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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第3章 弟子と王都
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ドキドキの平日

平日ってのは...容易に人を苦しめるもんだ...

 



 月曜日の朝7時──



 ピピピ! ピピピ! ピピピ!



「んぁ」



 朝か......起きなきゃな。あ〜どうしよ。陽菜とどうやって会話しよう。



「とりあえず......カーテン」



 俺はそう言ってカーテンを全開にした。



「うん! 眩しい!」



 一瞬で閉じたわ。よくある、『う〜ん、いい朝』なんて出来ねぇわ。目が死ぬ。



「さ、さっさと用意しないと」



 寝る前に用意してある制服に着替えて、キッチンへ行く。



「あ、ご飯ない。パンでいっか」



 昨日のうちに炊いておくのを忘れていたぜ!


 そうして俺はパンにバターを塗り、トースターへぶち込む。タイマーを4分に設定して、紅茶を淹れる。俺はコーヒーより紅茶派なのだ。


 お湯を沸かし、カップに注ぐ。ティーバッグから紅茶を抽出する。大きい葉だから、丁度パンが焼けたら取り出すとしよう。


 チン!



「でっきった!」



 何気ない朝ごはんも、いつもの紅茶も、少し視点を変えるだけで楽しく感じる。


 月曜日の朝に負けないくらいの、大きな問題があるからな。嫌でも視点が変わってしまう。


 俺はカップからティーバッグを取り出し、トースターからお皿にパンを移す。



「ふぅ、どうやって陽菜と話そう」



 なんか、ドキドキして頭が回らないんだよな。

 考えていた事が飛びそうな、目の前でいっぱいいっぱいになると思う。



「ありのまま......か」



 師匠にも、キアラさんにも、色んな人に言われた。『ありのままの君でいろ』......これは自分という人間を、より深く見ようとすればするほど見失っていくものだ。



「考えよう」



 椅子に座り、パンを齧り、紅茶を飲む。今日は少し、ゆっくりめに行こう。学校から距離はそんなに離れてないし、問題ない。



 それより考えないと。陽菜とどう話そうか。






「うん、無理。なんも考えないでいいや」






 俺は考えることをやめた──


 それが、『ありのまま』だろう。常識をもって話せば問題ない。後の話題は勝手に出てくる。



 そして朝食を終えると、洗面所に行き、歯を磨いて顔を洗い、準備完了だ。鞄を持って、学校へ行く。




 歩くこと10分。学校に着いた。スマホを見る感じ、まだ7時50分のようだ。



「うぃ〜」



 そう言ってから教室に入り、自分の席に座る。



「おはよう! 月斗君」


「おはよう、陽菜」



 例のお方の登場だ。大丈夫、緊張していない。自然体だ、呼吸を整えて相手に合わす。


 ......ダメだ。緊張してきた。



「どうしたの?」


「いや、なんか緊張してな。陽菜と2人でどこかへ行くなんて、あまりしたこと無かっただろ?」



 嘘は言ってない。っていうか、全部本当だ。



「そうだね、どこに行く?」


「うーん。買い物......と言ってもなぁ。適当に広い公園とかをぶらぶらしないか?」


「ふふっ、それもいいね!」



 正直、陽菜といれば楽しいからどこでもいい。公園でも、デパートでも、どこでも楽しめる。



「じゃあ、土曜日は公園に行こう。どこで待ち合わせる?」


「時間だけ決めて、私が月斗君の家に行こうか?」



 おっふ。中々にハードなことを言ってくれる。だが、乗るぞ。



「分かった。なら朝9時くらいにするか?」


「うん! じゃあ、土曜日の朝9時に月斗君の家に行くね!」


「あぁ。楽しみだ」



 そうして土曜日の話しに一旦区切りが着いたところで、正樹が教室に入った。



「おはよー」


「「おはよう」」


「おう、おはようお二人さん」


「正樹、あのアクセサリー達って役に立ってるか?」


「あぁ、あれな。やばいぞ」



 え? 何か不備でもあったのかな。



「やばい。あれ無しじゃ生きれなくなったわ」



 あ、そっちね。それは俺も思う。我ながらとんでもない代物を作ったもんだ。



「月斗君の作ったアレ、ほんとに凄い効果だったよね。ワールドアナウンスにあった神器はどうなの?」


「それは......すまんが、おいそれと言える効果じゃないんだ。それに、あの神器は陽菜専用だから、俺や正樹が付けても効果ないしな......」



 なんか口滑った気がする。



「「専用?」」


「あっ」



 やっぱり。まぁ、専用装備くらいはいいかな?



「いや、な。俺が陽菜の事を考えて作っていたら、専用装備になったんだよ。それに、あの神器はマジでやばい。どうヤバいかは言えん。最悪、俺が全プレイヤーから襲われるかもしれんからな」



『ソルのステータスが144倍です☆』なんて言える訳がない。



「ま、陽菜に渡すからその時に、陽菜が効果を言ってもいいと言ったら俺も言うよ」


「それ程の物なの?」


「あぁ。リル情報だと、過去に見た神器の数倍は強いとのこと。そんでもって、そもそも神器を知らない俺からすれば、『チートアイテム』とも言えるくらいの効果だ」


「月斗はなんつーもんを作ってんだか。......あ、そうだ。リアルの金曜日に、アルトム森林のボス攻略があるぞ。月斗も来るか?」



 有難いお誘いだが、指輪を渡していないから行かない。



「すまんが行けん。確かフォレストウルフだったか? 多分リルパンチで終わるから、俺が行ったとしてもつまんないだろうからな」



 ......それに、戦闘のバリエーションを増やさないと、運営が困りそうだしな。



「そういえば月斗君のフォレストウルフ戦は動画になるんだっけ?」


「そそ。流石に剣と弓と拳と魔法じゃつまらないだろう? 俺としちゃあ、刀を使いたい所だ」


「いいねぇ、刀。月斗君の剣術は好きだなぁ」


「ん? 月斗は刀を扱えるのか?」


「「うん」」



 何故か陽菜も答えた。



「まぁ、道場に通っていたからな」


「それでも、だよ! いい? 田中君。月斗君の刀の扱いはすごく綺麗なの。真っ直ぐでいて、早い。それに的確に相手の弱点を突く、パワーもスピードも精度もとんでもなく高いんだよ!」


「それは買いかぶりすぎだろう」


「そんな事ないもん! 師匠が言ってたんだもん」


「え......? 嘘やろ? いつあの人が?」



 関西弁が帰ってきてしまうレベルでびっくりした。



「月斗君は知らないはずだよ。高校受験が終わった後に聞いた話だから」


「そりゃ知らんわ。辞めたあとはずっと勉強してたからな」


「んー......細かいことは知らんが、とにかく月斗の刀使いが綺麗ってことなんだな」


「そうだよ!」



 嬉しいな。そんなふうに言って貰えて。







 そして、始業のチャイムが鳴った。

次回は金曜日の生放送について、ですかね!

刀を扱わせる道場...


早く王都に行かせたいです!とりあえずリアルのあれこれが終わらないと弟子卒業も出来ないですからね...


ではでは次回、『アナウンスと金曜日』ですね!

どれだけ文字数が増えようとこの話は書くとしましょう。



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作者Twitter

https://twitter.com/yuzuame_narou


くだらないことやユアストのあれこれ(ネタバレ有)を呟いてます!

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