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キャンバス~色なき世界のアービトレーター≪仲裁人≫~  作者: ぶーたん
第4章 暗き太陽編

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第71話 復讐のオニ

クロはディスカラーに急いで戻った。目の前には力なく、カゲとウィッチがいた。ロウはぐったりしている。壁にはヒメが貼り付けになっていた。


本当にデータがやったのか、畜生なんでだ。ゆっくりとヒメに歩みを寄せる。微かに呼吸の音が聞こえた。


クロは急いで釘を引き抜いた。この釘魔力がない。ヒメの力を使えなくするためか。


クロはヒメを抱きしめ、魔力を流し込んだ。


「マスター・・・。ごめん・・・。やられちゃった」ヒメは力を振り絞って話す。


「もういい。それよりじじいがまずいんだ」


ヒメは目がなく、魔力を頼りに、ロウに触れた。


「大丈夫。生きてる。安静にしてあげて・・・」

ヒメはその場で倒れ、気絶しているのを確認した。


ヒメ・ロウ・ウィッチを寝室に運んで寝かせた。


クロは荒れていた。テーブルを見ると、5人の手配書が置いてあった。


「なんでだよ。クッソ」テーブルを壊して八つ当たりする。


「主、私戦いに行きます」カゲは一人で死ぬ気でいた。


「ダメだ。お前一人でどうなる」


「ですが、居場所はバレています」


「知っている。今もバレている。データがここに来た時に気が付くべきだった。あいつら俺のローブと同じ三種の神器を持っている。そうじゃなきゃこの場所がわかるはずがねえ」


「それならなおさら、こちらから仕掛けないと・・・」


「やるんだったら、ここにも大勢の奴を送り込んで、もう殺されている」


「じゃあ、相手は何を考えているのですか?」


「あいつらは掌の上で転がしていた。こちら側を精神的に追い込みたかった。今回もそうだ。絶望させて、単独で行動したら、一気に潰せばいい。向こうは待っているんだ」


クロはカゲと話を終えると一人でオニを冷凍室から運び、外に出した。死体で遊ばれる可能性もある。だから、火葬することにした。


クロは一人で黙々と火葬の準備をしていた。作業に集中していれば、紛れるかと思ったが、ダメだ。オニのこと思い出しちまう。不器用で優しくて、でも周りから見た目だけで勘違いされる。この場所だけはお前の味方になれればと思ったのに・・・。クロは火葬の準備が出来て、火をつけた。


ごめんな。こんなことになって。守ってやれなくて。また守れなかった。クロはその場に座って、燃える火を見つめる。


「ブラッド。俺やっぱり弱いのか。何も守れねえ。仲間一人守れねえのに外の世界に出たのが間違いだったのか。この先どうにかなるかな」クロは涙が自然に出てきた。


一人じゃどうしようも出来ない。でも、周りを巻き込んだら、もっと失う。自分は強くなったと思ったのに、結果はこれか。

クロは絶望の中、とっさに言葉が出た。

『黄の国を照らす太陽が闇に覆われた時、真の王が誕生する』


「あいつらの狙いって、この伝承の通りにすることか。こんなくだらねえことにオニは死んだのか。だが、真の王を誕生させたい。六道はそのための手下・・・。太陽を闇に染めるってのが、わからねえ。でも、時間がないのは確かだ。隠れてた黄の国が動いている。準備が出来たってことなんだろ。じゃあ、あいつらは今黄の国にいる。お互いの居場所はわかっているんだ。こっちから攻めれば奇襲になる。居場所は随時見られているとして、ウィッチで転移出来たら、隙を作れる」クロは不思議と冷静になっていた。


よしこれなら一人で突っ込んでいけば何とかなりそうだ。


「マスター・・・?」後ろから弱弱しい声が聞こえた。


クロは振り返るとヒメがいた。まだ、目が見えていない。痛々しい姿。


「ヒメか。どうした?」


「一緒に私も連れてって」


「一緒に死んでくれるのか?」


「違うよ。死なせないために行くの。私たちの力が必要でしょ」


「馬鹿言うな。俺一人でどうにかした方がいいだろ」


「でも、私は行くよ。全員で行かないと」


「もう無理だろ。弱点もバレてる状況でどうやって戦う気だ」


「それでもマスター一人で行くより全然いい。待ってるのはつらいから」


「あいつらは女子供も容赦しない。実際そんな姿になったろ。大人しくしてろよ」


「嫌だ。私だって悔しい。オニを殺されて、首を見せつけられた。絶対に許せない」


ヒメには断固たる決意があった。一緒に行くと言うまで、引かない。黙って出てっても、ついてくるだろう。


「わかった。絶対に死ぬなよ」


「うん」


クロはヒメを抱きしめた。

そして、黄の国と戦う意志を固く決めた。

いつも読んでいただきありがとうございます。

次回からは六道との直接対決になります。

一瞬で終わる戦いはあまり書きたくないので、

どうするか考え中です。

次回もお楽しみに

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