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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第4章 第1回イベント:武術大会
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武術大会に向けて 9 こんなテンプレは嫌だ!

〜前回のあらすじ〜


刀作りが終わったルナ君、初めての依頼を受けるために冒険者ギルドに来た!するとテンプレの如く、ガラの悪いプレイヤーに絡まれるが.....ひょんな事から死刑執行人になっちゃった!

 



「あ、ランザ。ちょっと待ってもらっていい?」


「いいよ。ガレスは僕が見とくから」


「さんきゅ」



 ちょ〜っとやりたい事があったんだよな。



「どうしたの? ルナ君」


「いやな、一応マサキに連絡しておこうかなって。これから起きる事、特殊クエストになっていて全プレイヤーに放送されるらしいんだ。だから一応、な」


「なるほど〜」



 って事で秘技、高速タイピング!


『マサキ、今からokる放送nんだ』


 はいしゅーりょー! 真面目に打ちます!



『マサキちゃん? 元気かナ? ルナおぢさんは元気ダヨ! おぢさんね、ある人物に絡まれたんだけどネ、その人が、実は大罪人なノ。それで、おぢさんが処刑(笑)をする事になったんだけド、それが放送されるんだっテ! だから、それを見ても引かないでネ!』



「っし。これでいいかな? ソル、どうだ?」



 これなら大丈夫だろう。うん......うん。



「これは......まぁ、良いんじゃない?」



 なんでソルに見せたんだろうと、今思った。



「じゃ、送信っと」



 すると直ぐに返事が来た。



『お前、頭大丈夫?』



「はぁ? どこからどう見ても大丈夫だろうが」


「いや、ルナ君......遊びすぎだと思うよ? あの文は」


「そうか?......あっ、また返事来た」



『もう一度言う。頭、大丈夫か? それと用件は分かった。パテ面にも言っとく』


『ありがとう。あと、頭は大丈夫だ。文がおかしかったのは、昨日付喪神がやってきたのが原因だろう。知らんけど』



 よ〜し、これで準備オッケー!



「お待たせ。やる事は終わった」


「分かった。なら行こうか。ギルドの奥にアルカナさんを待たせてる」


「うわ、俺暫くアルカナさんに会ってないんだけど、なんか言われるかな?」


「言われるね、絶対に」


「言われるよ、ルナ君」


「言われるでしょうね、きっと」


「......はぁ」



 俺がアルカナさんに最後に会ったの、魔法士ギルドに入って、数日後に話した時以来か......







「アルカナさん、お待たせしました」


「うむ。待ったぞ」


「こっちが例の冒険者ですね。転移をお願いします」


「面倒臭いけど、まぁいい。私を使ったこと、高くつくからな?」


「はいはい。今度のワイバーンの親玉の肉でいいですか?」


「いいぞ! では、『転移』!」



 あ〜なんか面白そうな情報出てきてたのに、もう転移しちゃったよ!


 ワイバーンの親玉、超気になる〜!!......今の俺じゃ倒せなさそうだけど。








 そうして転移させられたのは、闘技場だった。円形に広がる場所で、観客席もある、とても大きな場所だ。



「じゃ、ルナ。頑張って!」


「適当にな。ルナ」



 あれ? アルカナさん、何も言わないのかな? ラッキー



「はい、行ってきます」


「ほれ、嫁と娘はこっちだ」


「「は〜い」」



 あぁ、俺の人生の癒しが.....



「頑張ってルナ君!」


「父様なら負けません!」


「俺、頑張る」



 現金です、俺は。


 さて、いつ放送は始まるのかな?


 それと闘技場の中心で縛られているガレス君、めっちゃシュールだな。


 今のガレス君は目も口も布で覆われている。これ、マジの処刑感があって嫌だな。






「ル〜ナ〜くん!」


「ん? あ、キアラさん」


「ハロハロ! 今回はごめんね? 結構嫌な立場になると思うんだけど......」


「気にしないでください。アイツ、35人もPKしてるんでしょ?」


「いや、違うよ。アイツは本当の意味で、この世界の住人を殺してるよ。王都に住む一般人を、ね。それにPKの人数だったら、アイツは76人も殺ってるよ」



 へぇ、アイツ、マジで殺ってた人だったのか。ゲームだからって、はしゃいだのかな?



「その一般人ってリスポーンするんですか?」


「一応、全員しておいたよ。でもね、今回の件が終わったらもうしないと思うよ」


「......なるほど」



 って事は、ここで相当痛い目に合わせて、二度と住人を殺せないようにしろって事......だよな?



「う〜ん、でも、あの布と紐は取ってあげません? やってる側も見てる側も不快ですよ、アレは」


「......やっぱり? カズキがそうしろ! ってうるさかったんだけど、流石に炎上しちゃうよね?」


「えぇ。あれはキツいです」


「じゃあ、外すね」



 そう言ったキアラさんがパチン! と指を鳴らすと、ガレス君を縛っている紐と布が消えた。



 今の、カッコイイな。



「じゃあ、ここから放送しよっか。どうする? 武器を持たせて決闘風にやるか、アイツに何も持たせずにやるか」


「決闘風で。リルの教育に悪いので」


「......ははは! 分かった。カズキには私が怒られておくから、ルナくんは安心してね! じゃあ、ポチッとな」



 キアラさんが自分の前に出していたウィンドウの触ると、俺はガレス君の前に転移した。








「さぁさぁプレイヤー諸君! 見えてるかな? キアラちゃんだよ!」



 いつものキアラさんの挨拶が始まった。




「今回、テンプレの如くルナ君が冒険者ギルドで絡まれたんだけどね?なんと絡んだ人が大罪人だったの!

 プレイヤー名は『ガレス』だよ! 王都の住人を35人も殺し、プレイヤーは76人も殺しているんだ! それに、窃盗も10回してるんだ!」



 放送っていつもの生放送のノリで行くんだな。



「で、今回は殺人後、初めての通報と言うのと、たまたまルナくんが相手だったと言うことと、ガレスとのレベル差が相まって、今回の処刑人になって貰ったんだ!」



 早く依頼を受けてスキルレベルを上げたいです。



「でね、ルナくんには少し損な立ち回りをして貰うから、報酬として今回の決闘風処刑の後に10万Lを渡すからね!」



 ......こう言ったらなんだが、絶妙に要らないな。出来れば物か経験値が良かった。


 って言うか決闘風処刑って字面が面白いな。



「それと、今度うちの住民に手を出したら、これ以上の罰が下るよ。今回はタダの運営公認のPKで終わる。けれど、次はアカウント停止だからね? そこの所、よろしくね」



 怖いなぁ。ゲームで運営公認の、ユーザーからユーザーへの罰ってなんなんだろうな。おかしいよ。



「じゃ、ルナくん! よろしくね!」


「はいは〜い。一瞬で終わらせるのと、じわじわとやるの、どっちがいいですか?」


「じわじわで!」


「了解です」



 注文入りました〜『じわじわ』一丁!



「じゃあガレス君、武器を持つんだ」


「え......?」


「あれ? 武器、ないの?」


「ない......」



 う〜ん、困ったなぁ。ガレス君のやる気のない精神と、武器がないのは非常に困る。



「キアラさん! ガレス君が勝った時の報酬は何ですか? それと、ガレス君に適当な武器をあげてくださ〜い!」


「今回の件の帳消しだよ! 武器は適当なアイアンソードにしとくね!」



 キアラさんが答えると、ガレス君の前に剣が転がる。


 ......グダグダだけど、まぁいいか。




 よし、これは武術大会の練習としよう。対人戦の経験を積むチャンスだ。そう捉えよう。





「じゃあガレス君、やる気出たかい?」


「クソ......」


「一応言っておくと、俺は同レベル帯なら最弱だからな? 君にも勝機はある。頑張れ」


「クソがぁぁ!!!」


「おっと」



 ガレス君が急に斬りかかってきたので避けた。


 俺、まだ武器を出していないのに......



「じゃあ1攻撃と言うことで、俺も攻撃するぞ」



 フーは......流石に初めて斬ったのが人って、可哀想だもんな。ステラは......今は人を斬らなくていいかな、可哀想だし。


 なら後はこの子だろう。



「アルテ」



 左手にアルテを顕現させる。今ある武器の強さランキング的に、2位の弓だな。



 今回は初めての、マルチショット魔力矢バージョンをやろう。


 とりあえず全部に雷属性の魔力も流しとくか。



「じゃ、行くぞ〜? 避けれるもんなら避けるんだぞ〜?」



『必中』先生が付いてるので、避けれないんですけどね。



 パシュシュシュ!!!



 トリプルショットを撃ってみた。ガレス君はどうなるかな?



 バチバチバチィ!!



「うがぁぁ!!!」



 おうまいごっど。めちゃくちゃ痺れてるだけじゃないか。



「あれ? もしかしてVITがめっちゃ高いのかな?」



 ふむふむ、そうとなれば今度は魔法で行く......前に何となく回復させとくか。じわじわコースだし。



「ステラ、癒せ」



 右手にステラを出し、『癒しの光』でガレス君を回復させた。



「あ、いい事思いついた〜」



 これ、アルテでステラを飛ばせないかな?


 もし必中が発動しなくても、顕現で呼び戻せるし、攻撃の判定が『剣王』の判定なのか、『王弓』の判定なのか知れる。



「構え......られるな。それ行けステラ!」



 ステラの刃でアルテの耐久値が減りそうな構えだったけど、多分大丈夫だろう。



 ドンッ!



 音が低いな。矢が大きいからかな?



「がぁ! 痛てぇ! 正々堂々やれよ!」


「え?......あぁ、確かに。ガレス君が攻撃出来てないな。それは正々堂々ではないな!」



 武術大会でも、部門ごとに別れていることだし、彼が剣なのに俺が弓を使えば、一方的になってしまうな。


 ま、そんなことどうでもいいけどさ。



「ステラ、アルテ、お留守番だ」



 ステラを手元に顕現させて、アルテと一緒にインベントリにしまう。



「よし、ガレス君。これならいいだろう?」



 俺は愛剣のアイアンソードを出した。


 あ、そうだ。アイアンソード君の愛着度を見ておこう。


 ━━━━━━━━━━━━━━━

 アイアンソード Rare:1


 攻撃力:20

 耐久値:420/300

 付与効果『剣の意思1/2』

 愛着度1165

 ━━━━━━━━━━━━━━━


「およ? 君、おかしくなってない?」



 耐久値が上限超えてるし、なんか付与効果が付いてるし、愛着度が1100を超えている。



 この1/2って、1つはフーに行ったって事か? なら、もう1つは......



『ルナ様、初めまして』


「だ......誰?」



 またこの展開かよ! これがテンプレか!?




 よし、落ち着こう。落ち着いて餅つこう。




「ガレス君、少々時間を貰えるかな?」


「死ねぇぇ!!!」



 キン!



 痺れから回復したガレス君が剣を振るうが、剣速が遅いので対応が間に合う。ガレス君は『剣術』のレベルは上げてないのかな?



「怖いよガレス君。落ち着こうガレス君。大丈夫? ガレス君。負けるの? ガレス君。スキルレベル上げようよガレス君」


「うるさいうるさいうるさい!!!」



 煽った結果、顔を真っ赤にしたガレス君が誕生した。




 真っ赤なガレス君はただ剣を振り回すだけだった。

 .....ふっふっふ、狙い通りです。



「『茨よ』」


「クソ!」


「ちょっと黙っててガレス君。今それどころじゃないんだよ」



 茨ちゃんでジワジワとHPを削り、拘束する。




 ではでは、決闘風処刑中に失礼します。




「あ〜あ〜、もしも〜し、聞こえる?」



 愛剣に話しかけた。これ、傍から見たらただのおかしい人です。



『いかがしました?』


「えっとまず、君は誰?」


『私は付喪神です。ルナ様が使っていらっしゃった剣に、宿らせて頂いた神です』



 やっぱりか。ってか『神です』って面白いな。



「君は実体化しないのかな?」



 渋い声の愛剣に話しかける。



依代(よりしろ)が無いため、実体化出来ません。霊剣、神剣クラスの武器ならば実体化できるでしょう』


「ほぇ〜そうなんすね」



 ......また生産? そろそろしんどいぞ。



『あ、私は実体化させなくても構いませんよ? 私はルナ様の剣になれたことを誇りに思っていますので、今のままで満足でございます』



 うわ〜、この人めっちゃ優しい。絶対に実体化させたろ。



「そうなのか。それはそれとして、フーは実体化に依代が必要とか言ってなかったな」


『あの方は元々、上位の神ですからね。感覚がおかしいのでしょう』



 めっちゃ棘のある言い方をするじゃん、君。



「君はフーと仲悪いのか? 例えば、フーの方が位が上とか」


『いえ、私はあの方と同じ位の神でした。私があの方に気になっているのは、私の方が先にルナ様の剣に宿ったのに、あの方が先に実体化したことにです』



 まさかの横取りだったのか、フーは。



「来い、フー」



 布都御魂剣を顕現させ、帯刀する。あと、アイアンソード君も左手に持っておく。



『......実体化しませんよ?』


「別にいい。お前らで話し合っとけ。俺は魔法でガレス君を片付けるから」



 この2人の事に関しては、ガレス君を放置するレベルで大切だ。



「『サンダーチャージ』『サンダーチャージ』『サンダーチャージ』『サンダーチャージ』」



 400MPの最大チャージを4回発動させる。今回は放送中の為、ちゃんと4回唱える。






「じゃあ、キアラさ〜ん! 用が出来たんで終わらせますね〜!!」


「オッケー!」





「じゃあな、ガレス君。次は悪さしちゃダメだぞ?」


「うるさい! 黙れよ!」



 幼児退行してるじゃん、ガレス君。大丈夫?



 それから俺は、ガレス君からかなり距離を取った。



「ではさようなら。『サンダー』」




 バリバリバリバリ!!! ドガガガン!!!!



 すんごい轟音と共に、ガレス君に雷が落ちる。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

『特殊クエスト:罪人の公開処刑』をクリアしました。


『報酬』

 ・100,000L

 ・『オリハルコンのインゴット』×10

 ・『アダマントのインゴット』×10

 ━━━━━━━━━━━━━━━



 あ! 報酬に色が付いてる! この2つは特に有難い!!




「プレイヤーの皆! 今の見た? あれはちょ〜っと特殊な条件をクリアした時の『サンダー』だよ! 凄いね!」



 普通に観戦してんじゃないよ、あんた。



「っとと、大事なことを忘れてた。いい? 次に住人を沢山殺したら、今の『サンダー』よりも重い、必殺の魔法、『アカウント凍結』を食らわすからね!」



 .....これ、『沢山殺したら』って事は、少しの殺人なら、またこういう(公開処刑)事が起きるって事か?



「では、今回の公開処刑は以上だよ! あと話す事は......大会の時に言うね! じゃあ、ばいば〜い!」



 放送が終わった......のかな?



「へいへいルナくん! お疲れ様!」


「あ、お疲れ様です。どうやって来たんですか?」


「運営権限」


「ひどい」



 魔法の4文字を使いやがったな、この人。



「じゃあルナ君も戻すね? ソルちゃん達も一緒にギルドに送るよ!」


「あ、はい」



 急展開だな。まぁ、早く終わるのは助かる。これでようやく依頼が受けられるからな。



「じゃ、今回は本当にごめんね? また生放送に呼ぶから」


「えっちょ待」




 ギルドに飛ばされた。




「おかえり、ルナ君」


「おかえりなさい父様」


「派手だったね〜ルナ」


「うるさかったな、ルナ」




「あ、うっす。ただいま」



 もうさ〜、また生放送に出ることが決まったようなもんだよな〜、あれ。



 ......はぁ。




 よし、切り替えよう。生放送の時は、その時の俺に任せよう!







「じゃあランザ、なんか良い依頼無い?」


展開が.....追いつかない.....


アイアンソードのおじ様も、後々出て.....くる?

愛着度のシステム、裏がいっぱいあるんですよね。だって、説明にはありませんが、半分はガチャ要素がありますから。ふへへ(ガチャ中毒者の目)


次回は初めての依頼ですね。ようやく冒険者。長かったです。80話以上もかかりました。




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誤字脱字報告、とても助かってます!


作者Twitter

くだらないことやユアストのあれこれ(ネタバレ有)を呟いてます!

https://twitter.com/yuzuame_narou

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