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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第3章 弟子と王都
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弟子の日々 前編 失敗と成功

え?迷走してないか、ですって?

HAHAHA!!!それはいつもの事ですよ。

今回は前編ですし、短めです。酷いですね。

 


 タルさんから道具を買って、フェルさんの店に戻ってきた。



「フェルさん、鍛冶の合間にアクセサリー作っていいですか?」


「いいぞ〜。ってかよくやるなぁ。鍛冶だけでも大変だろうに、そこにアクセサリー作りを足すなんて」


「えぇ。覚悟を決める為の下準備です。じゃあ、アイアンソード打ってきます」


「おう!」



 そうして鍛冶場に入る......前に、聞きたいことを思い出した。



「あ、フェルさん! 今まで打ったアイアンソードはインゴットに変えられすか?」


「出来るぞ。2本で1つのインゴットになると思う」


「分かりました。ありがとうございます」



 そうして今度こそ、鍛冶場に入った。



「じゃあリル、ドロップ品貰ってもいいか?」


「はい! ここに出しますね!」



 リルは元々フェルさんから貰った『錆び付いた剣』の入った箱に、今回のおつかいの戦利品を入れる。



 ガチャガチャガチャガチャ!


 ガチャガチャガチャガチャ!



 え? どれだけ取ってきたんだ?



「リ、リル? 何個持ってきたのかな?」


「1200個程です! AGI全開で森林を駆け回りました!」



 やっば。マジかよこの子、最高かよ。可愛くて強くて、もうリルがこの世の全てだ。うん。



「よくやったな〜リル〜!」



 ドロップ品を出し終えたリルを撫で回す。



「あ、ありがとうございます〜」


「よ〜しよし、いい子だ〜。ありがとうな〜」



 5分程撫でたら、鍛冶に切り替える。



「じゃ、溶かすか」


「はい! 頑張ってください!」



 またあの作業だ。今日(雷の曜日)はもう鍛冶だけでいいかな。ソルが帰ってきたら、一旦ログアウトして現実の様子見だ。そこで軽食を食べてからまたやろうっと。





 そして作業が進み、何回目か分からないインゴットをアイアンソードにする作業の時―



「薪が......無い」


「取って来ましょうか?」


「リルはマネーレトレントと戦えるか?」


「マネーレトレント? 分かりません」


「あぁ〜っとだな、森林に入る前の空間に出るんだが......もしかしてリル1人じゃ戦えないのかも」


「そうなのですか?」


「多分、な。よし、なら薪集めは明日にして、今日はアクセサリーを作るか。いっぱい作ってたらそのうちソルも帰ってくるだろ」


「そうですね!」


「ではでは、鍛冶から金細工にチェーンジ!」



 そうして俺は、溶かそうとしていたインゴットを回収し、火を消す。炉の火はもう使わないからな、消さないと。消し忘れて火事になったら怖い。



 そうして鍛冶場の机の上でアクセサリーを作る。



「う〜ん、もうちょい真鍮貰っとけば良かったかな?」



 なんか作ってるうちに、真鍮が足りなくなる気がした。確か真鍮は銅と亜鉛の合金だよな......銅は見た事ないし、亜鉛はもっと見た事ない。これ、どっかで鉱山エリアの場所聞くか。『キラー』系の称号取れるまでやったらドロップ率も上がるし、頑張ろうかな。



「ってか鉱石はドロップなのか?」


「どうしたんですか?」


「いやな、鉄はこうしてゴブリンからドロップしている訳だが、他の金属はどうなのかと思ってな。(銅だけに)」


「どうなんでしょうね? 私には分かりません」



 あらま〜首を傾げちゃって可愛い。

 さ、こういうのはフェルさんに聞こうか。これから毎日作るんだから、素材不足はかなり怖い。





「フェルさ〜ん、ちょっといいですか?」


「おう、どうした?」


「この近くに鉱山とかあります? それと鉱石はモンスターのドロップ品ですか?」


「ある、と言えばあるが、王都経由じゃないと入れないな。それと鉱石は採掘だな。『鍛冶』スキルがあればポイントが分かるから、そこをハンマーやツルハシで砕けば採れるぞ」


「そうなんですね! ありがとうございます」


「おうよ! 鍛冶関係で気になることはなんでも聞いてくれ」


「はい!」



 そうして鍛冶場に戻ってきた俺は考える。




 真鍮はとりあえずインゴット10個までは練習に使おう。残り10個は本番で使う。『鍛冶』も『付与』も『金細工』も全開でやる。


 それまでは他の真鍮と鉄でアクセサリーを作ろう。ブレスレットや指輪なら、俺でも作れると思う。......あ、ヤスリがない。どうしよ、なくても良いかな?いや、ダメだな。



 困った時の――



「フェルさ〜ん! ヤスリってありますか?」


「ヤスリ? あるぞ。荒いのから細かいのまで、ほれ」



 そう言ってフェルさんはヤスリを7本ほど貸してくれた。



「ありがとうございます! 薪の数を考えて、今日はアクセサリー作りに本気出すんですよ!」


「おう! 頑張れ!」



 フェルさんからエールを貰い、鍛冶場に戻る。



「よし、リル。俺は輪っかを沢山作るぞ!」


「はい! 頑張ってください!」



 そうして鉄のインゴットを魔道具で熱し、叩いて伸ばす。そしてできた板を型抜きで円板にする。のだが、何とこの型、魔力で大きさまで変えられるのだ。とんでもない便利品だ。


 円板から内側をくり抜き、輪っかを作る。そして思う。



「うん、ミスったね。棒にして叩いて丸めないとダメだろ」



 これだと板にした時の薄さしか出来ない。

 ま、とりあえず作った分は全部作ろう。




 そうして失敗や成功を繰り返して、色んな事に気づいた。


 例えば真鍮のアクセサリーはステータスアップ系の効果が付きやすい、とか。鉄系のアクセサリーは戦闘系固有の補正が付きやすい、とかな。


 そして色んなアクセサリーを作って夕方になると、ソルが帰ってきた。



「ただいま!」


「おかえり〜」


「おかえりなさい! 母様」


「あ、俺明日マネーレトレント狩りに行ってくる。魔剣も使ってみたい」


「分かった! 今日はどうする?」


「俺は宿で一旦ログアウトだな。リアルで母親が来てたんだよ、今日」


「え、本当に? いいな〜ルナ君の家に行ってみたいな〜」


「知ってるんだろ? 来たけりゃ来たらいい。いつでも歓迎するぞ〜」


「うん! 今度行くね! なら私も今日はログアウトしようかな。14時だけど、ご飯食べてないや」


「だな。俺も軽食を作らねば」





 こうして弟子生活の一日目が終わった。





弟子の朝は早い...

あ、それと魔道具ちゃんで熱しても鉄は喜びません。

人に例えるなら、そうですね。お湯をぶっかけられるのと温泉に浸かるぐらいの違いです。


次回、『弟子の日々 中編 黒の巣君との出会い』です!

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