プロローグ 授業
気づくと、自分は崖の下にいた。
急いで崖を登っていくと
目の前に広がるのは、赤、赫、アカ。。。
目で追うと、それはブラッドの体から流れ出ている。
一体なぜ、誰にやられた?いつ?
流れた血が煮えたぎり、何も無かったように消えていく。
誰かの悲鳴が聞こえる
誰かが「お前が弱いからだ」と嗤う声がする
誰かが「何でお前じゃないんだ」と詰る声が聞こえる
これは弱い自分への罰なのか、それとも...
久しぶりに寝れたと思ったら、またこの夢か
暗澹たる気分で薄目を開けると
そこには、いつも通りの退屈な授業が繰り広げられていた。
この世界は、キャンバスと呼ばれる大陸に6つの国が存在している。
そしてここは、そのうちの一つである黄の国にある超能力育成機関(Supernatural abilty Training Facility)通称STFと呼ばれている。
とある国キャンバスと呼ばれるその中の黄の国の中の授業から始まる
外は青空が広がり、温かい日差しが室内に降り注ぐ。
黒板の前に全身黒のスーツの教師が5人の生徒に教科書を広げ、歴史の授業をしていた。
外は青空が広がり、温かい日差しが室内に降り注ぐ昼下がり。そんな昼寝にはもってこい中、
全身黒スーツの男性が、黒板に地図を広げ、5人の少年少女の前で歴史の授業をしていた。
「え~みんなも知っていると思うが、キャンバスにはカラーズと呼ばれる赤・青・緑・黒・白・黄の力を持った国がある」
話始める前から黒髪の制服が乱れた少年は机と一体化したと思わんばかりに寝ている。
「カラーズはお互いに戦争を仕掛けない約束を結んだとされている。そのためこの数十年はカラーズ同士での争いはなく、カラーズの配下にならないグレーゾーンと言われる自由をモットーにした国同士でしか戦いは起きていない」
「ブラッド先生質問!」元気に小柄でピンク色の長い髪をなびかせた女の子が手を挙げて質問をする。
「グレーゾーンの国はカラーズの配下にならないのですか?カラーズの配下の方が戦いもなく暮らせるのに?」少女は疑問をそのまま口にした。
「ダミアはいい所を聞きますね。それぞれの王は自身の力の範囲を国と定めているので、グレーゾーンが配下になりたいと言っても同盟までしか結べないことになっているんですよ」
ブラッド先生は嬉しそうに答える。
「じゃあ先生カラーズがグレーゾーンを取り込むことはないのですか」学生の中で一番大柄なスキンヘッドの少年が勢いよく質問する。
「テツオもきちんと考えて授業を聞いているな。取り込んではいけない決まりはないがその代わり周りのカラーズから目を付けられるから今の所カラーズの王たちは領地を拡大していないんだ」またしても先生は嬉しそうに答える。
「ただ暗黙のルールで国を取らないなど信用できないが・・・」ボソッと薄め目で緑髪の少年が呟く。
「ダンガン確かに暗黙のルールではあるが、未だにカラーズの国どうし顔を合わせて話し合ったこともない。結果的ではあるが、争いが起きていないのも事実なんだ」答えにくそうに話をする。
「先生カラーズ同士の戦争が起きた時はどこが止めに入るのですか」金髪イケメンの覇気のある少年が質問をする。
「アレスそれははっきりと決まっていないんだ。お互いが均衡を保っているから起きないのか、被害を出したくなくて戦いをしないのか。カラーズが争いをしないから取り決めがまだない。グレーゾーンもその時は被害が出るが力関係で言えばカラーズが上になり、何も起きたことがないからそのままという状態が続いている」先生も困りながら答える。
「それなら僕アレスがカラーズの戦争が起きないよう尽力してみせます」アレスは立ち上がり高らかに宣言をする。
「それは将来が楽しみだ。お前たちの中からカラーズを一つにまとめる者が出てくるかもな」先生は笑いながら答えた。
それに対して3人の生徒も釣られて笑ってしまった。
教室は賑やかな雰囲気が続く。
しかし、その時寝ていた少年が呟く「うるさくて寝れねーよ」一瞬にして空気が鎮まる。
「クロ寝ているのは構わないが、周りに配慮した発言をしなさい」ブラッド先生は飽きれた声で注意する。
「はーい。でもさ歴史の授業の話はいいけど関係ない英雄様気取りの話はどうでもいい。」そう言って再び眠りにつく。
教室内の空気が静まり返ったところで、ブラッド先生は「じゃあ、歴史の授業を再開するぞ」少しばかり気を引き締めたように続きを語る。
夕日が差し込み、終了のチャイムが鳴る。
「今日はここまで明日は朝は実技だから戦闘スーツ着用で訓練場に集合するように」ブラッド先生はそう言うと教室から出ていく。
ブラッド先生が教室を閉めた瞬間、寝ているクロに勢いよく頭に向かってパンチが飛び、黒板まで5mほど吹き飛ぶ。
「クロあんたはいつもそう授業もまじめに受けないで偉そうにして、少しばかり私たちより長くいるからって、その態度はなんなの!」ダミアが鬼の形相で立ちすくむ。
クロは頭をさすりながら、「ん?何かあった?」疑問の表情を浮かべる。
ダミアは飛びかかろうとしたところにアレスとテツオが割って入りなだめる。
「まあまあダミア僕たちも授業とは関係ない所で笑ってしまったわけだしね」アレスがダミアに申し訳なさそうに説得をする。
「言い方ってもんがあるでしょ。少しばかり実力があるからって、上から来られたらむかつくのよ」ダミアは二人を振り切り、クロに殴りかかった。
「ちょっとダンガンも止めてよ」テツオがダンガンにお願いする。
「自業自得いつものことだ。気にするな。」冷静にダンガンは言葉を返す。
壮行会話している間にもクロはダミアの拳を全力で受け、血しぶきが舞う。
二人は急いでダミアを引きはがす。
「今日こそは我慢の限界よ。覚悟しなさい」ダミアの怒りは限界に達していた。
クロはゆっくりと立ち上がると教室を後にする。一瞬立ち止まり、ボソッと呟く「ただ力任せで殴っても、小さい魔獣1匹倒せねよ。ちゃんと授業受けるんだな」クロは静かに教室から出ていく。
クロが出ていった教室は静まり返った。
ダミアは泣きそうな顔をして「そんなこと言われなくてもわかってる。バカ」二人が抑えるのを止めると、ダミアは力なく立ち尽くした。
読んで頂きありがとうございます。
この章では主人公が将来をどう生きるか決めるまでの話になります。
人生初めて小説を書いて見ました。
読みずらい所もあると思いますが、
作品に少しでも魅力を感じていただけたらうれしいです。
少しずつ投稿していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
感想もお待ちしてます。