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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第3章 弟子と王都
60/492

ステルスミッション!王都解放を見届けよ!

プロット内で迷走しまくる作者。これで目標が年内100話ってマジですか?

 


 金曜日の学校も終わり、家に帰ってユアストにログインする。



「リル〜」


「はい、父様!」



 名前を呼ぶと俺の体から光が飛び出て、リルが出てきた。



「今日の生産は一旦休憩だ。この後にアルトム森林の攻略が行われるらしくてな、覗かないか?」


「それは、ボス討伐を見学するということですか?」


「まぁ、そうとも言えるが1つ、普通と違う点がある。それは『誰にも見つからない』事だ」



 ふっふっふ。誰にも見つからずにボスの情報を得て、攻略組がピンチになりそうなら助けてあげたいのだ。......助けられるか分からないが。


 そこでリルが言う



「う〜ん? どうして見つからないようにして行くんですか?」



 くっ! その首を傾げるの可愛いすぎだろ! 反則だ! お兄さん全部教えちゃう!



「それはな、リル。もしかしたら『隠密』みたいなスキルがあったりしたら開発出来るかも知れないだろ? それに、ボスの情報が欲しいからな。生産も、後は聖剣を作るだけ......ってところだからな。先の情報が欲しいんだ」



 他にも、プレイヤーを見続けたら『鑑定』とかあるかもしれないからな。あったら習得したいなぁ。



「なるほど、得心しました。今回の見学は一石二鳥という訳ですね」


「そそ、そゆことです。後な、気になる語り人が居てな、そいつの戦闘を見たいんだ」



 今日犬子もいるはずだ。正樹が言ってたからな。あの人の戦闘を見てみたい。どんな武器を使うのか、どんな動きで戦うのか、どんな戦略を持っているのか、知りたいのだ。



「そうなのですか。でも、どうやって見つからずに見学するんですか?」


「よく聞いてくれた! それはな、こいつを使う。リルの分もあるからな!」



 俺はそう言って2つの指輪を出す。


 ━━━━━━━━━━━━━━━

『アンジェリカの指輪』Rare:18 製作者:ルナ


 付与効果『生命力増強:300』『魔力増強:500』

『魔法防御:80%』『気配隠蔽補正:特大』

『魔法反射30%』『AGI補正:大』

 ━━━━━━━━━━━━━━━

『真・ギュゲースの指輪』Rare:17 製作者:ルナ


 付与効果『魔力増強:500』『STR補正:中』『DEX補正:中』『INT補正:中』『AGI補正:中』『気配隠蔽補正:特大』

 ━━━━━━━━━━━━━━━


「こいつらはそれぞれ、『気配隠蔽補正:特大』が付いてる。これを付けとけばバレることはないだろう」


「また......これは魔具以上、神器未満のアクセサリー達ですね......」


「そうなのか? 神器はあの指輪しか知らないからな。一般的に知られる神器の性能が見たいものだ」


「父様? 神器は一般的に知られていませんよ! それに神器というのは、それこそ幻獣やエルフなどの長命の種族、後は国の上層部くらいしか知りませんよ?」


「え? って事はフェルさんって上層部? ......ってあぁ、前に『王都1番の鍛冶師』って言ってたな」


「そういう事です」



 納得しましたよ。はい。



「っとまぁ、神器云々はここまでにして、この指輪達を付けて覗きに行くぞ!」


「わかりました。母様はどうするのですか?」


「ソルは行かないって言ってたからな、今回は2人で潜入だ」



 実は学校で聞いておいた。『ちょっとやりたいことがあるから一緒に行けない、ごめんね?』って言っていた。


『やりたいこと』ってなんだろう? 俺が手伝えることなら手伝いたいものだ。



「分かりました! 狩りと買い物以外で父様と2人きりで出かけるのは初めてですね!」



 確かに、そういえばそうだな。



「だな。楽しんで潜入しよう。......あ、もし見つかっても問題ないぞ。そのまま見学するだけだから」


「はい!」





 そして潜入ミッションが始まった。





「よし、森林だな。指輪付けてくぞ。俺とリルはテイム関係にあるから気配隠蔽は効かないから、それを頼りに見失わないでくれ」


「分かりました。ところで、見学対象の語り人の方達はどちらなのでしょう?」




 あっ




「知らないや......てへ」


「もう! なんでですか! この森、かなり広いんですから、虱潰しに探すのは無理ですよ!」


「うーん。やってしもうたなぁ」



 そういや、マップとフレンド機能を使って、マサキだけなら見つけられるんじゃないかな?



「もしかしたらマサキを見つけられるかもしれない」


「そう......ですか? なら、それを試しましょう。もしダメでしたら、指輪を使って全力疾走でボスの所まで走りましょう」


「だな」




 リルには『アンジェリカの指輪』渡してるから、AGIの値がとんでもない事になってるんだよなぁ。

 ......近いうちに『テイムモンスターにアクセサリー装備不可』とか修正されたら俺、泣くぞ。



 そう思いながらマップを開き、詳細項目でフレンドを探す。するとマサキが見つかった。



「あ、出た。見つけたぞ、マサキ」


「それは良かったです。早速向かいますか?」


「もちろん。80mくらいの距離を維持して見学しようか」


「はい! 行きましょう!」



 マサキとの距離はあんまり遠く無かったので、リルと手を繋いで歩いて行きました。...えぇ、ピクニック気分ですよ。



「お、いたいた」



 アルトム森林に入ってから2キロほど歩いた所に、マサキのいる攻略組がいた。



「人数は......13人ですか? 多いですね」


「ホントになぁ。ってかメンバー面白いな」



 マサキ達は多分、4パーティで攻略に行くみたいだが、そのメンツに見覚えがある。



 まず、マサキ達のパーティ。剣士、戦士、弓術士、魔法士のバランスのいいパーティだな。


 次に、『クロノス』君のパーティだ。正直に言って、クロノス君くらいしか知らない。

 え〜っと、クロノス君が剣士で......っていうかマサキのパーティと同じようなパーティだな。バランスタイプだ。


 そして3組目は、クロノス君と出会った時の、もう片方のパーティだな。

 こっちは全員女の子で、全員弓術士か? 後方支援に徹する感じかな?


 そして最後は1人、『今日犬子(こんにちわんこ)』君だ。

 彼、1人なのか。1人で戦えるほどに強いのか、単に仲間がいないのか分からないな。道中に戦闘が起きる事を祈ろう。



「バランスが良いようで悪いパーティだなぁ」


「ですね。森での戦闘なんですから、斥候役の人がいないのはあまり、よくありませんね。私が過去に行ったことがある森林ですと、モンスターが罠をはりますから、このパーティですと全員死にますね」



 何その森林、こっわ!



「ま、ちょこちょこと見させてもらおう」



 そして13人は少し話した後に歩き出した。方向は丁度、ボスの居そうな開けた場所へ向かってた。



「お、戦闘だな。犬子君は出るかな?」



 道中で戦闘が起きた。相手はオークだな。この人らのレベルを知らんが、オークはそこそこめんどくさい。



「犬子君キター!」



 犬子君が前に出てくれた。よしよし、君の獲物は何かな?剣?拳?弓?刀?それとも、鋼糸?



「あ、『魔剣術』か。なんだ」



 火属性魔法の魔剣術だった。彼の持っている剣が炎を纏っている。

 ......何気に初めて見るな、『魔剣術』は。


 そして犬子君はオークに一気に距離を詰め、オークの腕を切った。



「浅いな。火でダメージを上げてもアレでは足りない」


「ですね。精度はそこそこですが、威力が足りません。油断させるために敢えて力を抑えてる雰囲気でも無いですし、多分あれは全力でしょう」



 すっごい拍子抜けな感じだった。


 -----------------------------


「マサキ君!助けてくれ!僕では力が足りない!」


「任せろ!」


 -----------------------------


「あ、やっぱり。マサキ達大丈夫かな? オークを一撃で殺れなかったら、ボスはキツくないか? ......ボスがなんなのか知らんけど」


「......まぁ、彼らは人数は居ますから。力でダメでも連携さえ取れれば大丈夫でしょう」



 それもそうだ。

 俺は普段、1〜3人でしか動かないし、みんなバラけるから戦闘は確実に1人なんだよな。最近は誰かと共闘することが無い。だから連絡が分かんないや。


 -----------------------------

「犬子! オークの足切るぞ!」


「あぁ!」


 ザンッ! ザンッ!


 ザンッ! ザンッ!


「よし! 真白達! 後は頼むぞ!」


「「「「はい!」」」」


 -----------------------------


「連携は取れてそうだな。でも2撃で足1本か......足りなくね?」


「ですね。でもまぁ、彼達も理解していることでしょう。だからこその『魔剣術』や『魔弓術』なんでしょう」



『魔弓術』? っと思ってたら、『真白』と呼ばれていたプレイヤー達は、赤や青、緑や黄色と言った、色とりどりの矢を放ってた。



「あれが『魔弓術』か。綺麗だな。習得したらソルに見せてあげたいな」


「そうですね!」



 セクスタプルショットの1本ずつに別属性の魔法を使えたら、めちゃくちゃ綺麗になるんじゃないかな? ......出来るのか知らんけど。


 -----------------------------


「お疲れ様! やっぱりオークは面倒くさいね!」


「「「「お疲れ様です!」」」」


「お疲れ様〜次はガーディ達も出てくれよ? 前線2人はきちぃ」


「分かってるよ。今回は犬子さんが前に出たんだからいいだろ?」


「良くない! いくら犬子でも2人はきついの!」


『ははは!』


 -----------------------------


「なんかアイツら楽しそうだな」


「そうですね。かなり仲が良さそうです。良い信頼関係は良いチームワークを作る、とは言ったものですね」



 その言葉はどこで覚えたんだ? リル。




 それからも見学は続き、エリアボスのいる場所まで来た。


 -----------------------------

「じゃあ作戦立てるか! 犬子は案ある?」


「うーん、ないかな? だってボスについて何も分からないんでしょ?」


『ですね〜』

 -----------------------------


 え? こいつらモンスターリスト見てないのか?



「なぁリル、なんでこいつらボスの情報知らないんだ?」


「私には分かりません。ですが予想はできます。彼らは語り人です、語り人は独自の情報共有が出来るんでしたよね?ですからそこで情報を集めるのに集中して、現地人に何も聞かなかったんじゃないですか?」


「なるほどな。単純に情報収集能力が無かっただけか」


「はい」



 ......なんで現地人に聞かなかったんだ......ギルドならレイナさんとか、スパーダさんという、モンスターのスペシャリストがいるのに......


 -----------------------------

「じゃあガーディ達が前に出て受け止めて、その隙に後衛部隊と俺達魔剣士組が出るって感じでいいか?」


『はーい!』


『おう/うん!』


「よし、ならどんなモンスターが出てもいいように構えとこう。驚いて転んだらダメだぞ?」


「ははは! マサキ君、それは流石に無いでしょ〜」


「ま、それもそうだな。じゃあ、始めるか! 王都解放は目前だ!」


『おー!!!』

 -----------------------------



「始まるみたいだな。影から見守ろう。もし全滅レベルでダメージ受けてたら俺が出るよ」


「分かりました。なら私は父様の横にいるとします」


「はいは〜い」



 ちくしょう! リルはなんて可愛いやつなんだ!


 -----------------------------


「「来るぞ!」」


『『『『グルルルル!』』』』


「「マジ?」」


「盾部隊行くぞ!」


『おー!』

 -----------------------------


 マサキと犬子君が呆然としてるな。

 まぁ、気持ちは分からんでもない。目の前に体高1.8mくらいの狼が4匹も出てきたら、そりゃあ驚くだろう。


「リル、あいつら大丈夫だと思うか?」


「......微妙ですね。確実にわかるのは、力が足りない事でしょう。盾持ちの方が上手く注意を引き付けて、1匹ずつ倒すのが無難ですね」



 まぁ、そうだよな。そのための盾持ちだろうし。


 -----------------------------

「「「 ぐわぁぁ!!」」」


「大丈夫か!?」


「めっちゃ痛いっす! 逆になんでガーディさんは平気なんですか!」


「俺は......なんでだ?」


「おいガーディ前見ろ!」


『ガルル!』


「ふっ!」


「「えぇ〜」」


「なんだよお前ら!」


「いや、本当になんでそれ受け止められるんですか?」


「なんでって......あ! ルナさんから貰ったアクセサリーかも!」


『え?』


「確かに俺らは貰ってたな。とんでもない性能のやつ」


「そうだ! それの効果の『盾術補正』が馬鹿みたいに高いんだ! それで受け止められてるんだ!」

 -----------------------------



「ははは! リル、見たか? アクセサリーが役に立っているってさ! 嬉しいな!」


「はい! あの性能なら納得ですね!」



 確か、『盾術補正:大』と『VIT補正:大』、あとは『攻撃吸収:1%』だったかな?



「いや〜いいね! タルさんもこんな気持ちなのかな〜」



 アクセサリー屋を開いてみるのも面白そうだ。

 自分が作ったアクセサリーで喜んでくれるなら、こっちも嬉しい。


 -----------------------------

「とりあえずガーディがヘイト買って! もう1人は補佐で! 俺と黒の巣と犬子で1匹持つから、あと3匹頼む!」


『おう!』


「真白ちゃん達、魔弓術の準備いい? 僕達が一体抑えるからまず、その1匹を仕留めるよ!」


『はい!』


「行くぞ黒の巣! まずは足切るぞ! 犬子はタイミングズラして!」


「「分かった!」」


「「オラァ!」」



 ザンッ! ザンッ!



「行くよ!」



 ザンッ!


 ズババババババババ!!


『ガルゥ!』


「あと1回くらいで行けそうだな! 準備いいか?」


「「もちろん!」」


『はい!』


「黒の巣、次は目を突こう。ルナがフェンリル戦でやってた感じで行くぞ!」


「分かった!」


 -----------------------------


「あ〜あ。マサキ達気づいてねぇ」


「ですね。これは父様の出番が来るのでは?」


「だな。剣と弓と魔法、どれがいいかな〜」




 そう、マサキ達は気づいていない。『ガーディじゃない方』の盾持ちが倒されていることに。




「よし、拳でいこう」



 魔剣は見せたくないし、他の剣は強化してから使いたい。弓は論外だ。耐久値がマッハで消えてく。そうすると後は魔法か拳な訳だが、俺の魔法は『属性系統外魔法』の『木魔法』だからな。見せたくない。


 って事で、最後に残った拳君だな。


 -----------------------------


「よし、1匹終わった!」


「「次!...え」」


『え!?』


「すまんそっち行った!」


『『『ガルルルルル!』』』


「ガーディ! なんで!? もう1人の盾持ちは!?」


「死んだ! 俺だけアクセサリーで耐えてるんだよ!これでも2分は持たせた!」


「マジか......犬子、黒の巣、やれるか?」


「僕はキツいなぁ......どうする? 逃げる?」


「俺も正直不安ですね。援軍とかいません?」


「黒の巣君、それは難しいね。ここに来れるのは森林を踏破しなきゃだから、そんな人は攻略組しかいないし、攻略組はこのメンツ以外は今日は無理でしょ?」


「そう......ですよね。じゃあ、逃げます? フレンドに負けたメールだけでも送ろうかな......」


「メールか......あ!」

 -----------------------------



「マサキが気づきそうだな。行くぞ、リル」


「はい!」



 -----------------------------


「お呼びですかな? マサキ君」


『え!?』



 マサキ達に近づいてから指輪を外したので、急に現れたと思うだろう。『気配隠蔽』しゅごい。



「ちょっと待ってな。とりあえず犬を片付ける。あ、犬子(わんこ)君じゃないぞ?」



 そう言ってから『フォレストウルフ』2体に拳を向ける。



「リル、片方いる?」


「大丈夫です。父様がやっつけちゃって下さい」


「あいよ〜」



 リルのSTRには遠く及ばないが、『真・ギュゲースの指輪』のお陰でSTRが爆上がりだ。



「オ゛ラァ!」



 ドゴォ!


『グルゥ......』



「よし、ワンパンだな。フェンリルとは比にならん弱さだ。じゃあ、次行くぞ?」



 ドゴォ!



『ギャン!』



 フォレストウルフがぶっ飛んで行ったが、耐えた。



「ありゃ? 倒せてないじゃん。ってことはさっきのは手負いか......マサキ達! 横取りしてごめんなさいパーンチ!」



 必殺、『ごめんなさいパンチ(キック)』を2体目にぶつけた。


 ドガァ!



『キックじゃん!』


『グルゥ......』



 2体目のフォレストウルフもポリゴンになった。



「よし、リル。撤退するか見守るか、どうする?」


「残り一体だけですし、見守りましょう」


「分かった。って事でマサキ! クロノス君! 犬子君! 頑張れ! 乱入してごめんな?」


「「「あ、はい」」」


『ガルルルルル!』


「おすわり! 父様がお話し中です!」


『キャーン!』


「「「「え?」」」」



 リルが『おすわり』と言った瞬間に、フォレストウルフがおすわりした。


 フェンリルだから......だよな。よし、ありのままを受け入れよう。



「さ、父様、お話は済みましたか?」


「いや、まだだな。それで、3人はどうするんだ? ガーディ君は今回復中みたいだし、時間なら稼いでやろうか?」


「ルナ、お前が今稼いでるんだよ」



「ホントだ! ははは! マサキは上手いこと言うな! ......はぁ。で、どうするんだ? 前衛4人と後衛8人で一体殺れるだろ?」



 ちょっと俺のテンションがおかしい。



「そ、そりゃあ、なぁ? 黒の巣、犬子」


「そ、そうだね。頑張ろうか」


「は、はい!」


「ん。じゃあ後衛の近くで見守ってるから頑張れ。リル、行くぞ。」


「はい、父様!」



 俺達は手を繋いで後ろの方に行く。見学会だ。



「あ、フォレストウルフのおすわりは解かなくていいのか?」


「忘れてました! では解きますね! 『よし!』」


『ガルゥ!』


「「「おわぁ!」」」


「あ......まぁ、大丈夫だろう」



 3人がフォレストウルフ体当たりを食らってたが、生きてることを祈ろう。



「やぁ、ガーディ君。アクセサリーが役に立ったようで良かったよ」


「ルナさん......マジでルナさんなんですね」


「俺以外にも銀髪のやつはいるからな、もしかしたら別人かもしれんぞ?」


「ははっ、もし別人なら、アクセサリーの事は知らないはずですよ。誰にも言ってませんでしたから」


「そうなのか。そりゃ1本取られたな。んで、大丈夫か?回復ポーションならやるぞ」


「いえ、黒の巣さんの所の『ヒポポタマ巣』さんが聖属性持ちなんで、大丈夫です」



 あ? 『ヒポポタマ巣』だと?



「どいつだ?その名前のやつは。掲示板で俺の事を『銀髪パパさん』と呼んだやつだよな? 戦って教えてやりたいぞ。パパさんの強さを」


「はっはっはー! それならさっきので十分見たから必要ないのだー!」



 なんか出てきた。茶髪にオレンジの目の女の子だ。



「君が『ヒポポタマ巣』か」


「そうだよ! ルナさんよろしくね?」


「はいはいよろしく。ってかあの時いたよな? 全然気配感じなかったんだけど」


「うっ......ルナさん、それは私の傷をえぐる...」


「あ......そうか。それはすまんな」


「なんですかその『あ...』は! 余計に傷つきますよ! 責任取ってください!」


「嫌だ。取るとしてもソルの責任しか取らんからな」



 なんか自爆した気がするぞ〜


 大丈夫かな? 俺。......うん、大丈夫じゃないな、俺。そろそろちゃんと考えてから発言しよう。



「えっ......ルナさんはソルさんとそんな関係なんですか!?」


「いや、違う。」


「そうですよ、タマ巣さん。リルちゃんがいる時点で察してください。もっと先の関係です」



 あぁ......そういえばそんな事言ったんだっけ......なんか余計に話がややこしくなってきたな。暫くしたら真実を話さないとな。



「あの〜いいですか? そろそろ前衛がボスの足を切るんですけど......」



 真っ白な髪の毛の子がこっち向かって言ってきた。



「おっと、すまんな。じゃあ俺とリルは近くにいるから、そっちは頑張れ。ガーディ君は早めに戻ってあげないとあいつら死ぬぞ」


「は、はいぃ! 直ぐに!」




 そうしてガーディ君が前線に戻り、上手くヘイトを買って援護してる。


「ガーディ君上手いな〜」


「ですね。彼は戦士としてかなり有能ですね。」




 さぁ、そろそろ後衛部隊の準備が整うかな?


 すると、フォレストウルフの足を切ったタイミングでマサキが叫んだ。



「今だ!」



 ズババババババ!!



「「お〜」」



 近くで見るとかなり綺麗だな。魔法と魔法を纏った矢は本当に綺麗だ。



『ギャン! グルゥ...』


「「「「倒した!」」」」


 ━━━━━━━━━━━━━━━

『アルトム森林』エリアボス『フォレストウルフ』がプレイヤー『マサキ』『ガーディ』『イリス』『ルヴィ』『黒の巣』『ヒポポタマ巣』『アルテミ巣』『真白』『茜』『蒼』『翠』『今日犬子』『ルナ』によって討伐されました。


 エリアボス討伐により、『王都ロークス』が解放されました。

 ━━━━━━━━━━━━━━━



「長いな。そして盾2人しかいないのはダメだな。っていうか『クロノス』じゃなくて『黒の巣』だったんだな。一気にカッコ悪く見える」


「父様の言う通りですね。女の子達が皆後衛なのはよろしくないです」



 そうリルと話していたら犬子君が来た。



「初めまして、ルナさん。僕は今日犬子(こんにちわんこ)と言います。援軍、感謝します」


「ご丁寧にどうも。ルナです。横取りしてごめんなさい」


「そんな! 横取りだなんて思ってる人はいませんよ。黒の巣君達にレベリングのアドバイスをしたのでしょう? それを聞いて、時間をかけてレベリングをしなかった僕達が悪いです」


「そうですか。でも忠告通りにレベリングしたならレベル25はあるはずなんだがなぁ。それなら誰も死ななかっただろうに......」



 そう話してたら問題の黒の巣君が来た。



「いや〜パーティ組んでたら経験値が分散するの忘れてまして、全員が緩やかに上がったんですよ。それで今、22レベなんです」


「あ〜!! なるほど。パーティ組んだら経験値は分散するんだな、知らなかった」


『え?』



 なんか全員に振り向かれた。



「え?」


「ルナ、マジで知らなかったのか?」


「あぁ。パーティ組んでちゃんと戦闘したのって、マサキ達にレクチャーした時と、ソルと一緒に『弓術』取った時だけだからな」


「え? それじゃあリルちゃんとパーティ組んで戦わないんですか?」

 


 ガーディ君、君の質問には完璧な回答はできない。そもそもリルはテイムモンスターだから分散しないんだろう。ここは上手いこと乗り切ろう。



「そうだな。戦闘に入る前にパーティは解散している。視界に名前が出るの、鬱陶しいだろ? だから戦闘前に解散してるんだよ」


『なるほど』



「じゃ、俺達帰るわ。今日は王都解放を見届けに来ただけだから。素材も置いてく、要らんからな」



 そう言ってリザルトを確認せずにアイテムをぽいぽい出した。毛皮とか爪とかがあるな。



「じゃ〜な〜」


「ま、待ってください!」


「どうしたんだ? ヒポポポポポポタマ巣さん」


「『ポ』が多い! ってそうじゃなくて、本当にいいんですか? この素材達、売れば2万Lはすると思いますよ?」



 あ〜なるほどね。お金の心配ね。



「要らないよ。金なら森林の狩りで数十万稼げるし、俺が作ったアクセサリーを売れば、1つ数万から数百万はするだろうしな。だからそっちで分けてくれ」

 

『え......』




 アクセサリーの値段については知りません。適度に言いました。

 ......今度タルさんに聞いてみよう。適当な魔具を持ってこっと。




「じゃあ、みんなお疲れさん。頑張ってレベリングしろよ〜、王都の武術大会で戦おうな〜」


『は、はい』


「よしリル、全力ダッシュで帰ろう」


「分かりました!」



 俺は『真・ギュゲースの指輪』を付ける。

 リルは普通に力を入れるだけだな。



「じゃあ、『よーいドン』で行くぞ」


「はい!」




「よーい」


「ドン!」

 



 ズバァァァァァァン!!



「おわぁぁあ!」




 リルの風圧に思いっきりぶっ飛ばされた。



「し......死ぬ......」



 フェンリル戦の体当たりより痛いっす。HPが12しかない。


 嘘やろ?あれからレベルが上がってんのにこんだけ食らうとか、リルはどんなスピードで走ってんだよ。後ろの攻略組見てみろよ。顎外れてるぞ。



「......ふぅ。ポーションは美味くも不味くもない」




 俺はポーションを飲み、そう呟いてから走った。


リルさん、フルパワーで走るとソニックブームが発生する模様。こっわ。


次回はステルスミッション(笑)から帰ってきて、土曜日の直前までいけたらいいですね!


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