武術大会に向けて 13(終) 地獄のレベル上げ
フラグ回収につき、私の頭は溶けました。(´・×・`)
「やぁルナ君! ご飯の時間だよ!」
「ありがとう。ソル、リル」
「進捗はどうですか? 父様」
「さっきフーに教えてもらって、全部覚えたよ」
「「え?」」
フーの問題の出し方が絶妙に上手く、答えをちゃんと理解すると、魔導書に書いてあること以上に知識が入るのだ。
「どうてすか? ソルさん、リルさん。私の力を思い知りましたか?」
「す、凄いね。私は生産期間全部使ってようやく覚えたけど、たった3時間ちょっとで終わらせちゃうのはビックリだよ。それとフーちゃん、ルナ君に教えてあげてくれてありがとう」
「知識面と戦闘面が二極化されてるんですね。お疲れ様でした」
絶妙に棘を刺していくリルさん、マジパネェっす。
「リルさんの言葉はともかく、ソルさん。ありがとうございます!」
上手く回避したな、フー。
「ふふっ、ルナ君がどんどん強くなるね?......それじゃあ、ご飯にしよう!」
ソル達の作ったご飯は、可愛らしいオムライスでした。
「「「「ごちそうさまでした!」」」」
「美味しかった。本当にありがとう、2人とも」
「お粗末さまでした。そんなルナ君にはまた作ってあげよう」
「それは嬉しい」
「父様父様」
「はいなんでしょう?」
リルのちょんちょんタイムだ。これは数少ないおねだりの予兆か!?
「どこに遊びに行きますか?」
ですよね、知ってましたよ。えぇ。朝に言ったもん『いっぱい遊ぼう』って。
「そうだな......今回は鉱山にでも行くか? 行ったことのある場所かつ、行った回数が少ないのってあそこくらいだろ?」
「鉱山か、いいね! 金属も宝石も手に入るし、涼しいもんね!」
そう、最近暑くなってきたんだよな。これは夏にイベントがある事を示唆してるのかな?
「いいですね! 鉱山に行くとなりますと、父様は魔法のレベル上げですか?」
「そうだな。念の為に『魔剣術』とかのレベルも上げておきたいから、結構長いことモンスターで遊ぶことになるな」
遊びにレベル上げ、一石二鳥の鉱山掃討!
「私は初めての鉱山ですね。楽しみです!」
あ、そっか。前に来た時は布都御魂剣を持ってなかったもんな。
「......楽しみにしてるといい。でも万が一に備えて、刀になっとけよ?」
「もちろんですよ! 私がいたら3秒で死ぬ自信がありますもん」
それは流石に過小評価だろうが、慎重になるのは良い事だろう。
「じゃ、行くか」
「うん!」
「はい!」
「レッツゴー!」
それから、軽くマナポーション(1個50L)を300個ほど買ってから、馬車乗り場に来た。
「いらっしゃい! 鉱山行きだが、乗るかい?」
「3人分でお願いします」
「あいよ! 直ぐに出るから乗りな!」
御者台のおっちゃんに300Lを渡してから馬車に乗った。
「おぉ、今回は相乗りじゃないんだな」
「あれじゃない? 大会前日だから、みんな生産とか狩りに出掛けてるんじゃない?」
「かもな。ま、気楽に行けるから楽だな」
人が多い場所は好かんのだ。
『意外に広いですね、この馬車』
「そりゃそうだろう。重鎧を着てるやつが乗って、馬車が動けなかったら意味が無いからな」
『確かにそうですね!』
そうして雑談しながら考えた。
今回はどんな順番で魔法を使うのか、『不死鳥化』はどうしようかな、とかな。
「着いたぞ! 気を付けてな!」
「「「ありがとうございました!」」」
「おう!」
馬車は王都へ帰って行った。
「うし、早速やるか!」
「「おー!」」
『血気盛んですね〜!』
まぁ、10代ですから。好奇心も体力も有り余ってるでござるよ。
「あ、初っ端からゴーレムじゃん」
「これは運がないね。どうするの?」
「簡単だ、レベル1の魔法のサンドバッグになってもらう。ってな訳で『イグニスアロー』! 足を溶かせ!」
俺は早速ロックゴーレム君に魔法を飛ばす。
「え? それ自然魔法じゃないの?」
「そりゃあ、まずは動きを封じないと魔法で殴れないだろう?」
「あぁ、そうだね」
『ゴゴゴ......ゴゴ』
「ん。完璧」
「......ねぇルナ君、私天才かもしれない」
「あ、また? どうした?」
時々訪れる、ソルの天才タイムが始まったか。
「ステラで回復させながら攻撃したら、無限にスキルレベルを上げられない?」
「......そうだな。太陽光が入れば、それは出来たかもしれんな」
残念ながらそれは既にやった事があるし、欠点も知っている。
「あそっか。太陽光が要るんだったね。忘れてた!」
くっ! めちゃくちゃ可愛いな。撫でたいぞ。
「......よし、じゃあ魔法連発するか。『ファイヤボール』『ウォーターボール』『ウィンドボム』『アイスニードル』『サンダー』」
フーの言う、初級攻撃型の魔法全てを一気に使ってみた。
ドッバァァァン! と豪快な音を立てて、魔法の塊はゴーレムにぶつかった。
『ゴゴ、ゴゴゴ!』
「ま、倒せないよな」
「そんなに魔法使って大丈夫なの!?」
『そうですよ! いくら私を装備して魔力があるからって、今のは危険ですよ!』
「え? 何が?」
何を言うてはるんや? 2人は。
「魔法って一度に使えるのは2つが限界って、ルヴィちゃんが言ってたよ!」
『魔法は1つ使うだけでかなりの集中力を必要としますから、2つから3つまでが限界です。それ以上となると、処理に耐えられなくなって頭痛がするはずですよ!』
「えぇ? 頭痛なんてした事ないぞ? それとルヴィさんの話って事は、俺のスキルに何かヒントがあるんじゃないのか?」
『手加減』ショックの再来かな?
『いえ、ありません。これは使用者の集中力に完全に依存しますので、INTがかなり高いか、そもそもの集中力が高いかの問題......あっ!』
「それだね。ルナ君本来の集中力がおかしいんだね」
「俺、おかしい? マジで?」
「普通の人より優れて.....るね! しかも、集中力だから誇れるよ!.....多分」
「ホントか? それは嬉しいな。なら自信を持って魔法を連発できる」
『「いや、危険だって!」』
「えぇ? いいじゃん。長所は伸ばさなきゃ。それに大会でもこれぐらいは出来ないと、他のやつに負けるかもしれんしな」
「そうです。父様の言う通りですよ? 出来ることを増やすことと、既にできることを伸ばすのは大切な事です」
お、リルからの援護射撃が来た。
「まぁ、それなら。でも異常があったら言ってね?」
「あぁ。直ぐに相談するよ」
『ルナさん、マジでヤベー奴でしたね』
「その言い方は泣くぞ? まぁ、ゴーレムをボコボコにして解消するけどさ」
陰で言われずに、面と向かって言われるならまだ別の事をやって発散できる。
俺はマナポーションを飲んでMPを回復させてから、ゴーレムと向き合う。
「それ、ゴーレム君。ペチペチとシバいてやる。『ファイアボム』『ウォーターボム』『ウィンドボム』『アイスニードル』『ファイアブレス』」
雷属性は既にレベルが高いから、代わりに『龍魔法』をぶち込んだ。
するとファイアブレスを唱えた瞬間、俺の目の前に赤黒い大きな魔法陣が出てきた。これは任意で発動する感じかな?
「あれ? 魔法呑まれてない?」
「呑まれたね。消えちゃった」
『龍魔法に魔力を乱されたんでしょうね。相性が悪いんですよ、基本属性と龍魔法は』
「俺、そういうのはもっと早く知りたかったな。まぁとりあえず、発射!」
ファイアブレスを発動すると――
ゴオォォォォ!!! って音を立てながら魔法陣から炎が出て、ゴーレム君に直撃する。
『ゴ......』
ゴーレム君が完全に溶けてしまった。
「「「うわぁ......」」」
『流石の威力ですね! 龍は人間に比べると、如何に強いかが分かります』
ドラゴン......すげぇ!!
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『ロックゴーレム』を討伐しました。
『鉄鉱石』×3入手しました。
『火属性魔法』スキルレベルが25上がりました。
『水属性魔法』スキルレベルが25上がりました。
『風属性魔法』スキルレベルが25上がりました。
『雷属性魔法』スキルレベルが3上がりました。
『氷属性魔法』スキルレベルが25上がりました。
『龍魔法』スキルレベルが12上がりました。
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「うるさっ!!!」
ドロップも渋い上にスキルレベル上昇のログがうるさいわ!
「......リザルトは後で纏めてチェックだな」
「それ、帰る時に泣きを見るやつだね」
「いいんだ......俺の頭が死ぬよりは良い」
『魔法に耐えられて、自身の強化には耐えられないとか面白いですね〜』
「ええんよ、これで」
殆ど同じ文字の羅列を毎回見せられるより、後で一気に来た方が楽だ。
喉元過ぎれば熱さを忘れる、的な感じだろ。
それからミッチリ8時間ほど、鉱山内のモンスターを倒しまくった。
それはまるで、夏休みの宿題を最終日にやるような、そんな地獄だった。
「リルラッシュ、僕はもう疲れたよ......」
「お疲れ様でした。父様は頑張りました」
「マナポーションを使い切るって、結構ヤバい事をしたよね。350本くらいだっけ?」
「......384本だな」
「MP換算384,000ね......もう、ちゃんと休憩せずに遊び回るからだよ?」
『子供みたいにはしゃいで魔法使ってましたね!』
「「いや、子供だから」」
『そうなんですか?』
「こちとら17の人生ペーペーやぞ」
『え......ホントです? 中々に濃い経験を積んでますね......』
意外だったのかな?
「まぁ、濃いっちゃ濃いが、恋もしてるからな」
『何言ってんですか』
「ふふふっ! 嬉しい」
「これが『ギャグ』というやつですか?」
......なんか悲しくなってきた。リザルトでも見て脳をリセットするか。
あ......嫌な予感がする。端数とか、いらない物は捨てる設定にしておこっと。
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『ロックゴーレム』×297討伐しました。
『ダークバット』×539討伐しました。
『ドゥルムゴブリン』×2312討伐しました。
『ルビー:ジュエルゴーレム』×3討伐しました。
『サファイア:ジュエルゴーレム』×2討伐しました。
『エメラルド:ジュエルゴーレム』×5討伐しました。
『ダイヤモンド:ジュエルゴーレム』を討伐しました。
『鉄鉱石』×1400入手しました。
『コウモリの牙』×900入手しました。
『錆び付いた剣』×2000入手しました。
『ルビー』×180入手しました。
『サファイア』×160入手しました。
『エメラルド』×220入手しました。
『ダイヤモンド』×32入手しました。
レベルが7上がりました。70SP入手しました。
『魔剣術』スキルレベルが61上がりました。
『魔弓術』スキルレベルが43上がりました。
『武闘術』スキルレベルが48上がりました。
『刀王』スキルレベルが17上がりました。
『魔刀術』スキルレベルが99上がりました。
『火属性魔法』のスキルレベルが74上がりました。
『水属性魔法』スキルレベルが74上がりました。
『風属性魔法』スキルレベルが74上がりました。
『雷属性魔法』スキルレベルが12上がりました。
『氷属性魔法』スキルレベルが74上がりました。
『自然魔法』スキルレベルが3上がりました。
『龍魔法』スキルレベルが81上がりました。
称号『ドゥルム鉱山の殲滅者』を獲得しました。
称号『ジョーカー』を獲得しました。
称号『ジュエラー』を獲得しました。
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「あばばばばばば」
「だ、大丈夫!?」
「父様!?」
『あ〜あ、全部流しちゃったんですね......』
情報量が......多すぎ......る............
「......数字、多いなぁ」
「ねぇ、私にも見せもらってもいい?」
「どうぞ」
ソルにリザルト画面を飛ばした。
「うわぁ......私のより数倍縦長だね」
「もう色んなスキルを使って倒さない......」
「教訓を得たね。これから気を付けるしかないよ」
「はい。リザルト画面の分割とか、色々対処法を考える事にする」
「それがいいよ。で、ルナ君。これでレベル上げは終わり?」
「あぁ。龍魔法は隠し玉だし、魔剣術とかは総合部門での小さな手札だからな。これで一旦、レベル上げは終わりだ」
「そっか。お疲れ様だね」
「ありがとう。大会にエントリーしたら、後はゆっくり戦略を練るとしよう」
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名前:ルナ Lv72→79
所持金:820,540L→805,240L
種族:人間
職業:『剣士』
称号:『スライムキラー』
所属ギルド:冒険者 (E) 魔法士
HP:810→880
MP:1,310→1,380<500>
STR:2,730→2,800(200SP)
INT: 730→800
VIT: 1,230→1,300(50SP)
DEX: 2,230→2,300(150SP)
AGI: 930→1,000(20SP)
LUC:365→400
CRT:50(限界値)
残りSP:300→370
『取得スキル』
戦闘系
『剣王』Lv100
『魔剣術』Lv1→62
『王弓』Lv100
『魔弓術』Lv1→44
『武闘術』Lv52→100
『刀王』Lv83→100
『魔刀術』Lv1→100
『走法』Lv0
『手加減』Lv0
魔法
『火属性魔法』Lv1→100
『水属性魔法』Lv1→100
『風属性魔法』Lv1→100
『雷属性魔法』Lv85→100
『氷属性魔法』Lv1→100
『自然魔法』Lv97→100
『龍魔法』Lv1→94
『古代魔法』Lv1
以下省略
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本当に夏休み最終日にやる宿題の如く、怒涛の勢いでスキルレベルを上げましたね、ルナ君。私は辛いよ。
次回!『掲示板 5』です!主に対ルナ君の作戦会議ですかね?お楽しみに!
ひょーか、ぶっくまーく感謝です。これからも楽しんでいただけるとうれしーです。