担当プルータフが追って来ていた。


「しつこいのだ。こっちは急いでいるのだ」


「この吾輩から逃げられると思わないことですね。飛行は得意なのですよ。フヘヘヘ」


「聞いてないのだ。離れるのだ。ウィンドル」ウィッチは振り返り、胸元から小さな杖を取り出すと初級の風魔法がプルータフに飛んで行った。


「風の初級魔法ですか。そんなもので怯むとでも。フヘへへ」

プルータフは杖を出し、飛んで来た風に向かって振ると、魔法がまるで存在しなかったかのように消えてしまった。


「魔法を消すマジック・キャンセルです。私の杖には魔術の刻印が複数刻んであり、魔法使い相手には負けなしなんです。フヘヘヘ」


「知らないのだ。さっきから変態な笑い方やめてほしいのだ」

ウィッチはプルータフを無視して飛んで行く。


「変態?この吾輩が変態だと?どこから見てもカッコイイ魔術使いだろ。フヘヘヘ。マジック・カウンター」

プルータフが杖を振ると、消されたはずの風魔法がウィッチに向かって直撃した。


「おっとっと!?なんのこれしきで負けないのだ。ウィンドーラ」ウィッチは杖を振ると、先ほどより強い中級の風魔法がプルータフに飛んで行った。


「フヘヘヘ。次は中級風魔法ですか?こんなの余裕ですよ。マジック・キャンセル・アンド・マジック・カウンター」

ウィッチの魔法は瞬時に簡単に消され、魔法を返される。

再び直撃し、体勢を崩しかけるが、大きい方の杖に何とかしがみついて、飛んで行く。


「逃げられると面倒なのですよ。吾輩には異界転移魔術をする大事な役目があるんですから、いい子だから捕まって下さい。悪いようにはしませんから。フヘヘヘ」


「はぁはぁ...。そんなことさせないのだ。くらうのだ。ウィンドクロス」杖から巨大な十字の風がプルータフに向かって飛んで行った。


プルータフはにやけながら、杖を前に出して、魔法を何の苦もなく打ち消した。


「フフフヘヘヘ。上級風魔法いいですね~。でもね~。簡単に消せるんですよ。そろそろ終わりにしますか。マジック・カウンター・プッシュ」ウィッチが放った魔法よりさらに巨大な魔法で返した。


「さすがにそれはまずいのだ」

何とか加速しようとするが、ウィンドクロスの風に巻き込まれて、遠くへ吹き飛んでしまった。


「フヘヘヘ。これでさすがに動けないでしょう」


プルータフはウィッチに近づいていく。

ウィッチはこんなピンチの状況でも不敵に笑っていた。


「私は天才魔法使いウィッチなのだ。この状況も計算しているのだ。転移魔術の準備は整ったのだ。これで任務完了なのだ」

ウィッチは上空に描いた魔術刻印がウィッチの魔力によって反応し、黄の国にいる国民を一瞬にして転移させた。


プルータフはハッとした。今まで風しか使わなかったのは、わざと自分が押し返されるのを計算してのこと。魔法が返されるのは初めからわかってやっていたことを。このような屈辱は初めてだ。小物だとバカにした者にこのようにコケにされたのだから。


「やってくれたな。吾輩の計画は失敗。今からでもお前を殺して、無理やりにでも異界転移をやってやろうか」プルータフは怒りで顔が真っ赤になり、額に血管を浮かべた。


「それは無理なのだ。異界転移魔術は大量の人間の血を必要とする禁忌の術。そもそもできるかも怪しい魔術なのだ」


「うるさい。全部お前のせいだ。お前自身の魔法で死ぬがいい。マジック・カウンター・プッシュ」


ウィンドクロスをウィッチは避けようにも体力も魔力も限界だった。

さすがにもうだめなのだ。

ウィッチは風に容赦なくズタボロに切り刻まれた。

その時、ウィッチの大きい方の杖がひび割れて、神々しい光がウィッチを包む。


「なんだ?この光は?」


光が落ち着くとウィッチは杖を持ち、空中に優雅に浮いていた。


「何で生きている?」


「なんだ?童に問うておるのか?下品な魔術師よ。見てみればわかるであろう。この美しさを」

ウィッチの見た目をしているが、放つ魔力、雰囲気が完全に別人になっていた。

髪の毛をさらっと撫でるしぐさをすると、軽蔑するようにため息をついた。


「お前は何者だ?」


「質問が多いなぁ。童はコク。この杖に入っていた者だ。そして、魔の始祖のコクと名乗ればわかるかの?」


「コクだと。そんなの大昔にいた人物じゃないか。生きているわけがないだろ」


「これだから頭の固いバカは嫌いだ。童も不老不死のわけがなかろう。精神だけを杖に移して、この宿主を見守っていただけだ。肉体はとっくになくなったわ」


「杖に入るだとそんなこと聞いたことがない」


「バカと話すと疲れる。前例がなければ作ればよかろう。お前みたいな出来た物だけ使う者には神化(しんか)と言っても理解できないだろうな」コクは髪の毛の先端をぐるぐるしながら心底退屈そうにした。


プルータフは何を言っているのか理解できなかった。だが、目の前には底知れない魔力を持つ別人格をした人物がいる。油断している今の内に殺してしまおう。


「油断したな。マジック・カウンター・プッシュ」


コクに向かってウィンドクロスを放った。

冷静に魔法を眺めると、杖を一振りして、魔法を塵のように消し去った。


「なぜだ?上級魔法を杖だけで?」


「本当につまらない奴だ。こんなものウィンドルでかき消せるわ。なぜこんな奴に宿主は手こずるのか?本当に転移魔術を成功させることしか考えていないせいで、この雑魚を最初に処理するのを忘れるとは。まあ、そこがかわいいところなんだがな。お前はもういい。飽きた」

コクはプルータフに杖を向けると周囲の空間が歪むほどの膨大な魔力が集まった。


「ウィンドル」

すべてを呑み込む凄まじい爆風が吹き、プルータフの体が痕跡すらなく、消し飛ばした。


「宿主の体も回復したし、そろそろ童も限界か」


コクの人格がウィッチに急に移ると、ウィッチはその場から抵抗する間もなく真下に落下した。


「なんなのだ?なんで落ちてるのだ?」ウィッチは焦っていた。


地面に落下するところでロウがウィッチを抱え込んでキャッチする。


「大きい音がしたから、駆け付けてみれば、お前さんが落ちてくるじゃないか。驚いたわい、年寄りの心臓をいためんでくれ」


「助かったのだ。ロウ。なんか急に落ちて焦ったのだ」


「お前さんのおかげで国民は転移したようじゃ。死んだ者は飛んでいなかったがのぅ」


「転移出来たのだ。よかったのだ」ウィッチは助けられなかった者もいる責任で胸が苦しくなった。


「よくやったわい。本来全滅してもおかしくなかったんじゃ。自分を責めるな」


ウィッチは落ち着きを取り戻して、ロウの傷の手当てをしていると、城の方から地を揺るがす大きな音と共にクロとアレスが吹き飛ばされてきた。

昨日の夜深夜テンションで書きました。

もっと書きたいことあったなとか思いましたが、止まらなくなるので、

今回はここで終わりにしました。

今日は書きたいことが言語が出来ず、次の話がどうしたものか

自問自答中。

ブックマーク1名して頂き大変ありがとうございます。素直にうれしいです。

アップすると読んでくれる方がいるのでありがとうございます。

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