鉱山攻略 1 withマサキ
今回のタイトルを少し予告と変えました。この方がしっくり来たので。
マジか......そんなことある? 同乗者がマサキだった。
「あっ、ガーディ君にイリスさんとルヴィさんも一緒なんだね」
「ソルもいるのか、久しぶりだな!」
俺達リアルじゃほぼ毎日会ってるけどな。......ってそれは野暮か。
「そうだね。そっちも鉱山に行くの?」
「あぁ。イベントに向けて武器が欲しくてな、その素材集めだ」
「お、そっちもか。俺達も一緒だ」
「そうか!......ってそりゃそうか。鉱山だもんな......ルナ達は何を狙ってるんだ? やっぱり鉄か?」
「いや、違うな。銅と亜鉛だ」
「銅と亜鉛? なんでまたそんな物を」
ふんふん。なるほどね。マサキ君、君が付けてるアクセサリーが何でできてるか、知らないのかね?
「ルナさん、もしかして真鍮ですか?」
「ガーディ君、正解。君達のアクセサリーにも使った真鍮の為に鉱山に行くんだ。使い切っちゃったからな」
「そうなんですね! そういえばルナさん、イベントには出るんですか?」
「出るぞ。当たったらよろしく頼む」
「えっ......」
ガーディ君がそこまで言ったところで御者台から声が掛かる。
「出発するぞ〜!」
『は〜い』
馬車が進み出した。やっぱり王都はかなり整備されていて、ほとんど揺れない。
「で、ルナはどの部門に出るんだ?俺は剣術、魔法、総合で出るぞ」
「おぉ〜全部当たるな。俺は剣術、弓術、闘術、刀術、魔法、総合だな」
「......マジで? 6つも出んのか?」
「そうだ。これは希望的観測だが、『武神』はかなり有能だろうからな。複数持った場合も気になる」
複数持ってたら1つにつき効果が10%アップ!とかあったらマジで強いからな。
「まぁ、優勝賞品だしな。金には興味あるのか?」
「ない......と言えば嘘になるが、家が買えないならそこまで興味はないな。だから確実に家を手に入れるために、総合部門で優勝してギルドホームが欲しい」
「ルナさんなら総合部門優勝は取れる気もしますがね......?」
ふっ、甘いなガーディ君。そんな簡単に取れるわけないだろう?
「ガーディ君、君のレベルは幾つだ? それと、1番高いステータスの数値も出来れば教えてくれ」
「え?......まぁ、いいですけど。レベルは45で、VITが2,800を超えたところですね」
「だろうね。それも、他のステータスも4桁が近いだろう?」
「そうですね。でもルナさんはもっと高いんじゃないですか?」
「いや? 全然だな。1番高いので2,640で、1番低いのは640だ。あ、もちろんLUCはもっと低いぞ」
「「「「え?」」」」
まあ、そういう反応だろうな。レベルは明かしてないが、これでガーディ君より弱い事は理解してくれただろう。ステータス面は。
「まぁ、そんな訳で俺はそう簡単には勝てない訳だよ。それこそ、リルと一緒に戦えるならいいんだけどな......」
今回、テイムモンスターに着いては参加出来ないようだ。何故だろう......俺のせいか?
「あ、ルナさんルナさん!」
「ん? どうしたのイリスさん」
「あの、アクセサリーの製作者って言っても良いんでしょうか?」
え?............あぁ、悪目立ちの可能性か。把握した。
「それなら言ってくれて構わんぞ。今のところ俺が作るのは信用、信頼できる人のみだし、神器に関してはワールドアナウンスでバレバレだしな」
「分かりました! ありがとうございます!」
「っと、そうだ。ルナ、一緒にドゥルム鉱山を攻略しないか?」
「え?......う〜ん、ソルとリルはどうしたい? 俺としてはどっちでもいいんだが」
「私も良いよ? 隠さなきゃいけないことはそう無いし」
「私もです、父様。ただ、マサキさん達が死にかけた時は私が出た方がいいのでしょうか?」
「そうだな。基本はソル優先で守って、ついでにマサキ達を頼む。最後に俺を守ってくれ」
俺は死ぬのは怖いが、そう簡単には死なないだろうし、一応『不滅の愛』があるからな。多分大丈夫だろう。
「父様を1番に守ります。それが私の役目です......だめ、ですか?」
リルの目から涙がぽろぽろと零れる。
えぇ!? っちょ、待って! 泣かないで! 俺が責めたみたいじゃないか......違うのに.........
「分かった、分かったから。俺が1番で良いよ。だから泣かないでくれ。俺が泣きそうになるから」
「......はい。それなら、大丈夫です」
ふぅ、良かったぁ。周りの目が怖いが、頑張って耐えるとしよう。
「ルナ、本当に子持ちなのか......?」
「本当にそうだよな......親子、というより仲のいい兄妹?」
「「「確かに!」」」
「何が『確かに!』じゃ! そんな事を言う人にはリルの手伝いはないぞ?」
「「えぇ〜それは......」」
「ん? リルはそんなに強いのか?」
あっ、マサキ達はリルが『フェンリル』であることを知らないのか。どうしよう、言うべきかな?
......いや、まだ伏せとこう。せめてイベントが終わってからにしよう。
「強いぞ。解放したソルを除けば、この中で1番強いぞ」
「「「「え?」」」」
「ちょ、ちょっとルナ。ツッコミどころが多いぞ。まず、『解放したソル』って何だ?」
「あ〜、それはソルに聞こう。ソル、どうする? 言っても良さそうなら言って良いぞ?」
「じゃあ言っておこうかな?......えっとね、解放するのは私じゃなくてこの指輪ね?」
そう言ってソルは左手の薬指の指輪を見せた。......うん、その見せ方はヤバいのでは?
「指輪?......うわ、それめちゃくちゃ綺麗だな」
「凄く神々しいですね。」
「どれどれ〜? うわ〜! 本当だ〜! 凄く高そう......」
「綺麗......どこで買ったんですか?」
「ふっふっふ。ルヴィちゃん、これはルナ君に貰ったんだよ。それもルナ君の手作り!」
「「「「え?」」」」
4人が一斉に俺を見る。......なんだこの4人、『え?』だけで何回ハモる気なんだ?
「結婚指輪だよね! ルナ君!」
「違う! まだそこまで行ってない!」
学生です。まだそれは早いですよ。俺達はお付き合いしている段階です。結婚は大分先なのです。
「でも、リルちゃんいるよな?」
「養子です」
「家については?」
「シェアハウスの予定です」
「ご飯は?」
「一緒に食べます」
「ソルさんが好きなの?」
「大好きです......ハッ!」
こいつら......!!! 誘導尋問しやがった......! 俺の心のHPを.........よくも!!!
「えへへ〜ありがとね? ルナ君」
「あ、はい。もう俺は死にたいです」
そしてそんな時に──
「鉱山に着いたぞ〜!」
「よし、死のう」
「「ダメ! / です!」」
「離せ! ソル! リル! 俺はここで初の死を刻むんだ!」
「ルナ、諦めろ。お前達はもう家族だ。それでいいんじゃないか?」
俺がマサキの立場なら、今の言葉の最後に『知らんけど』が付く。だって今の発言、絶対適当に言ったことだもん......あぁ、そんな事考えてたら落ち着いてきた。
「ふぅぅぅぅ。......よし、とりあえずパーティ申請するわ」
「おう!......はい、承認と。ん?」
「どしたのマサキ」
「いや、バグか? パーティ画面にはリルちゃんが『テイムモンスター』扱いされてるんだ」
んなっ!? うっそやろ!? やばいやばいやばい!! な、何とか誤魔化せ!
「き、気のせいだ。それじゃ、鉱山に入ろうぜ。早く採取したい」
「ん~まぁ、そうだな。まだ出て1ヶ月くらいだし、バグくらいあるよな」
ふぅ、何とか誤魔化せた......かな? ふぅ、ならここで、さらなる驚きで二重に誤魔化そう。『アレ』を試す。
「よし、入り口前で試したい事があるから、やっても良いか?」
「俺達はいいぞ」
「私達も大丈夫だよ」
「あんがと。んじゃあ、やってみるわ」
鉱山の入り口前にて──
「魔法作成!」
俺がそう口に出すと、目の前に魔法陣が出た。
そしてその魔法陣の円の数は10個だった。だが、やる事は変わらないだろう。これが上級魔法の壁なんだろうな。
さぁ、イメージを固めろ。『自然魔法』で分かる、周囲の情報をかき集めるイメージだ。手を伸ばし、手前に引っ張るような、そんなイメージ。
『カチッ!』
『カチッ!』
次に、魔法発動速度だ。これはゆっくり、波が広がるイメージだ。近場は早く届くが、遠くには遅れて届くイメージ。
『カチッ!』
『カチッ!』
最大MPは真ギュゲのお陰で1,220ある。多分、足りるだろう。
『カチッ!』
『カチッ!』
よし、残り4つ。スキルレベルと名前が2個ずつか。
スキルレベルも足りる......筈だ。木魔法時代から合わせると、レベル110だからな。
『カチッ!』
『カチッ!』
よし、後は名前か。木魔法の時は『蔦よ』と『茨よ』だったが、自然魔法ではどうなるのか。
う〜ん、色々試すしかないか。
「『サーチ』!」
『カチッ!』
『カチッ!』
来たぁぁぁぁぁ!!!!! 一発ツモ!!
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『自然魔法:サーチ(継続消費MP:10)』を作成しました。習得しますか?
『はい』『いいえ』
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もちろん『はい』だ。
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『自然魔法:サーチ(継続消費MP:10)』を習得しました。
『自然魔法』スキルレベルが5上がりました。
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「っしゃ! 出来た!」
「「「「......えぇ......」」」」
「ルナ君! 成功したんだね!」
「あぁ! やったぞ! ソル!」
「おめでとうございます、父様!」
「あぁ。これはかなり自信が持てるよ。ありがとうリル」
実は俺達3人は、2週間前からちまちまと魔法の作成を試していた。ソルの聖属性魔法は成功しても、俺の自然魔法は全然作成出来なかったのだ。
今回は誤魔化す為とはいえ、成功したのはめちゃくちゃ嬉しい。しかもこの魔法、便利だからな!
「じゃあ、入ろうか!」
「「「「ちょっと待てぇ!!!」」」」
マサキ達に止められました。
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名前:ルナ Lv63
所持金:515,540L
種族:人間
職業:『剣士』
称号:『スライムキラー』
所属ギルド:冒険者 (E)
HP:720
MP:690<500>
STR:2,640(200SP)
INT: 640
VIT: 1,150(50SP)
DEX: 2,170(150SP)
AGI: 840(20SP)
LUC:320
CRT:44
残りSP:200
取得スキル
戦闘系
『剣王』Lv93
『王弓』Lv89
『闘術』Lv99
『刀術』Lv85
『走法』Lv0
『手加減』Lv0
魔法
『自然魔法』Lv10→15
生産系
『神匠鍛冶』Lv100
『神匠:金細工』Lv100
『裁縫』Lv93
『調薬』Lv1
『神匠:付与』Lv100
『木工』Lv1
『料理』Lv15
『錬金術』Lv1
その他
『テイム』Lv2
<>内アクセサリーの固定増加値
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リル編の時のように、1はまだ鉱山に入らない...
これから自然魔法の脅威を実感する7人をお楽しみください!
次回、『鉱山攻略 2 withマサキ』です。お楽しみに!
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