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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第4章 第1回イベント:武術大会
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武術大会に向けて 11 帰り道の、良き出会い

大きな伏線、壊れるプロット。ユアストは独自の進化を遂げる.....なんちゃって

 



「ただいま戻りました!」


「おう、おかえり〜」



 イニティから見て、アルトム森林を抜けてすぐ目の前のペリクロ草原の地面に俺とフーが座っているんだが、そこにリルがやって来た。



「連絡から2分か......早いな」



 まだ19時57分です。3分も余裕あります。素晴らしい!



「えへへ、帰りも全力で走ってたら、何体か吹き飛ばしちゃったんですよね」


「モンスターを?」


「はい!」


「それは凄いな〜」



 リルを褒めつつ、撫で撫でタイムだ。これは至福の一時である。



「父様〜オークは90体しか討伐出来ませんでした」


「そうか〜、多分俺が沢山奪っちゃってるな」


「どれくらい倒されたんです?」


「秘密だな〜」



 あぁ、耳が最っ高にモフい。たまらん!



「ルナさん、好きなんですね? ケモ耳」


「さぁ? どうなんだろうな。ソルの耳を触るまでは、ケモ耳が特別好きって訳じゃ無かったんだけどなぁ。いや、好きだったぞ? 好きだったけど、ケモ耳だけでは足りないと、そう思ってたんだよ」



 今でも特別に『ケモ耳っ娘が良い!』って訳では無い。


 ソルやリルだから好きなんだろうな。



「そうなんですか? てっきり生来のものかと思ってましたよ」


「リル、フーがいじめてくるよ」


「ダメですよ、フーさん。父様を傷つけてはいけません」


「え? 親子の関係逆転してないですか?」


「リル、フーが変な事を言ってるぞ」


「仕方が無いのです。まだ日が浅いので、慣れていないのでしょう」


「えぇ......?」




 フー、完全敗北だな。はっはっは! 俺達に勝とうなど、5ヶ月早いわ!




「おっまたせ〜!」


「お、ソル! 時間ピッタリだな」


「何とか間に合ったよ!それとね、オークは98体だった!ギリギリ2体、足りなかったよ......」


「まぁまぁ。こちらにおいでなさいな」


「うん!」



 報告と、おモフりタイムだ。これら自分だけに許

 された、命の浄化作業だと思っています。



「おぉ〜ルナ君、撫でスキル上達したね〜」


「モフりとは、撫でる者、撫でられる者。両者が幸せにならなければならない」


「境地に達したんだね」


「まぁ、相手が良いと思うだろうポイントを撫でてるだけなんだけど」


「もう、優しいんだから。すんごい好き」


「ありがとうございます。ワタクシも、大好きでございます」



 緊張を抑えるには、自分を別人に作り変えればいい。......と、昔まで思ってたが、別に考え方や口調を変えたところで、一度認識したら口調とか関係なく緊張する事を知った。



 つまり今、心臓やばいです。大好きの言葉は、俺に深くぶっ刺さるぞ?




「っとと。俺はオークを沢山狩ったよ」


「どれくらい?」


「約150体だな。ついでにフォレストウルフも50体、遊んどいた」


「凄いね! 良くそんなに出会えたね?」


「父様、どんなスピードで探し回ったんですか?」


「『サーチ』で少しズルをしたりもしたが、基本的にはブラブラと歩いてただけだな。運良くモンスターからモンスターへと出会ったんだ」


「「......ずるい」」


「いやでも毎秒10も魔力を消費するんだぞ? 高燃費すぎるだろ」


「それでも半径100メートルは分かるんでしょ? いいなぁ〜、私も欲しいな〜」


「フェンリルの感覚よりも精度が高い認識魔法。羨ましいです」




 あれ? またグルになってんのか?




「......まさかのトレント連戦?」


「......ダメ?」


「......ダメですか?」



 なんで上目遣いでお願いするんだよ! 落ちるだろ!



「......武術大会が終わった後になら......」



 最大限の時間稼ぎを......!!



「「やったー!」」


「はぁ」



 さぁ、確率数パーセントから0.数パーセント以下の戦いを、2度もすることが決定したぞ。



 俺のガチャ運、波があるからな〜。出る時は沢山出るけど、出ない時はとことん出ない。


 未来の俺、頑張れ。過去の俺からの応援だ!



「多分、『自然魔法』にならないとサーチは無理だぞ?」


「大丈夫。すぐに鍛え上げるから」


「ずっと父様の横で見てましたので」


「......地味に2人とも、根拠が弱いんだよな」



 ソルは予定、リルは謎の経験......これは長くなりそうだ。



「じゃ、帰るどー」


「「おー!」」


「お、追いつかない話題......!」


「フー、刀モード!」



 そう言うとフーが布都御魂剣になり、手元に飛んでくる。


 やっぱり綺麗な刀だな。ガラスのように透き通った刀身に、最初は違和感があったが、慣れるとただただ綺麗と感じる。





 そうして布都御魂剣を帯刀して草原を歩いた。









「なぁ。あれワイバーンじゃね?」



「また?」


「面倒ですね。もう夜ですし、他の語り人に任せては?」



 藍色の空に、赤黒い鳥のような物を発見した。



「なぁ......あいつ、こっちに来てね?」


「いやいや。そんな事な......来てるね」


「ガッツリ来てますね」


『流石にヤバいですよ、あいつは。幻獣クラス......か、それ以上です』



 うわ、どんどん近づいてきて、どんどん大きく見えてきた。



「おいおい嘘だろ? 幻獣以上ってなんだよ」


『......神龍、ですかね。今のところ最強のモンスターと言えるでしょう』


「ってことは......」


「ことは?」



 ふっ




「終わったな。俺達」





 ドシーーン!!!!!






『? 危ない危ない』



 土煙から、なんか声が聞こえた。


 およ?『危ない危ない』って事は......




「その声は我が友、李〇子ではないか?」


『む? おぉ、君達か。人の身で龍魔法を扱うのは』



 ネタには乗ってくれなかった。



「あ、少し待ってもらっていいですか?」


『ん? あぁ、すまぬな。時間ならやろう』



 何ですかその言い方は。まるで時間以外は奪うかのような言い方。


 お兄さん、そういう言葉の裏をかくの、好きだよ。



「ありがとうございます。では」



 とりあえずソル達の安全確認だ。



「ソル、リル、大丈夫か?」


「うん、大丈夫。ようやく土煙が晴れてきたね」


「大丈夫です、父様」


「ならよし。ついでにフーも大丈夫か?」


『はい! いつでも戦えますよ!』



 いや、戦う気は無いんだけど。



「お待たせしました。それで、あなたはどちら様で?」


『む? 終わったか? 私は神龍と呼ばれる者だ』



 土煙が晴れ、俺達の目の前にいたのは、赤黒い鱗を持つ、巨大な()()()()だった。



「おおお!! カッコイイ!!」



 ドラゴン......神龍は男のロマンを具現化したような姿をしている!めっちゃカッコイイ!!



『お! そうだろうそうだろう? 君はそう思ってくれるか! いや〜私、長い事生きてきてるけど初めて人間に『カッコイイ』と言われたよ』


「なんで誰もカッコイイと思わないんですかね? 俺としちゃあ、ドラゴンという存在の中で1番カッコよく見えてますよ!」


『ありがとう! 優しいな、君は』



 ......これ、話すだけで穏便に済む?




「あ、写真撮ってもいいですか? あなたの様なカッコイイドラゴンと写真を撮るの、夢だったんです!」


『別に良いが、写真とはなんなのだ?』


「写真は、目の前の風景を瞬時に画に収めた物です。あなたとの出会いを、記録に残すような物ですよ」


『そうかそうか! 私との出会いを記録に残すか! それも面白そうだな、良いぞ!』


「では失礼して......」



 カメラを起動しつつ、リルに念話を送る。



『手を出したら死ぬよな?』


『はい。レベル的には、700は超えてるかと』


『うっは! よく着地で死ななかったな、俺達』


『多分、相当加減してくれたのでしょうね』



 推定レベル、700のドラゴンか。半端なく強いな。



「では撮りますね〜」


『うむ!』



 パシャッ!



「撮れました! ありがとうございます!」


『む? もう出来たのか? 私にも見せてくれ』



 およよ? 見たいのですか? ふっふっふ、よろしいですわよ。


 ......殺さないでね?



「はい、こんな感じです」



 撮った写真をウィンドウに出し、神龍さんのとこに持って行く。



『おぉ! 凄く鮮明に描かれているのだな! 中々に面白い物だ、写真とは』


「あっ、そうだ。神龍さんはどうしてこちらに来たんですか?」


『む? あぁ。たまたまここいらのワイバーンを掃除しに空を飛んでいたのだが、何やら小さな魔力に龍の力を感じてな。それ目掛けて地上に降りたら、君達がいたのだ』


「なるほど、それは多分、俺達の持つ『龍魔法』の事ですかね?」


『そうだ。どうやって会得したのだ?』


「前にワイバーンを倒したら習得出来ました」


『......そこのフェンリルも、か? それと、付喪神は持っていないのだな』



 お〜リルはバレると思ったけど、フーまで気づいたか。凄いな!



「えぇ。リルも同じタイミングです」


『そうか......はっはっは! 愉快な者だな! 君達は』


「そうですか?」


『あぁ。月の狼が扱う龍の魔法。人の身で扱う龍の魔法。これ程面白い事はそうそうないぞ!』


「喜んでもらえたなら、何よりですね」


『うむ、楽しませてもらった。ではそろそろ私は行くとしよう。君、名前はなんと?』


「ルナです」


『ルナ、か。覚えておこう。次に出会ったら君の龍魔法、見せてくれ。では、さらばだ』






 そう言って神龍は翼を羽ばたかせ、空に飛んで行った。






「......はぁぁぁぁ、危なかったぁ!」


「ルナ君、よくやったね......私、棒立ちしかできなかったよ」


「私達、よく生きてますね」


『いや〜神龍と出会って生きた人間、ルナさん達が初めてじゃないですか?』


「マジ? それに写真も撮れたし、俺、マジで良くやったわ」


「ほんとにね。勇者だよ」




「勇者はちょっと......でもさ、結構仲良くなれたと思わないか?」




「だね!......ってもしかしてルナ君」




「その先はストップですよ、お嬢さん」



 ソルの口に人差し指を付ける。



「それはまた出会った時のお楽しみ、な?」


「う......うん。へへへ」


『わぁ、大胆ですね〜』


「うっさい。さ、今度こそ帰るぞ!」


「はい!」


「うん......ふふふ」


『ソルさんが壊れてますよ〜』


「大丈夫。いざとなったらおんぶして行く」


『強いですね、心』


「そうでもないさ。まだまだ他人からの視線は怖いからな」






 こうしてまさかの出会いを果たした俺達は、無事にロークスに帰ってきたのだった。

さぁ、出発前の特殊イベントの伏線を回収し、更なる伏線を敷いて行きました。


次回、予告する事がありません!


あ、ハッピーバースデー私。(投稿日1月6日、誕生日)



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誤字脱字報告、とても助かってます!


作者Twitter

くだらないことやユアストのあれこれ(ネタバレ有)を呟いてます!

https://twitter.com/yuzuame_narou

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