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キャンバス~色なき世界のアービトレーター≪仲裁人≫~  作者: ぶーたん
第2章 ギルド結成編

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第42話 友達(?)からの聞き取り

クロは宿に向かいながら、情報が集まりそうな場所を探していた。中央貿易都市には知り合いがいないからな。どうしたものか。


ギルドの前を通ると先ほど絡んで来た強面の冒険者たちが酒を飲んで騒いでいた。


「次あのガキ見つけたら泣かしてやるよ。あんなハッタリに俺様が騙されるかっての」冒険者は酒を一気に飲み干した。


酒が空になり、でかい声で叫んだ。


「おい、酒持ってこい」


「はい」酒を目の前に置く。


「ありがとよ。早いじゃねえか」


隣にクロが笑顔で座っていた。


「おまえは……」強面の冒険者は血の気が引いた。


「なあ、聞きたいことがあるんだ。酒奢るから知ってること全て吐け」クロは変わらない笑顔で肩を組む。


クロは冒険者たちに聞いた。武術国家がなぜ嫌われているのか。


話によると、武闘大会でロウに負けてから、気持ちが落ち込んだ王はとにかく自分を追い込んでいたそうだ。そんな時、武術国家に訪れた女性に一目惚れし、すぐに結婚をした。そこから武術国家に動きがあったようで、武術国家出身のギルドとパーティーを組む時は依頼料を倍にし、その分を国家に収める決まりを作った。そのせいで、武術国家出身の冒険者は高くつくということで、相手にされなくなり、素性を隠して依頼を受けるようになった。


国を挙げての一大イベントだった武闘大会は、王が参加せず、賞金もなし、参加料を上げ、観戦チケットも値上げした。これだけでも酷いのに、見込みがある武術家を特待生で国に入れる制度も撤廃し、周囲からの評判は落ち切った。


また、王の再婚相手は男癖が悪いらしく、夜な夜な自室に男たちを招き入れ遊んでいると、呼ばれたことがあるホストが自慢していたそうだ。かなり金遣いが荒く、防衛隊の費用も出せなくなって、金のために今回王女を結婚させるという話だ。


「兄貴。以上が武術国家の話です。もういいですか?」強面の冒険者はクロの顔色を窺った。


「まあ、大体はわかった。王女が売りに出されると……。王女はどこにいるんだ?」


「結婚するまでは武術国家にいるって話だけど、そのあとはまだ情報がないです」


「いいや。それだけわかればいいさ。じゃあ俺宿に帰るから」クロは立ち上がった。


「ごちそうさまでした」強面の冒険者たちは全員で頭を下げた。


クロはギルド支部を出ると、宿に向かって行った。しばらく宿のベッドで寝ていると、いつの間にか夜になり、みんな帰って来ていた。


「クロ。やっと起きたのだ」ウィッチが顔を覗き込んで来た。


今日の報告を聞いた。カゲとウィッチは、酒場を作る建材をまとめて運べる場所があり、装飾品のインテリアもあるのを確認したようだ。ロウもいくつか良さそうな酒屋を見つけたようで、すぐに仕入れできる状態にしているようだ。


「小僧。素材はどうした?」


「ドワーフの職人に売ったから買い物しても大丈夫だ」


「さすがは主です」


「俺は明日武術国家に行くから、勝手に買い物しておいてくれ」


クロは事情を説明した。武術国家に行ってくること。その間に不動産屋に行って貿易都市に転移場所を作っておいてほしいこと。


「小僧お前一人で大丈夫なのか?」ロウが心配そうに言う。


「まあ、なんとかなるだろ」


クロは早めに寝ることにした。


日が昇る前にクロは起きた。一人で武器屋に行ってナイフを受け取ると、武術国家に走って向かう。


全力で走ったが、着いた頃にはすっかり暗くなっていた。カゲとウィッチを連れてくるべきだったと後悔する。思ったよりも時間がかかった。来る途中に人が通らないから、荷馬車をヒッチハイクして乗っていくことすら出来ない。噂通り、武術国家に人が寄らなくなったようだ。これなら侵入も楽だな。


クロは国の中に入り込み、城を眺めた。


下から眺めると一つだけ異常な魔力の流れが出ている場所があった。


「なんだ。あの異常な魔力の流れ?」


クロは城の壁を登り始めた。だが、掴むところが少ないから、滑り落ちてしまった。


「クソ。能力使えれば、簡単に上にいけるのに……」


クロはナイフで両手を切ると、血を凍らせ鋭い爪を作った。


「これなら登っていける」


クロは城壁に爪を引っかけて登っていく。


「これならローブ使った方が早かったか」


クロはどんどん進んで、部屋まで着いた。ガラス越しに人がいるのが見えた。扉に鍵がかかっていたが、氷を使って中の鍵を開けた。


窓ガラスから侵入すると、ベッドの上で泣いている武術国家王女ヒュメルドーナ・メラクレスがいた。武闘大会で見た時と姿が全く変わっていない。


王女はこちらを見て驚いた。それもそうか、両手血まみれで窓から侵入してくれば変人だろう。なんて声をかければいい。騒ぎにしたくないのに。


「あなたは、数年前の武闘大会で乱入して来た人。なんでこんなところに?」王女は意外にも落ち着いて尋ねた。


「いやあ、ギルドを結成しようと思ってな。それで一緒にギルドを作らないか?」クロは単刀直入に誘った。


「私はこれから売られる身、あなたと一緒には行けません」


クロは近くにあった椅子に勝手に足を組んで座った。


「くだらねえ。なんで親に売られるのに黙って従うんだ」


「それは私の父上の命令だからです。私には父上しかいないので」王女は涙を流した。


「つまらねえ。人生だな。父親の頼みなら何でも聞くのか?」


「あなたにはわからないでしょ。私には最後の肉親なんです」王女は怒った。


「ふ~ん。新しい母親は関係ないと」


「あんなのは私の母ではありません」王女はきっぱりと答えた。


「なら、なんで母親の言う通りに動くんだ?」


「それは父上が言うから」王女は口ごもった。


「だからくだらねえって。お前の目は節穴だな」クロは煽った。


二人は険悪のムードになり、一触即発になった。

いつも読んでいただきありがとうございます。

初期のクロより能力に制限がかかってだいぶ行き当たりばったりになっていますね。

仲間がいる安心感で自分勝手に動いても大丈夫だと考えているので、考える前に行動してしまう。

本当は最初からそうしたかったのですが、過去の因縁もあり、冷静なクロを書いていました。

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