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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第3章 弟子と王都
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覚悟を決めて、伝えた日

あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!

恋をした事ないのにこのシーンは難しすぎる!

ユアストのジャンルはVRゲームなのに...

 



 あぁ、来てしまった。遂に来てしまったぞ、この日が。



「ドゥ曜日が来たドゥ」



 俺のテンションはおかしかった。



「落ち着こう。朝6時からこのテンションでは夕方に倒れるぞ」



 寝起きからエンジン全開だと、後々ぶっ倒れるに決まっている。


 俺はとりあえず落ち着いてから、朝ごはんを作った。



「大丈夫、いつも通りだ。少し起きるのが早いだけ。他に気にする事はない」



 口に出すことで再認識することってあると思うんだよね。


 今日の朝ごはんは和食だ。俺の中で、朝食に和食を食べると、その日の体調が1番いい気がするのだ。


 別にプラシーボ効果でもなんでもいい。俺の力にしないと。



 そして40分もかからずに朝食ができた。



「ご飯、お味噌汁、鮭、卵焼きにひじきの煮物。うん、テンプレ和食だ」



 絵に書いたような和食でござんす。



「いただきます」


 -----------------------------


「ごちそうさまでした」



 洗い物は先に済ませよう。......いや、先に着替えるか? でも、もし何かあったら面倒だしな。



「よし、先に洗おう」




 そうして食器を洗ったら直ぐに着替える。

 あと1時間くらいで陽菜が来るからな。




 洗い物を済ませて着替えた。服装は昨日決めたヤツだな。本当にこの服以外に格好がつく服が無いのだ。




 そして顔を洗ったり、最後の確認を終えたところで、40分ほど待つ。






 ピンポーン!





「来た」



 陽菜さんが来ましたわね。さぁ、プレゼントや諸々も持ちましたし、いざ、出陣じゃあ!



「は〜い」


「陽菜です。月斗君、来たよ〜」


「今出るから少々お待ちを」



 用意は済んでるので直ぐに玄関まで行き、扉を開ける。




「おはよう、陽菜」


「おはよう! 月斗君!」



 陽菜の服装は白のワンピースだった。めちゃくちゃ可愛いです、はい。見ているだけで心が浄化されそうだ。


 俺は正直に言うぞ。覚悟は決めてるからな。




「その服、とても似合ってるな。可愛いぞ」


「あ、ありがとう! えへへ〜月斗君も、似合ってるよ! 落ち着いていてかっこいいよ!」



 ぐはっ! か、可愛い。思考が掻き回される......!!

 落ち着け。正直に感謝を伝えて、それから、それから......うん。頑張れ、数秒後の俺。



「ありがとう。そう言ってくれて嬉しいよ。それじゃあ、早速行くか?」



 無難な選択だな。まぁ、しょうがない。



「うん! 行こう!」



 陽菜はそう言って俺の右手を取った。



 うは〜! ユアスト内じゃよく手を繋いでいたけど、現実で手を繋ぐと伝わる感触が全然違う。

 なんだろう...... 人の温もり? のようなものを感じる。凄く心が満たされる感覚だ。




 そして俺は左手で鍵を閉め、陽菜とエレベーターに向かう。



「なんか、恥ずかしいな」



 誰に見られている訳でも無いが、恥ずかしい気持ちがある。ニヤついちゃいそうだ。気をつけてなきゃ。



「そ、そうだね! でも、繋いでいても......いい?」



 その上目遣いは俺に特効ダメージが入るぞ。



「ダメな訳がないだろう。ずっと繋いでいよう」



 勢い余ったー! やべぇ、気持ち悪いセリフが出ちまったよ! 死にそうだ。



「うん! 今日はずっと手を繋いでいようよ!」



 耐えろ、俺。気合いでニヤけるのを耐えるのだ!

 今の状況は、そう。インフィル草原のスライムに、俺の全アクセサリーをつけた状態で、魔剣で斬るような感じだ。......もちろん俺がスライムだ。



「あぁ。今日は土曜日だし、人が多いかな?」


「どうだろうね? 行ってからのお楽しみだね!」



 エレベーターが1階に着いた。



「はい」



 扉の開けるボタンを押して、陽菜が出るのを待つ。



「ありがとう!」


「は〜い。じゃ、行くか」



 一旦手を離していたので、今度は俺から手を繋ぐ。やべぇな、これ。めちゃくちゃ勇気がいる。世のカップルの男性は凄いな。尊敬するよ。




 それからはたわいもない話をしながら公園へ歩く。



「お、着いたな」


「お〜、人は......そこそこ? 少なくも多くもないね」


「だな。ぶらぶらとお散歩でもしようか」


「うん!」



 公園を一周するように歩こうかな。




 そうして公園を歩きながら色々と話した。『小学生の時、こんな事あったよね〜』とか、『中学の時に教えてもらった勉強法が役に立った』とかそんな話だな。



 俺は話しながら気をつけていた。陽菜の歩幅に合わせたり、他の人にあまり近くならないようにしたり、とな。これ、かなり疲れるんだな。


 世の気遣いができる男性を尊敬します。



 こうして時間は過ぎていき、公園を一周して、噴水前に着いた。大体の時間はお昼前くらいだな。





 よし、ここで言うか。言ってからネックレスを渡すか、渡しながら言うか。......うーん。



 よし、言ってから渡そうか。




「陽菜、ちょっといいか?」


「どうしたの?」



 ......ふぅぅぅ。落ち着かなくてもいい、呼吸を整えて、これから言う言葉を頭に浮かべよう。



 うん。それを『落ち着く』って言うんだな。俺は馬鹿かな?







「陽菜。俺と陽菜は小学生、中学生と一緒にいたけど、高校は無理だと俺は思ってたんだ」


「うん」


「でも、陽菜はいてくれた。大阪から遠い、東京の同じ高校まで来てくれた」


「......うん」


「1年生の時は気づけなかったけど、2年生になって、同じ教室で話しかけられた時、本当に驚いたよ。......驚いたと同時に、とても......とても嬉しかった」


「......うん」


「それでな......その、気づいたんだよ。俺が陽菜を、どう思ってるのかを」


「..........うん」




「陽菜、好きだ。俺は陽菜の事が大好きだ。今までは友達のような感覚でいたけど、これからは俺の彼女として一緒にいて欲しい。付き合ってくれないか?」





 心臓が口から飛び出そうだ。底知れぬ恐怖が頭を覆う。




「はい! 私も、ずっとずっと前から好きでした!私の彼氏になってください!」



 ふへ!?



「も、ももももちろん! これからよろしくな? 陽菜」


「う、うん! よろしくね? 月斗君!」



 ...こ、これで告白というのはいいのだろうか。




「......あ、そうだ。陽菜にプレゼントがあるんだよ」


「プレゼント?」


「そう、はいこれ。ネックレスだ。陽菜に似合うと思って選んだよ」



 そう言って俺は太陽と月のネックレスの入った箱を出した。



「開けてもいい?」


「もちろん」



 そして陽菜は箱を開けた。



「わぁ! 凄く綺麗! 太陽と月ってまるで私たちみたいだね!」


「だろう? 俺もそう思ったんだ。他にもいろいろと見てみたんだが、1番良いと思ったのがそれだ」


「ありがとう! 大切にするね?」


「あぁ。そうしてくれると嬉しいよ」


「......ところで、これは月斗君が私に付けてくれない?」



 まぁじぃ? ......ピクニック目的か、そこそこ人が増えてきたんだが......まぁ、陽菜の為だ、喜んで付けよう。



「いいぞ」



 そう言ってから、ネックレスを付けてあげた。

 うんうん。陽菜は後ろから見ても可愛いですね。



「ありがとう!」




 陽菜はお礼を言いながら抱きついてきた。



 し......死ぬ! それは恥ずかしくて死んでまうぞ! ええんか? ユアストなら広場送りやが、ここだとマジで心臓止まるぞ?



「ひ、ひひひ陽菜?」


「えへへ〜」



 おっふ。......しょうがない。死んでもいいからここは受け止めよう。



「......似合ってるよ、陽菜」



 そう言ってから俺からも抱きしめた。



「......ありがとう。ずっと、こうされたかったの。昔、私が月斗君を抱きしめてから、月斗君が私を抱きしめてくれるのはいつなのか、ずっと待ってたの」



 ......昔、抱きしめられたのって......あれか、初めて陽菜と会った時の、道場でのやつか。



「それは長らく待たせたな。これからはいつでもするぞ」


「......うん!」




 そうして離れ、手を繋いで話す。



「じゃあそろそろご飯とか食べに行くか?」


「そうだね! ......あ、そうだ! 月斗君の部屋のキッチンで一緒に作らない?」



 うちかぁ。ま、問題ないな。掃除はきちんとしてるし、部屋に入られても問題ない。



「いいぞ。それじゃあ食材買いに行くか」


「うん!」


 -----------------------------


「「ただいま」」


 食材を買い、家に帰ってきた。


「じゃあオムライスを作るか」


「そうだね! オムライスと、コーンスープを作ろう!」



 そうして手を洗い、キッチンに来た。



「じゃあまず、お米炊くか。早炊きで炊くから、大体30分ぐらいだな。その間にコーンスープを作ろう」


「おっけ〜。大体20〜30分くらいで出来るから、丁度いいね」



 という訳で俺はお米を研ぎ、炊飯器に入れてお米を炊く。1人から2人に増えたところで、かかる時間は殆ど変わらない。



「ほい、お米はおっけーだ」


「うん! こっちも沸騰させないように温めるだけだよ〜」



 ......なんかこういうの、いいな。


 1人暮らしだから、誰かと料理を作るのは初めてだが、これは中々に楽しいな。



「いいな。これからも2人で料理がしたいな」


「えっ!? 本当に? 私もしたい! すっごく楽しいもん!」


「だよな〜。2人で作ってると、なんというか、心が安らぐんだよなぁ。陽菜が暇な時にうちに来るか?俺が陽菜の部屋に入るのは、なんか申し訳ないし」


「ふふっ、うん、またこうやって料理を作りに来るよ!」


「そうか、なら次回を楽しみにしていよう」




 そうして話しながら昼ごはんを作っていく。






「「できた!」」


「いい感じだな。オムライスにコーンスープは、ザ、昼ごはんという感じだ」


「そうだね!」



 ではでは食べますか。




「「いただきます!」」


 -----------------------------


「「ごちそうさまでした!」」


「美味しかった。陽菜と作って、陽菜と食べるのは楽しかった」


「私もだよ! 月斗君、料理は下手って言ってたけど、そんなこと無かったよ!」


「そうか? まぁ、これからは陽菜に教えて貰いながら頑張ろうかな」


「うん! いっぱい教えるよ!」



 それから食器を持っていき、洗いながら話す。



「今日はこれからどうする? ユアストで聖剣作るか?」


「そうだね! そうしよっか。リルちゃんにも報告しないとね!」


「そ、そうだな〜」



 リルは俺と陽菜が......ソルが付き合ったと知ったらどんな反応をするだろうか。



「それじゃあ家まで送ろうか?」


「ううん。外も明るいし、大丈夫だよ。心配してくれてありがとうね?」


「心配するに決まってんだろう。......彼氏なんだし」


「え、えへへ〜。ありがとう!」




「こちらこそありがとう。改めてよろしくな? 陽菜」


「うん! 私の方こそよろしくね! 月斗君!」



 最後にハグをして、陽菜は帰った。






「見送る時って......虚無感が凄いな」



 好きな人と一緒にいたいと言う気持ちを、よく理解した。




「さぁ、これから聖剣作りだな。王都を目指して頑張るか」




 武術大会はいつ行われるのだろうか。ソルと一緒に出てみたいものだ。

大変でした。今までで1番時間がかかったお話です。

これから毎日2本投稿しないと、年内に100話は難しそうですね。頑張りたいです。


さてさて次回から聖剣作りですね!

ようやく月斗君と陽菜さんがくっついたので、聖剣の話が進められます...


こっから一気に進められる...はずです!




評価・ブックマーク宜しくお願いします!

誤字脱字報告をして下さると、とても助かります。


作者Twitter

くだらないことやユアストのあれこれ(ネタバレ有)を呟いてます!

https://twitter.com/yuzuame_narou

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