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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第1章 語り人 ルナ
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始まりの街イニティ 2

 



 レイナさんに教えてもらった武器屋に来た。


 外から見た印象はいかにも『武器屋』って感じのお店だった。外には多分、失敗作や誰かのお古の剣や弓、槍とかが置いてあった。とりあえず、入りますか。



「こんにちはー!」


「おう、いらっしゃい!」



 店のカウンターから茶髪に茶色の瞳をしたオッチャンが俺の挨拶に返してくれた。



「ここが『フェル』さんの武器屋で合ってますか? レイナさんに教えてもらったんですけど」


「合ってるぜ。俺が『フェル』だ。よろしくな!」


「俺はルナです。これからよろしくお願いします!」


「もちろん! 今日はどんな用で来たんだ?」


「今日はどんな武器が置いてあるかを見るのと、フェルさんと友達になりに来ました!」



 

 それから少し、世間話をした。




 そして思った。



 うん。この人には正直に話した方がいい気がする。


 だってさ、めちゃくちゃ優しいのよ!『武器に関して分からないことがあったらいつでも聞きに来い、俺の持ってる知識全てを使って教えてやる。』なんて言われたら信用しちゃうよ。あ、友達にはなれたよ。嬉しいね。


 それから置いてある武器を見てみるとパネルが出てきた。


 ━━━━━━━━━━━━━━━

(鉄製)

 アイアンソード 500L

 アイアンダガー 350L

 アイアンランス 500L

 アイアンナックルガード 350L

 大盾 850 L


(木製)

 弓 400L

 矢 5L

 小盾 350L

 

(特殊)

 刀 1500L

 鋼糸 1200L

 ━━━━━━━━━━━━━━━

 と、書いてあった。ちなみに『L(リテ)』と言うのはお金の単位のことだ。


 あ、パネルは非表示にも出来るのね。まぁ、フェルさんの店ならパネル無しでそのまま聞いて交流を深めようか。



「フェルさん、この『特殊』ってなんですか?」


「あぁ、それは今の俺じゃ作れない物だ。刀は王都にいる知り合いの職人にここで売れるか知りたいって言われてな。そんでもって、鋼糸の方は服屋の子が作ったもんだ。細く、鋭く、丈夫だからな。武器として置いて欲しいと言われたから置いているんだ」



 なるほど。そういう訳か。王都に行ったら刀が出回ってるって認識でいいのかな?

 それと鋼糸はかなり気になるな。服屋がこれを作れるって実は知られてない可能性があるよな......いや、ないか。


 他の語り人も知ってる気がする。



「フェルさん、オーダーメイドで作ってもらうことって出来ますか?」


「ん? 出来るぞ。最近はオーダーメイドの依頼は来ないし、ルナの武器なら作らせてもらうぞ」



 マジか!嬉しい事を平気で言うなこの人。もう武器は全部フェルさんに作ってもらおうかな。作れる分だけだけど。



「では何か素材とお金が集まったらお願いしますね!」



 俺がそう言ったらフェルさんが、



「金はいらないぞ。素材だけでいい。お前は多分、レアな素材を持ってくると思うからな。授業料ということでいらない。これは今までにも何人か感じたんだがルナも同じ雰囲気がする」


「いいんですか? 俺としては凄く有難いんですが......レアな素材が手に入るかは分かりませんよ? 本当にいいんですか?」


「あぁ、もちろんだ。男に二言はねぇ」



 正直に言ってめちゃくちゃ助かる。所持金は広場に着いた時に貰った5000Lだけだからな。最初のうちは節約したい。




 そこから少し武器について話した後、レイナさんに教えてもらった防具屋に来た。



「こんにちはー!」


「いらっしゃ〜い」



 のほほんとした雰囲気の声が帰ってきた。



「こんにちは、俺はルナといいます。今日は防具を見に来ました」


「ルナ君ね、分かったわ。私はアウルよ。ここの販売員をしているの」



 そういったのは金髪のお姉さん。アウルさんだった。



「よろしくお願いします。アウルさん。ここにはライトアーマーはありますか?できる限り動きやすいのが良いです」


「もちろんあるわよ〜。この『インフィルボア』の革を使った物なんてどうかしら?」



 そう言って持ってこられた防具は何とも言えない見た目だった。カッコよすぎず、ダサすぎない。普通という言葉がピッタリなライトアーマーだった。



「これはいくらですか?買いたいです」


「コレは1000Lだけど、最近はみんな、ヘビーアーマーを買ってくから売れないのよ。だからコレは800Lでいいわよ〜」


「ありがとうございます。はい、800Lです。

 それと、何か防具に使える素材を入手できるモンスターとかいませんか?先程の話に出てた『インフィルボア』とかについて知りたいです」



 少しでもモンスターの情報が欲しい。今日は探索だけだけど、明日から戦闘をしたいのだ。そのためにも少しでもモンスターについての情報が欲しい。何があるか、分からないからね。



「いいわよ〜。インフィルボアはね、イニティの街を出たら広がっている『インフィル草原』で出現するモンスターなの。基本は突進攻撃しかして来ないけど、かなり早いから気をつけてね。突進を食らっても死にはしないと思うけど、かなり痛いから、避ける事をオススメするよ〜」



 なるほど、そのまんまイノシシって感じか。突進には気をつけるとしよう。



「ありがとうございます。インフィルボアの素材を入手したらここに持ってきても良いですか?」


「あらあら、いいの〜?それならお願いするわね〜。でも、どうして冒険者ギルドじゃなくてうちに持ってきてくれるの〜?」



 そう、普通は冒険者ギルドで素材の買取が出来るんだが、それではここに来る回数が減ってしまう。それではこの先の友達にはなれないではないか!


 ということで、ここに来る回数を増やすためというのと、『防具の作り方』を教わるためにここに持ってくるのだ。作ってみたいんだ、オリジナルの防具を。



「防具の作り方を教えて欲しいんです。防具を作るには当然、素材は必要でしょう?それをギルドに売ってからまた買う、なんて面倒じゃないですか。それならここに直接持ってきて、防具の作り方を教えて欲しいんですよ」


「本当にいいの?ギルドより安くなるわよ?それでもいいなら構わないわよ。防具を作っているのは私の兄の『ペリル』なんだけど、今のことは伝えておくわ」



 買取に関しては気にしない事にした。それはそれとして、防具はお兄さんが作っていたのか。

 まぁそうか、よく思い出してみればアウルさんは『販売員』と言っていたな。 これからは相手の言動にも注意してみようかな。



「ありがとうございます。買取に関してはそれで良いです! 今日のところはこれで失礼します。また来ますね!」


「うん。ありがと〜。頑張って防具作れるように祈っとくね〜」




 そして俺は次に向かう店、服屋に来た。

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