鉱山へピクニック!〜○○を添えて〜 前編
長くなった上に終わりませんでした☆
「はい、ピクニックに行く前に弁当作るぞ〜」
「「は~い」」
「って事で生産所へゴー!」
生産所の厨房にて――
「またサンドイッチを作ろうか」
「分かった! 今回の私は沢山の食材があるからね。楽しみにしてて!」
そういや弁当にワイバーンの肉を使ってたな。
「わ〜い、た〜のしみ〜」
「凄いね。初めて99パーセント感情の篭ってない『たのしみ』を聞いたよ」
「いや、割とマジで楽しみだぞ。ソルの作る料理は美味しいからな」
リアルでもゲームでもお料理上手なソルさん。いつも尊敬してます。
「そ、そう?......なら良かった」
「では始めますかな。リルはどっちと一緒にやる?」
「今回も母様で」
「............そうか」
「思春期リルちゃん」
「いやそれ俺らだろ」
「た、確かに!」
絶対適当喋ってたな? 久しぶりにツッコんだ気がする。
......全く、リルがそっちに着いたからといって俺は悲しくない......もん。
「はい、料理開始〜」
グダグダだが、弁当作りが始まった。
「......閃いた。録画しよう」
後で見返したら料理名が『ルナちゃん特製』になる理由が分かるかもしれない。
そうと決まればやる事は決まっている。
「今回作るのはスイーツサンドでございます。材料はコチラ」
そう、料理動画風だ。ちょっとテンションがおかしいだけで、何も問題は無い。
「はい、1斤のパンに果物が沢山、食品店に売ってた、何とか牛の生クリームと砂糖です。牛の名前を忘れました」
こればっかりはマジで忘れている。何か、微妙な名前だったんだが......ダメだ、思い出せん。
「まずはパンを切ります。......包丁も自作したいと今思いました。えぇ」
パンを薄く切り、耳を切った時に少しボロっとなった。
リアルでの家の包丁は切れ味が良いのを使ってるので、少しボロっとなると違和感が大きい。
という訳で、今度包丁を作ろう。ストレスを少しでも減らしていきたい。
「料理に手間を惜しまない。それは包丁選びでも」
良い切れ味の包丁はそれだけで幸せになれます。
「はい、パンの耳を切ったらそれぞれ三角形になるように切ります......切ったらこいつらは保存で」
「次、挟むヤツらを切り刻んで行く......前にクリームを泡立たてておこう」
果物を切るのはすぐに出来るが、クリームを泡立てるのは時間がかかるからな。
もし、果物に酸化とかの劣化の要素があるなら、先に泡立たてておかないと劣化してしまう可能性が高いからな。
「......ハンドミキサーの有難みを実感した。はい、頑張りま〜す」
唸れ俺のDEX!!!
......というのは嘘で、クリームをすぐに泡立出せるために氷水を使う。
大きなボウルに氷水と塩を入れ、その上に中ぐらいのボウルを置き、そこへ生クリームを入れる。
後は混ぜるだけだ。
10分後――
「出来た。やばい、そろそろソル達も完成しそう」
出来たクリームをインベントリに入れ、果物を出す。
こんな時にも輝くのがインベントリ操作技術だ。
「はい。イチゴみたいなヤツとか、バフアイテムのリンゴとか色々あるけど、こいつら全部を切っていきます」
「はい切りました。後は切ったパンにクリームを塗って、果物を挟んだら完成で〜す」
「〜♪」
俺は鼻歌を歌いながら、果物をサンドしていった。
「完成!」
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『ルナちゃん特製スイーツ☆サンド』Rare:9
製作者:ルナ
食べると5分間、全ステータスが1.01倍になる。
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「クソがぁ!!」
録画停止ボタンを押した。もうやだこのゲーム......
「ど、どうしたの?」
2人が見に来ました。もういいよ、この結果を笑ってくれ。
「はいどうぞ」
「「あ〜」」
「そういえば前もこんな感じだったね」
「名前よりも料理本体の方が大事です」
本体とか言うなよ......悲しくなるだろ?
「よし、諦めよう。人間諦めが大事って前にテレビで言ってた」
「まぁまぁ。それじゃあ、私達の方も出来たし鉱山に行く?」
「あぁ......」
「楽しみですね!」
サンドイッチを持って鉱山に行く......徒歩で。
「そういえば鉱山の前も草原なのか」
「だよだよ! だから狩りもしつつ行こ?」
「アルテの試射も出来るし丁度いいな」
俺、『必中』の効果を自分で使ったことないからな、楽しみだ。
草原を歩くこと数分。
バサッ! バサッ!
「なぁソル。なんか前にも似たような音がしなかったか?」
「そう言えばあったね。あの時はカラスが降りてきたんだっけ?」
バサッ!! バサッ!!
「そうそう。んでさ、ここってあのカラス出たっけ?」
「出るらしいよ。名前から『インフィル』が抜けた、ただの『クロウ』って名前なんだって」
バサッ!!! バサッ!!!
「そうなのか。じゃあ、この音はそいつかな?」
「多分ね。どうするの? スピード決着?」
「そうだな。アルテに頑張ってもらう」
バサッ!!!! バサッ!!!!
『グオォォォ!!!!』
「「ぐおぉ?」」
「ッ! 離れてください! 2人とも!」
リルがとんでもない速度で俺とソルの腕を掴んで後ろに下がる。
『グオォ!!!』
目の前のモンスターのブレスで、目の前の草達が燃えて灰になっていく。
俺達を灰にしようとした者は、威厳のある鱗と甲殻を身に纏い、見る者全てに『強者』のイメージを与える、足に翼の生えた竜だった。
「父様、母様。あれがワイバーンです」
「「......やばぁ」」
あ、あれはやばい。あのブレスに掠っただけでお陀仏だぞ。
「他のプレイヤーが来る前に殺るか、全力で」
「だね、私もこのチャンスは逃せないよ」
「今回は私も出ます。多分お2人では厳しいと思うので」
「じゃ、散開!」
『グォォ!!』
「ッヒィィ! 俺を狙うなワイバーン!」
3方向に俺達は分かれたのだが、ワイバーンは俺を狙ってブレスを吐いてきた。
「アルテ!」
『顕現』がアルテにはあるので呼び出す。
「魔力矢! 雷!」
アルテに魔力を流して魔力矢を作るのだが、その時に雷属性をイメージする。
するとバチバチッ!と雷で出来た矢が番われた。
「堕ちろ!」
ワイバーンを狙い、弓を射る。さぁ、『必中』の出番だ。
バサッ!バサッ!
ワイバーンが翼を羽ばたかせて矢を落とそうとするが、必中効果があるので矢はそのまま進んでいく。
『グォォォォ』
ワイバーンに矢が刺さり、少し痺れている。
「うっは! めちゃくちゃ効いてんじゃん!」
アルテを持ってたらMPが700も増えるから、魔法も魔力矢もかなり使いやすい。
ドパパパン! っとえげつない音が少し離れたところからした。
『ガグァァ!』
ソルがミストルティンであの音を出すの、初めて見た。
「ルナ君! ミストルティン凄いよ!! 壊れないの最高!!!」
「それは良かった! あの矢をどんどんぶち込んでくれ!! スピード勝負だぞ!!!」
さぁ、後はリルだけかな? 少しよそ見をしよっと。
「......ふぅ。はっ!」
ダン!! ドバァァン!
リルが足に力を入れてジャンプしたと思ったら、リルが消えていて、元々リルがいた場所には小さなクレーターができていた。
「はぁぁ!!」
ワイバーンの方を見上げると、リルが『聖剣:アンバーライト』を振りかぶる直前だった。
ズッバァァン!
『ギャァァァ!!!』
「......やっば」
リルはワイバーンの翼を『根こそぎ切り落とした』のだ。
当然、ワイバーンは地に落ちる。
「......っとと、惚けている場合じゃねぇ」
アルテを仕舞い、前まで使っていた弓を出す。
「第2の相棒、頼むぜ?」
メンテナンスの仕方を覚えた俺に、耐久値の心配は戦闘中以外しなくていい。
ドパパパパン!
「あぁ〜この音もいいね〜!」
弦を引き絞った時の弓のしなる音、そして矢を放った時の矢が空気を切る音、とても気持ちいい。
『グオォォ!』
「ソル! リル! フルボッコタイムだ!」
「うん!」
「はい!!」
では俺はアレを試そう。
「『サンダーチャージ』全開で。あともう1つ」
目の前に雷で出来た魔法陣が現れる。
本来はMP400を使う......が、お試しでもう400使う。
すると、魔法陣の大きさが一回り大きくなった。
「よし、ならもう1つどうだ?」
合計1200のMPを消費したサンダーチャージは、大きな魔法陣が1つ、その奥に小さな魔法陣が1つ組み合わせられた形になった。
「いかにも『射出します』って見た目だな。よし、『サンダー』使うか。ソル! リル! 少し離れろ! 威力やばいと思うから!」
「「はい!!!」」
2人が離れた瞬間に魔法を使う。
「『サンダー』!」
魔法を使うとピカッ!と目の前が光った。
バリバリバリ!!!! ドガガガガン!!!!!
『ギャァァァ!!!!!』
「「「うわぁ」」」
凄まじい光と音と共に、ワイバーンに雷が落ちた。......そのままの意味で。
『グガァァ!!』
ワイバーンが大きく暴れだした。
「まだ生きてるぅ!?」
「私がやるよ! 任せて!」
「私もやります!!」
そして2人の攻撃によって――
『ガ......グガァ............』
ワイバーンがポリゴンになって散った。
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『はぐれワイバーンLv71』を討伐しました。
『ワイバーンの肉』×230入手しました。
『ワイバーンの鱗』×210入手しました。
『ワイバーンの皮』×170入手しました。
『ワイバーンの牙』×20入手しました。
『ワイバーンの翼』×2入手しました。
『スキル書:龍魔法』×2入手しました。
レベルが2上がりました。20SP入手しました。
『王弓』スキルレベルが9上がりました。
『雷属性魔法』スキルレベルが51上がりました。
『自然魔法』スキルレベルが20上がりました。
称号『竜殺し』を獲得しました。
称号『ド派手』を獲得しました。
称号『騒音者』を獲得しました。
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「あ〜あ。またこんな時に出ちゃったよ、スキル書くん」
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『ペリクロ草原』の超レアモンスター『はぐれワイバーンLv71』がプレイヤー、『ルナ』『ソル』によって討伐されました。
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へぇ〜ここの草原、『ペリクロ草原』って言うんだな。知らなかったよ。
「お疲れ様、ソル、リル」
「お疲れ様〜しんどかったね!」
「お疲れ様です。落とせなかったら危なかったですね」
いや〜、リルが翼を切り落とさなかったら大分危険な戦いだったろうな。
「あ、ソル。スキル書出た?」
「出たよ!『龍魔法』だって。カッコイイね」
「俺、2つ出たからリルにもあげるよ」
「えっ!? い、いいのです......か?」
ん? なんか反応がおかしいな。
「どうした?」
「だ、だって『龍魔法』ですよ? これは父様も使っている『自然魔法』の様な特定種族しか使えない魔法です。......具体的には、龍種のみです」
「ねぇリルちゃん。それってどれくらい貴重なの?」
「そうですね......多分、この国で誰も持っていない魔法だと思います。あのエルフの方でさえも。それくらいですね」
アルカナさんですら使えない魔法か。俺、あの人は全部の魔法を使えると思ってた。
「あ、ついでに聞きたいんだが、龍種ってどんなやつなんだ?」
「『龍種』は主にドラゴンが当てはまります。二枚一対の翼を持ち、大きな二本の足に、二本の小さな手を持っています。それと、『神竜』という神獣がいますが、あいつは近づかないのが吉です」
「そして『竜種』はワイバーンの事です。大きな足が二本と、翼と腕が一体化した姿の竜です。ですが、ドラゴンとワイバーン、両方が『龍魔法』を扱えます。『龍魔法』とは先程のワイバーンも使ったブレスも含まれています」
うわ〜、ここでファンタジーあるあるの『竜』と『龍』の違いが出ちまった。聞いてる限りじゃ一緒なんだよな......りゅう。
せめて、『りゅう』と『たつ』と言って欲しいところだ。
「なるほど。ありがとうな、リル」
感謝のなでなでをしてあげる。
「私も!」
「はいはい。ソルもありがとうな」
2人をモフ......撫でる。めちゃくちゃ気持ちいい!
「っとと、そうだ。はいリル、スキル書」
俺はリルにスキル書を渡す。
「本当にいいんですか?」
「もちろんだ。それに1つ余ったところで、売るか隠し持っとくかの2択だからな。それならリルが使った方が1億倍有効だ」
「ありがとうございます。これからは魔法も使っていきますね!」
「あぁ、頼りにしてるよ。リル」
皆でスキル書を使った。
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『龍魔法』を習得しました。
『龍魔法』と『自然魔法』の派生スキル、『古代魔法』を習得しました。
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「は?」
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名前:ルナ Lv68→70
所持金:515,540L
種族:人間
職業:『剣士』
称号:『スライムキラー』
所属ギルド:冒険者 (E)
HP:770→790
MP:1,270→1,290<500>
STR:2,690→2,710(200SP)
INT: 690→710
VIT: 1,190→1,210(50SP)
DEX: 2,190→2,210(150SP)
AGI: 890→910(20SP)
LUC:345→355
CRT:48→49
残りSP:260→280
『取得スキル』
戦闘系
『剣王』Lv97
『王弓』Lv89→98
『武闘術』Lv1
『刀王』Lv1
『走法』Lv0
『手加減』Lv0
魔法
『雷属性魔法』Lv34→85
『自然魔法』Lv62→82
new『龍魔法』
new『古代魔法』
生産系
『神匠鍛冶』Lv100
『神匠:金細工』Lv100
『裁縫』Lv98
『調薬』Lv1
『神匠:付与』Lv100
『木工』Lv1
『料理』Lv15→40
『錬金術』Lv41
その他
『テイム』Lv2
『不死鳥化』Lv1
<>内アクセサリーの固定増加値
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これはゲームです。オンリーワン要素はほとんどありません。それに、ただで強力な魔法が使える訳ではないんですよ.....くっくっく
次回はちゃんとしたピクニックです。えぇ、砂鉄採取も忘れてませんよ。
あっ、最下部に戦闘時のステータス載せておきます。
邪魔になると思いますが、よろしくお願いします。
評価・ブックマーク宜しくお願いします!
誤字脱字報告、とても助かってます!
作者Twitter
くだらないことやユアストのあれこれ(ネタバレ有)を呟いてます!
https://twitter.com/yuzuame_narou
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名前:ルナ Lv68
HP:1,155
MP:2,355<1,200>
STR:7,868(200SP)
INT: 2,018
VIT: 2,677(50SP)
DEX: 8,327(150SP)
AGI: 2,603(20SP)
LUC:345
CRT:48
<>内アクセサリーの固定増加値
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感情強化:愛がSTR、DEXとAGI1.5倍で、それが2つ。(ソル指輪とアルテ)そして真ギュゲでVIT以外が1.3倍ですね。
そして攻撃する時はソルから貰った指輪の効果でさらに1.5倍補正が掛かってますから、こんだけ楽に倒せたのです。
.....ステータスを改めて計算すると、ゴーレム戦で計算ミスしてる可能性が出てきました。許してください(´;ω;`)




