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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第3章 弟子と王都
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刀神vs自称最弱

戦闘シーン...難しいです

 



「カレンさん、準備出来ました」



「分かりました! 早速やりましょう!」



  実はまだ、準備は終わっていない。

 今回はきっと、今までで1番苦労する戦闘だろうから、万全の状態で戦いたい。


  その為に、ウィンドウを開いて、とある設定をする。



「ルールはどうします?」


「そうですね......先に生命力の5割が削れた方の勝ち、ではどうです?」



  5割、か。

 今、真・ギュゲースの指輪で増えてるの、魔力だけだからなぁ。ま、やるだけやるか。



「いいですよ、それで」


「では、始めましょうか」



 カレンさんがそう言うと、ウィンドウが出てきた。


 ━━━━━━━━━━━━━━━

『特殊クエスト:刀神と模擬戦』を開始します。

 

 ルール

『勝利条件』

 ・『カレン』のHPが50%切る。


『敗北条件』

 ・『ルナ』のHPが50%を切る。

 ・場外に出る。

 ・降参

 -----------------------------

 ・訓練場から出ると場外判定

 ・同時に50%を切った場合、再戦となる

 ━━━━━━━━━━━━━━━



  はぁ、自分用の神器が欲しいな。

 まともな効果を持ってるの、真ギュゲしかないぞ。


  ま、『刀術』を覚えられると信じてやるかね。

 リザルトを『スキル習得時』に設定して、と。




「はい。では始めの合図はスパーダさんが出してください」


「おう、分かった。ルナは武器を出さなくていいのか?」


「あ、今出します」



  そう言って出したのは愛剣だ。そう、『アイアンソード』だ。



「ん? それは前から使ってるアイアンソードじゃないのか? 新しい剣じゃなくていいのか?」


「そうですね。あの剣は貰い物なので、最初に出すのは嫌なんですよ」




  三重トラップだ。今言ったのはフェルさんから貰ったアイアンソードだ。そして次に出すのは、俺が初めてアイアンソードを打った時にできた、『魔剣』を出すんだ。


  そして最後に、ステラを出す。


『戦いとは、始めの合図は無い。相手を見た時点で始まってると思え』そう師匠が言っていたので、実践してみた。


  狡くていい、酷くていい。対人戦では絶対に手を抜かない。ビギナーズラックで負けたら話にならない。だから最初から本気で行く。



「そうか、では。構え!」



  俺とカレンさんは武器を構える。


  いや、どっちも構えてないわ。

 俺は自然体でいれるように剣を降ろしてるし、カレンさんも刀は鞘に入れたままで、抜刀の構えもしていない。




「始め!」



 戦闘が始まった。


  ここからは思考を辞めたら死ぬ。



「では私から行きましょう」



 カレンさんは態々合図を出してくれた。




 カン!



「うっは!」



  カレンさんが抜刀の構えを取ったと思ったら、既に目の前まで刃が来てた。それを防いだ時に声が出た。



 カン! カン!



  2連撃が来たが、愛剣で防いでいく。



 あ〜どっちから攻めようかな〜




「攻めないのですか? 武器が壊れるまで耐えるつもりなのです?」


「そんな訳ないでしょう。今も考えてるんですよ。『あ〜どっちから攻めようかな〜』って」


「呑気な方なんですね」



  そんな! ちゃんと考えて最適な行動を取ってるのに!

 証拠に今、地中の中で既に動き始めている。



「余裕がある、と言ってください。大体、カレンさんの剣速、早いんですよ。防ぐのがやっとです。」



  嘘ついちゃった。でも、本当でもある。防いでいて思うが、この人は隙がない。

 下手に攻めに出ると、普通に首を切られそうなんだ。



「そうですか? ありがとうございます。私としては、あなたの剣を受けたいところですけど......ね!」


「おっ」



 あっぶね。燕返しで来るとは思わなかった。危うく思いっきり斬られるところだ。



「おぉ! 今までこの燕返しを防いだのは4位までですよ!」


「4位?」


「はい、武術大会の総合部門の順位です。ちなみにそこにいるスパーダさんは2位ですよ」


「マジですか!? ってことは今の、スパーダさんも防いだんですか?」


「えぇ、そうですよ」



  スパーダさんって2位だったのか。燕返しより驚いた!



 よし、そろそろ攻めようかな。弓で。



 俺はインベントリから一瞬で弓矢を取り出し、セクスタプルショットを放つ。



 ガキン! キンキン!



「凄い! 凄いです! 剣士と聞いてましたが、弓術士でもあるんですか!!」


「いえいえ、職業は剣士ですよ。二つ名......というより、称号は『最弱』ですが」



  『無敗』も付くけど。

 さぁ、ここからどうしようか。地中の準備は出来てるから、話しながら適当にキリのいいところで仕掛けるか。



「『最弱』ですか。不思議なものですね。あなたで最弱なら、6位以下はどうなるのか、気になります」


「あれ? それなら俺、カレンさんと同等の順位になってません?」


「私の主観では、同等ですよ。あの燕返しを防いだ時点で、私の切り札の1つは無くなりましたから」



  それ、言葉の裏に『まだ切り札はある』と言ってるようなもんじゃないか。

 ......見たいな、切り札。

『刀術』習得もそうだし、なによりこの人の戦い方は武術大会での経験に丁度いい。




「では、俺からも攻めましょう」



  そう言って、両手に剣を出す。

 右手に愛剣、左手にフェルさんから貰った剣。



「それが言ってた剣ですか。私の予想では、魔剣クラスが出ると思ってましたよ」


「そんな物持ってる訳ないでしょう? この街には売ってないと聞いてますし、もし売ってても買える値段じゃないですよ」


「それもそうですね。では、来てください」



  じゃあ行こう。フェイントも意外性もいっぱい含んだ戦い方で行こう。絶対に切り札を出させてやる。



 カン! キン、キンキン!


 斬撃は全部防がれた。なら突きは?



「ほっ!」



 避けるか。なら混ぜる。



 キン! キンキン! スッ、キンキン!



 捌かれるか〜。これはステラの出番は早そうだな。




「奥の手ってどういう時に使えば良いんでしょうね」


「何を言ってるのです?」


「いえ、カレンさんは予想以上だったので。少し気になったんですよ。奥の手を出すタイミングってかなり重要じゃないですか?」


「何を当たり前の事を......っ!」




 カレンさんが言い終わる直前に、左手の剣を『投擲』した。



 ザクッ!



「奥の手です」


「なるほど、上手いですね」




  命中してくれて良かったよ。でも、カレンさんのHPがどれだけ削れたか分からないんだよなぁ。


  そう思ってら、視界の端にHPバーがあった。

 全然気づかなかったよ。


  バーを見ると、5%程削れていた。

 マジか、『剣王』の不意打ち投擲で5%って、めちゃくちゃ厳しいな。カレンさん、強いな。




「次は期待してください」



  俺は魔剣を左手に出した。驚くかな?



「なっ! 魔剣じゃないですか!」


「気の所為ですよ。これはアイアンソードです」



  嘘です、魔剣です。『魔剣:アイアンソード』なんです。




「いえ、それは魔剣です。今まで見た魔剣と同じ威圧感ですから」



  流石に経験者は騙せないか。まぁいい、この戦いを楽しもう。




  そこからは、連撃の出し合いと、不意打ちのオンパレードだった。



 ......やばい、魔剣の耐久値がもう無い。愛剣はなんで耐えられてるんだ?



 キンキン! キキキキン!



「甘い!」



 カレンさんが俺の連撃の隙を突いて、刺突を繰り出してきた。



 ガン!



「なっ!」



  遂に魔剣が逝ってしまった。



「はぁっ!」



  カレンさんが更に斬撃を放つ。


(顕現、ステラ)



 キン!



「なにっ!?」



  良かった。心の中で呼びかけてもちゃんと応じてくれた。


  右手の愛剣をインベントリに戻し、ステラを右手で構える。



「綺麗だな、ステラ」



  右手のステラを見ると、太陽光を浴びて、薄く金色に光っていた。



「な、なんですか、その剣は......」


「カレンさんが負けたら教えます。さぁ、切り札を出してください」



  もう直接言っちゃえ! その方がええやろ!



「......良いでしょう。『魔刀術:雷纏』」



  カレンさんが唱えると、刀に紫電が走る。



「『魔刀術』ですか。初めて見ました」


「そうですか」



  そう言ってカレンさんは抜刀術を繰り出してきた。



 カン!



「ぐっ!」



  なんだあの刀! 早いし重いし、何よりも痺れる!



「耐えますか」



  透き通るような目で、カレンさんはこちらを見てくる。

 まるで何も瞳に映ってないみたいだ。



 カン! カン! ガスッ!



 ......痛てぇ。一撃でHPが4割削れらた。

 そうだ、『癒しの光』を発動させよう。


 そう思い、『癒しの光』を発動させると、5秒で全回復した。




「ほぉ、不思議な剣ですね。回復効果もあるのですか」



  あ〜やばい、このまま剣で戦ったら負けるな。

 この人、どんだけ強いんだよ。魔刀術使ってから強さが倍以上になってんだけど?


 ......よし、そろそろ決めようか。



「そろそろ終わらせましょう」


「そうですね、俺もそう思ってました」



  カレンさんは納刀し、抜刀の構えを取る。

 対して俺は、何も構えていない。



「『雷切』」



 カレンさんの刀が超高速で抜かれた。




 そして刃は俺に──












 届かなかった。






「なにっ!?」




 今のカレンさんは、蔦に拘束されている。




「失礼しますね」



 そう言って俺は、カレンさんの腹に剣を刺し、HPを削った。






「そこまで!」




「「ありがとうございました」」



 礼をして終わる。ついでにカレンさんを『癒しの光』で回復させる。



「凄い、凄いよルナ君! いつ魔法を使ったの!?」


「そうですよ! あなた、いつ使ったんですか!? 無詠唱は存在しないはずですよ!」


「だな。ルナ、お前はいつあの魔法を発動させたんだ? というかあの魔法はなんだ?」




  質問攻めが始まってしまった!




「ま、待って。まず1つずつ、な?」



「そ、そうだね」


「じゃあまず、いつ使ったか、だけど。最初のカレンさんの攻撃から、ですよ」


「えっ? あの時ですか? でも、何も言ってなかった......」


「『行動詠唱』か。ルナはそこまで魔法を鍛えたのか?」




「魔法のレベルは92です。ですので、剣を防ぎながら地中で蔦の用意をしていました」



「「92!?」」


「なるほどね。ルナ君は最初からあの拘束を狙ってたの? カレンさんを捕まえた時、完璧な拘束だったけど」


「そうだ。そもそもあの作戦に全てを賭けていた。戦いが始まる前から、な」



  確率2分の1の賭けだった。蔦は転移とかではない限り拘束できるように張り巡らせていたが、バレていたら終わりだ。


  それに、拘束を破られても終わりだった。だからこそ、何十本もの蔦を使ったんだが、アクセサリーが無ければMPが切れてたな......



 MP? ......あっ



「俺の魔剣......逝ってしまった......」


「「「「あっ」」」」



「ル、ルナ君、落ち込まないで! また一緒に作ろう?」


「そ、そうですよ父様! 魔剣をまた作りましょう!」


「ルナ。剣士たるもの、剣との別れもある」


「すみません、ルナさん......」




「あ、大丈夫です。あれ、初めて作った剣ってだけで、使ったのは数回の狩りの時でしたから」



  俺としては愛剣が壊れなかったことを喜びたい。

 正直、あの魔剣の『耐久値回復:魔』を超える勢いで攻撃したカレンさんに驚いている。




「そうでしたか......でも、すみません」


「いいんですよ。言ってしまえば試作品ですしね。愛剣が無事なので、問題ないです」




  いや、問題なくはないな。でもまぁ、形あるものいつかは壊れるものだ。......神器でもない限り。





「そうだ! カレンさん、『刀術』スキルを教えてくれませんか? 俺、刀を使いたいんですよ」


「もちろんです。ご家族にも、お教えしますよ」


「「ありがとうございます!」」




  気持ちを切り替えて行こう。



「戦闘中、習得出来なかったんですよ。ですので、よろしくお願いします」



「はい!」





 という感じで、『刀神』の二つ名を持つ、冒険者ギルドのサブマスター、カレンさんとの模擬戦(?)は終わった。

ようやく3章の半分が終わった感じです。...多分。

戦闘シーンの描き方が手探り状態でして、すごく難しいです。型が決まってたり、遠距離戦なら書けるんですけどね...くっ!


では、次回、『可哀想なエリアボス』です!お楽しみに!




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作者Twitter

くだらないことやユアストのあれこれ(ネタバレ有)を呟いてます!

https://twitter.com/yuzuame_narou


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