王都ロークス 3 魔法士ギルドと冒険者ギルド
悩みに悩みまくった結果、昨日は投稿出来ませんでした。
い、一応不定期更新なので、許され...ますよね?
「――なるほどな。それなら勝てる可能性はあるか......」
「でしょう?」
アルカナさんにリルとの戦闘シーンを見せた。
実は俺が出演した生放送の時、キアラさんが『はい、この映像あげるよ!』って言ってフェンリル戦の動画をくれたのだ。
......一緒に見てて思うが、まだまだ改善点が多いな。もっとフェイントや誘導、攻撃の精度を上げられるはずだ。
「ルナ、と言ったな。お主、どのようにして『木魔法』を習得した?」
「え?」
「あの魔法はハイエルフのみ習得できる、『自然魔法』に進化する『属性系統外魔法』だ。......ハイエルフ以外の種族で、『木魔法』の習得方法はまだ発見されていない筈だ。それをどうやって習得したのだ?」
あれ?『木魔法』ってそんな貴重な魔法なの? ってか俺の木魔法は『自然魔法』に進化しちゃったよ?
「えっと、インフィル草原のエリアボスの、マネーレトレントからドロップしたんですよ。『スキル書:木魔法』というのが。それを使ったら習得できました」
「......なるほど、やはりか」
お? これって、『では、あなたも?』『あぁ、同類だな』的な展開では? こういうのワクワクするからすごく好きなんだけど!
よし、いっちょやるか。
「では、あなたも?」
「ん? 妾か? 妾は少し違うぞ。古文書を解読したらそれが魔導書でな、それで習得した」
な、なにぃ!? 違うだとぉぉ!?
「ふふふふっ! ルナ君、予想が外れたね?」
「よ、よく分かったな。『やはりか』ってくると、『あなたも?』って返したくなるんだよな......まぁ、その先の展開が外れたんだが」
「お主はどのような答えを求めておったのだ?」
ふっ、良かろう。話してしんぜよう。
「それはですね、アルカナさんが『あぁ、同じだ』って言ってそこからスキル書の話になると思ってたんですよ」
「そうなのか? その展開になると話はどうなるのだ?」
ええぞええぞ! 答えますぞ! それは──
「お2人とも、いいですか?」
「「あ、はい」」
怖い顔をしたランザが声をかけた。......流石に盛り上がりすぎてしまったか?
「で、アルカナさんは何の用でここに来たんですか?」
「ん? あぁ、勧誘だ。そこにいるルナと、ついでにその嫁のお主も私のギルドに入るといい」
「あぁ〜なるほど。そういう事ですか。アルカナさんにしては珍しいですね〜」
え? それって冒険者ギルドから引っこ抜くという事なのか? ってかランザ、良いのか?
「ランザさん、いいんですか? 私やルナ君が冒険者ギルドから引き抜かれても」
「ソルさん、大丈夫ですよ。別に冒険者ギルドから除名される訳ではないですから。そのまま2つのギルドに所属するだけですよ」
「そう言う事だ。私のところにも登録すると、2人は冒険者でもあり、ギルド公認魔法士でもあるという事だな」
「「公認魔法士?」」
気になることを言ったらソルとハモった。
「うむ。公認魔法士というのはそのままの意味だな。ギルドが公認している魔法士という事だ。メリットとしては、魔法士ギルドに保管してある魔導書を自由に読むことができる、くらいか」
「そういえばさっきも言ってましたが、魔導書とはなんですか?」
「魔導書は、理解して読むことで魔法を覚えることができる書物の事だな。ギルドに保管してある魔導書は安全な物だが、他の魔導書には稀に、モンスターが封印されていたり、読んだ者を呪う類の物がある。気をつけるのだぞ?」
......美味い話だ、ソルと相談したいな。
「少しソルと相談していいですか?」
「もちろんだ。ゆっくり話し合うと良い」
良かった。流石に美味すぎる気がするからな〜
「ソルはどうしたい? 俺としてはどちらでもいい。寧ろアルカナさんが言ってることが本当なら入りたいくらいだ」
「う〜ん、私も同意見なんだよね。使える魔法が増えるし、ギルドで情報を貰えるかもしれないからね」
だよなぁ。でも、デメリットを言われてないんだよな。
......そもそもギルドに入るのにデメリットがあるのか? 冒険者ギルドだってそうだ、冒険者になったからと言って、『○○をしなければならない』
みたいな事は無かった。......筈だ。
「なら、入ってみるか」
「うん! 一緒に入ろう!」
ではアルカナさんに魔法士ギルドに所属する事を言おうと思ったのだが、何やらお話中ようだ。
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ランザside
「ランザ、お主はルナをどこで見つけたのだ?」
「え? どこって、向こうから来てくれたんですよ」
「本当か? ......それより彼奴、語り人だよな?」
「ええ、そうですよ。スパーダから連絡がありましたから」
「ん? スパーダ? あの小僧がお前に? ハッハッハ! 中々に面白い冗談だな!」
えぇ......そんな事言われても......
「本当ですよ。それに小僧って......あなたの年齢からしたら皆子供でしょうに......」
「あ? 消し飛ばされたいのか?」
「スミマセン嘘です何でもないです」
「......次はないぞ?」
「はい......」
この人、エルフだからとんでもない年齢なのにな〜
いつかルナも同じ轍を踏むかな? ......敢えて忠告しないでおこ〜っと。
「それで、どうしてアルカナさんはルナを勧誘したんですか? あなたは語り人を昔から嫌ってたじゃないですか。気が変わったんですか?」
「今でも嫌いだぞ。それは変わらん。......だが、あの『木魔法』を覚えてるなら話は別だ」
「『木魔法』ってそんな凄い魔法でしたっけ?」
「当たり前だ。あれは現存する魔法で唯一、ハイエルフしか習得する事のできない魔法だ。そんな魔法、特殊ではない訳がないだろ?」
へ〜そうなんだ。そんな代物をボスから入手するなんて、ルナは強運だな〜
「そうですね。具体的な特殊さは分かってるんですか?」
「半分は、だな。あれは進化すると『自然魔法』になるんだが、こいつが異質過ぎるのだ」
「異質?」
「そうだ。前まで『自然魔法とは植物などの、自然に干渉する魔法』だと思われていたのだが、実は違ったのだ。まだ確実ではないが、私の考えではこうだ。『この世へ干渉する魔法』 だ」
「この世?どういう事です? 『空間魔法』は確か、『空間への干渉』でしたよね?それとは違うのですか?」
「全く違うぞ。自然魔法は今のところ、大抵の物に干渉できるのだ。この意味が分かるか?」
大抵の物? 漠然としすぎて、1割くらいしか分からないなぁ。
「いえ。ほんの少ししか分かりません」
「だろうな、私もだ」
「え?」
何言ってんだ?この人。
「お主今、『何言ってんだこの人』って思っただろ? ......全く、そんなだから3位なのだぞ。話を戻すが、私にも分からない。どのような物に、どれだけ干渉できるのか。今のところ分かっているので、『植物』『鉱物』『空間』だ」
「それですら漠然としていますが、まだ理解出来ますね。空間はどれほど干渉出来るのですか?」
「それはだな......っと流石に話しすぎたな。あちらの相談は終わってたようだな」
あっ! 忘れてた!
「ご、ごめんルナ!」
「妾もすまんな。話しすぎた」
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ルナside
「いえ、途中から俺も聞いてましたから。それで、俺達は魔法士ギルドに入りたいんですけど、いいですか?」
「もちろんだ。私から誘った事だ」
あれ? この人の一人称って『妾』じゃなかったっけ? これ、聞いてもいい話なのかな?
「アルカナさんの一人称ってどっちなんですか?」
ソルが言ったぁぁ!! 勇者、勇者だぁ!!!
「ん? あぁ、気に入ったやつには『私』と呼んでいるぞ。その方が話しやすいだろう?」
え? ってことは俺達気に入られたの? なんで?
「ル、ルナ君はあげませんよ!!」
「もちろんだ。ルナはお主のだろう? 横取りする訳ないだろう?」
おほぉ。ソルさん......
「にしても珍しいですよね、アルカナさんが語り人を気に入るのは。ルナは期待されてるのかな?」
「そうか? まぁ、ルナの『木魔法』が進化するまでは期待しているだろうな。私は。あと何年で進化するのか、楽しみだな」
ん?????
「あの、俺の『木魔法』はもう既に『自然魔法』に進化しているんですけど......」
「「え?」」
「え?」
5秒程間を置いて──
「何故それを最初に言わないんだ!!」
「ルナ、実はエルフなんじゃないの!?」
「えぇ?」
ややこしい事になる気がする。俺は魔法士ギルドにも入ることを伝えただけなのに......
「はぁ......とりあえずこれから私のギルドに来い。いいな?」
「は、はい」
「あ、ルナ! これ、ギルドカードだよ」
ランザから冒険者ギルドのギルドカードを渡された。
「ありがとうランザ。また来るよ」
「もちろん! アルカナさんの話は長いと思うけど、頑張ってね!」
えぇ〜長いのか......ま、しゃーないか。
「では転移するぞ。ランザ、いいな?」
「はい。ソルさんも、リルちゃんもこれから頑張ってね!」
「「はい!」」
「行くぞ。『転移』」
アルカナさんが魔法を使うと、床に魔法陣が出てきて、目を開ければ冒険者ギルドより小さい建物の前にいた。ここが魔法士ギルドなんだろう。
こういう魔法陣に乗って転移するの、凄くロマンがあって良い!これが『空間魔法』だよな?絶対に習得したい!
「よし、ではギルドカードを作りに行くぞ」
「「はい!」」
俺達はアルカナさんに着いて行いった。
『魔法は凝ってはいけない』そう過去の私に言いたいですね。何故ゲームバランスが崩れない程度にクソみたいな魔法が出来たのか、よく分かりません。
次回は『自然魔法』の事だったり、王都のギルド関連が終わる...はずです。頑張れ、未来の私。
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