武術大会に向けて 5 工程が多い!
帰ってきた準備編
「「ごちそうさまでした」」
陽菜と一緒にお昼ご飯を作った。今日は簡単にドリアにした。手軽に作れて美味しいからな。
まぁ、ちゃんと冷まさないと火傷するけど......
そして今、食器を洗いながら陽菜と話している。
「そういえば刀ってどうやって作るんだろうな」
「え? そこから?」
「あぁ。手入れの方法とかは教えてもらったけど、流石に作り方は知らない。だから陽菜がログインするまでに調べておく」
返答、状況、改善策。今必要な答えることを全て述べたぜ!
「分かった! もし手伝いが必要だったら私がするからね?」
「あぁ。その時は頼むよ」
はぁ、2人で洗い物をすると、すぐに終わるな......もう少し一緒にいたいところだ。
「それじゃあ私は帰るね? 今日もありがとう! ごちそうさま!」
「こちらこそありがとう。楽しかったよ」
陽菜が帰っていきました。......つらい。
うわぁん! 心の変化って残酷だ〜! なんで好きを意識しただけでこんなに考え方が変わるんだよ!
「刀ァ! お前にこの気持ちが分かるかぁ!」
刀を作る時、気持ちが溢れるぞ? これ。
ま、いっか!
それから20分程調べたあと、ユアストにログインした。
「おはよう世界」
「おはようございます父様。今日から刀作りですか?」
「おはようリル。刀作りでござるよ」
うん、リルは今日もモフモフだ。
そうだ、短刀とか作れたら、忍者っぽい格好をするのもありだな!......ってか既にいそう、忍者っぽいやつ。
「ソルは「今来たよ!」......おはようさん」
凄いタイミングゥ! 隣のベッドに目を向けた瞬間に現れたぞ。
「じゃあ早速行きますか、ジャパーニーズソードを作りに」
「おー!」
「お、おー?」
日本刀の作り方を調べた時に、英訳も出てきたのでそこで知った。
生産所にて――
「まず玉鋼を作るどー」
玉鋼は刀の材料だからね。超重要。
「はい先生!」
「はいソル君」
「どうやって玉鋼を作るんでしょうか!」
「ふむ、良い質問だ。本来玉鋼は砂鉄と炭を使って、『たたら製鉄』という方法で作るようだ。だが、ここではもっと簡単にできる。それは何か?......そう、『錬金術』だ」
「錬金術で玉鋼が出来るんですか? それに、材料の炭はあるのでしょうか!」
「錬金術で出来るはずだ。それと炭は無い。今から作るんだ」
学校の先生ってどんな気持ちなんだろうな。
「なんですか? この茶番は......」
「「茶番じゃない / よ! 立派なコミュニケーションだ / よ!」」
もう、リルは変な事を言ってからに......
「じゃ、気を取り直して炭を作るか。今回はどうせだし、『上質木材』を使っちゃおっと」
「あ〜それね。確か上質木材って家具が出来るんだってね? 既に作った人がいるみたいだよ。語り人で」
「へぇ〜凄い人がいたもんだな〜」
家具になるのはアイテムの説明で知ってたが、既に作った人がいたとは。置き場所が無かろうに......
「ま、それ今日犬子さんなんだけどね」
「へぇ......へ?」
あの人そんな事までしてるのか! すげぇな!
「なんかね、大会前に息抜きで『木工』スキルに手を出したらしいよ?」
「そうか。ってかあの人はどの部門に出るんだろうな?」
「えっとね、調べてみる。......出た、総合と闘術と剣術だって」
「3部門か。楽しみだな」
ってそんな話してる場合じゃなかった。
「木材木材〜♪」
「そういえばどうやってそれ木炭にするの? あっ、具体的な方法ね」
「魔法だよ。......そのままの意味で」
よくある『どうやってできたの!?』『魔法だよ(キラッ)』ってヤツではない。本当にそのまんま魔法を使う。
「見ててな? まず木材を入れて、次に『イグニスアロー』『アウラ』」
『手加減』スキルをフルで使って300度程の安定した炎を炉に入れた。温度は多分、300度くらいになってるだろう。知らんけど。
「んでもって、更に『サーキュレーション』」
コイツで炉内の空気を少なくする。こうすることで、木材の水蒸気とガスだけが抜けて、木炭が出来るはずだ。
「ヨシッ! でっきった!」
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『上質な木炭』Rare:7
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「ほら、こんなもんよ」
ぶっつけ本番だけど上手くいった。嬉しい!
「なるほど、サーキュレーションで上手く蒸し焼きにしてるんだね。凄く汎用性高い魔法だね!」
「その分、作るの大変だったけどな。役に立ってくれて何よりだ」
これで玉鋼の材料の『炭』が出来た。
「よし、そんでもってこの木炭と砂鉄に錬金術をかける」
砂鉄の入った器を取り出し、錬金術をかける。
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『砂鉄』と『上質な木炭』を合金にしますか?
消費MP:200
成功率:100%
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良い成功率だ。
確率なんてのは0パーセントか100パーセントしか信じられないんだよ。80パーセントとか、1番信じられない確率だからな。
おのれハイド〇ポンプ。
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『砂鉄』と『上質な木炭』の合金化に成功しました。
『玉鋼』Rare:10を作成しました。
『錬金術』スキルレベルが6上がりました。
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「た゛〜ま゛〜は゛〜が゛〜ね゛〜」
某猫型ロボットのようなダミ声で言った。
「やったね〜! ここまで長かったね!」
「しかも、これはまだ武器になりませんものね。刀って、作るのが大変なんですね」
「普通の剣も大変だけどな。それを加味しても、刀は作るのが難しいけどな〜」
それにしても
「玉鋼を作るまでの工程が多かった。普通の剣ならゴブリン倒して錆剣ゲットして、溶かして鍛造して完成なのに......刀はまず、玉鋼の段階で工程が多い!」
「そもそも砂鉄を集める方法が難しい。磁石なんて売ってるの見た事ないし、あったとしてもかなり小さいだろう。
そんでもって次は炭を作らないとなんねぇ。この時点で火か風か土か雷の魔法が必要って、条件が厳しすぎだろう!」
『自然魔法』ありがとう! そして炭の材料とスキル書を落としてくれたマネーレトレント君、ありがとう!!
「そう考えたら刀ってかなり貴重?」
「貴重っていうか手間がかかる分、高価だな。......いや、玉鋼から刀にするのが高難度とするなら貴重かもしれん」
「どちらにせよ大丈夫です。父様なら出来ますよ!」
謎の自信をありがとう、リル。モフらせておくれ。
「がんばる〜」
「ありがとうございます〜」
「ねぇルナ君、凄いことに気付いちゃった」
およ? ソルの唐突な天才的発想が来たか?
「どうした?」
「刀って、聖剣になるのかな」
「......なるんじゃね?」
またとんでもない事を言ったな。刀で聖剣って......いや、刀は刀剣とも言うから聖剣もアリか。
「じゃあ玉鋼1号君から、聖剣になるか試してみるか」
「ごめんね? また変な事言って......」
「いやいや気にするな。それに、ソルやリルにも刀を作る予定だったからな。想いの込め方を知れるのは丁度いい」
聖魔剣の刀とか、ロマンあるしな! ふはは!
「それじゃあ玉鋼、量産しますかね」
玉鋼1つにつき、50個の砂鉄を使うので、合計80個の玉鋼が出来た。
――これは何ヶ月も後の話だが、魔法を使った砂鉄採取は『砂地獄』と呼ばれるようになったそうな。
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名前:ルナ Lv70
『取得スキル』
戦闘系
『剣王』Lv97
『王弓』Lv89
『武闘術』Lv1
『刀王』Lv1
『走法』Lv0
『手加減』Lv0
魔法
『雷属性魔法』Lv34
『自然魔法』Lv62
『龍魔法』Lv1
『古代魔法』Lv1
生産系
『神匠鍛冶』Lv100
『神匠:金細工』Lv100
『裁縫』Lv98
『調薬』Lv1
『神匠:付与』Lv100
『木工』Lv1
『料理』Lv15
『錬金術』Lv41→72
その他
『テイム』Lv2
『不死鳥化』Lv1
<>内アクセサリーの固定増加値
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刀は一応、まだ未開放エリアの武器ですからね.....
次回はルナ君、刀を作る.....予定です。
余談ですが、『刀を作る』と『刀を打つ』ってどちらが正しいのでしょうかね?次回の前書きに書きたいと思います。
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