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サロンで殿下と話します

「ブランシュ嬢、ごきげんよう」

「カインゼル殿下、ごきげんよう」


私はサロンを探検しているとカインゼル殿下がサロンへとやってきた。


「ブランシュ嬢、久しぶりだね。相変わらず君は美しいな。私の妃にどうだろうか?」


微笑みながらサラッと言ってしまうあたりチャラい感じに見えてしまうのは気のせいかしら??

カインゼル殿下ってこんな人だったっけ?


話した事がなかったので少し警戒する。


「ふふっ。美しいだなんて。有難うございます。真面に外へ出ない私が殿下の妃になろうものなら国が荒れてしまいますわ?」

「美しい、それだけで価値があるように思うよ。外交では特にね。それに妻が美しいのは夫にとっても最高の癒しじゃないかな」


カッチーン!

そうね、そうよね!

世界は変われど男はそんなもんよね!

忘れていたわ。


「あらあら、それは妻が醜ければ癒しにはならないという事なのですね! 太ったり、怪我や病気となったら妻は早々に捨て、美しい側妃や愛妾を迎える事を是とする発言ですわ。殿下には心底ガッカリですわぁ」


 大根役者ばりの大げさなリアクションを取りつつ、あぁ、不敬だと思いながらも言ってしまったわ。


 前世で嫌な思いをしていたせいかその発言を許す事が出来ない部分もあった。カインゼル殿下も私に反論されると思っていなかったのか唖然としているようだ。


私と一緒にいたマリルは平然としながら『お嬢様、お茶のおかわりはいかがですか?』と美味しいお茶を出してくれる。


話題を切り替えるように間を入れてくれたのだろう。


「そ、そんな事はないよ。勿論美しくなくとも王子妃となるにはそれなりの人格が必要だし、お互い信頼し合わなければ生涯を伴に出来ないからね。ただ美しいのは加味されるというだけで……」


カインゼル殿下はしまったとばかりにフォローしようとしている。


「殿下、人の美は歳と共に失われていくと考えております。醜美に価値を置く人と婚姻すれば、いずれ歳を取り醜くなった時に私は捨てられましょう。

私は殿方のアクセサリーではありませんわ。それに私の過去を知っている殿下であれば妃に出来ない事はご存知のはず。軽々しく妃になどと発言をなさってはいけませんわ」


私は何度も誘拐されてるから立派な傷物令嬢なのよ。普通の令嬢なら即修道院行きよ? 王家に迎えるには外聞が悪すぎるわ。


「……すまない。ここは王族専用のサロンとはいえ迂闊だったね。それほどに君が美しいから、つい舞い上がってしまったんだ。ブランシュ嬢とはこれから仲良くしていきたいと思っているよ」

「有難うございますわ。これからも学院の先輩として仲良くしていただけると嬉しいです」


そこからは別の話題となり、カインゼル殿下と話をする。


「明日もありますし、これで失礼します。ではごきげんよう」

「あぁ。また学院で」


 私は殿下に礼をして殿下は笑顔で手を挙げた。部屋に入った途端にエディット達が口を開いた。


「殿下もまだまだだなぁ。お嬢様の美しさは当たり前だ。中身だってそこらの令嬢とは違うのにな。絶対教えてやらないが」

「そうね。ブランシュ様を理解しているのは私達だけでいいのよ」


マリルもその話題に頷きながら言っている。


「明日はドキドキするわ。マリル、眠れそうにないわ」

「お嬢様、蜂蜜を入れたホットミルクをお持ちしますね。明日から戦争が始まるのですからしっかり休まねばなりません」

「そ、そうねっ。明日から頑張るわ!」


不安は何処へやら。ホットミルクを飲むとすぐに眠くなりあれよあれよと眠くなってしまった。

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