転 ❸
嵐と船酔いにさらされつつもそれらを乗り越え私達特作第2攻艦はガトカエ島に接近した。
「地図で見ると...あれがガトカエ島ね..そうしたらあと少s..」
ヒューーーーパン
「何よッ敵の攻撃?!」
「いいえ違いますッあれは..」
士官が指を指した先には照明弾があった。島から打ち上げられていたのだ。
「霊夢さんッ!敵方の暗号ではなく日本語の信号を受け取りましたッ!」
「なんですって?!内容は?」
「読み上げます」
「我ハ日本陸軍デアル
貴艦ハ直チニビッチ沖ニ艦ヲ進メヨ
繰返ス
貴艦ハ直チニビッチ沖ニ艦ヲ進メヨ 」
「?!」
「どうなされたのですか..?」
「今すぐに..今すぐにビッチ沖に船を進めなさい!」
「りょ..了解ですッ!」
「少佐...届きましたかね」
「...多分な」
「...」
「きっと..きっと霊夢さんなら気づいてくれるさ」
「そうですね..」
ブォォォォォ
「汽笛ですね..」
「..!皆のもの!海岸線に移動しろォォ!」
「もしかして敵襲ですか?!」
「いや違う!我らが帝国軍だァァ!」
ウオォォォォォ
「霊夢大将!お疲れ様です」
「少佐..何があった..すべて話せ」
少佐はすべてを細かくかつ端的に話した。
それを無言で頷きながら霊夢は聞いた。
「魔理沙大将ォォォ...」
「兄者ァァ..」
後ろでは海軍士官が泣いていた
前では陸軍士官が泣いていた。
この中で一人泣かなかった霊夢は
「そう..だったのね..」
の一言で涙が出そうな自分を押さえつけた。
数分ほど間があった
その間を壊したのは霊夢だった
「皆..!聞いてくれ..」
ザワザワ
霊夢が声を上げると泣き声は減ったが少しざわついた
ザーザー
波が浜に打ち寄せる
「今残る私達は今から..」
今晩は準備に明け暮れた
「Battaglie vinte, spiriti sgretolati.」に続く