生放送出演 2
危なかったです。後書きを前書きの方に書くところでした。
書き方を少し変えてみました!あと、少し長いです。すみません。誤字脱字等ありましたら報告お願い致します。
楽しんでくださいね!
2020 12 31 やっぱり書き方を戻しました。
生放送10分前――
「あの〜今更ですけど生放送中ってどんな言葉遣いや姿勢で居たらいいんですか?」
数時間も雑談や質問をしてたのに、肝心なことを聞き忘れてた。
「ふっふっふ〜! ありのままのルナくんでいいのさ!」
「そうですね、自然体......というか、放送とか気にせず、さっきまでと同じような感じでいいと思いますよ。何分、僕達も生放送をしたのは前回が初めてですので」
「気合いを入れて、呼吸を落ち着けるのが良いかもしれんな」
なるほど、分からん。
とりあえずさっきまでと同じ感じでいこうか。失言とかしたら首切って広場に戻ろう。
「おい、ルナ氏。今『失言したら死のう』とか思ってなかったか?」
なんなんだこの人!?
「なぜ......分かったんですか」
「そんなの話してたら分かる。......あのな、俺たちとしては失言でも無礼でも何でもしてくれていい。ルナ氏は俺達のゲームを遊んでくれる大切なユーザーでもあり、何よりもファンなんだ。そんな人に無礼でもされてみろ、寧ろ感謝するぞ」
「えっ気持ち悪いです。流石に注意してください」
あまりにもびっくりして素が出たわ。
「そうそう! それでいいんだよ! 素でいてくれる方が私達も見てくれる人もいいよ。変に台本とか考えたら固くなっちゃうからね。この放送も、君という物語の1ページなんだから、ありのままじゃないと」
キアラさん......平気で結構言いづらい事を言うね。
「分かりました。実践するのは難しいですが、やるだけやってみます」
「うんうん! それで、最後の確認だけど、話す内容はフェンリルの事とフェンリル戦のみ。後はフリートークって感じで行くからね! なんか話題があったら皆、よろしく!」
「「はい!」」
「おう!」
そうして確認が終わり、放送が始まる。
「はろはろ〜! 皆、元気かな〜! キアラちゃんだよ〜! 今回はYour storyの第2回公式生放送だぞっ! 今日はスペシャルゲストやワールドアナウンスのあったアレコレに迫っていくよ!」
キアラさんの言葉で始まった。
「じゃ、まずは自己紹介行ってみよ〜! 私の隣から!」
今、三日月形のテーブルにある椅子に座っている。キアラさんの横はレイジさん、そしてカズキさん、最後は俺の順番で自己紹介だな。
......うん。自己紹介の内容考えてないわ。とりあえず語り人である事、ボス倒したり色々した事でもいいかな?
「レイジです。武器を考えてます」
「カズキだ。称号を考えている。あとモンスターもな」
あ、俺の番だ。
「ルナです。語り人でワールドアナウンス流されてます」
ええんやない? 簡潔に俺の事を紹介できたぞ。
「というメンバーでやっていくよ! 皆も分かると思うけど、今回はルナくんがスペシャルゲストだ!」
「「わ〜」」
ぱちぱちぱち〜と拍手された。答え方、知らねぇよ。
「どうも」
一礼で良かろ? これが俺だ、素の俺なんだ。きっと。
「じゃあまず、何から話そうか! 幻獣について? それとも幻獣戦の映像?」
どっちの話も結構なボリュームがある。幻獣は多分、出現するタイミングとか、特性とかだろう。幻獣戦は俺とリルとの戦闘だしな。あの数十分はとんでもない濃さだろう。
「幻獣についてでいいんじゃないか?」
「「うんうん」」
俺とレイジさんは全く同じ反応だ。
「そうだね! 2人も同意してるし、まずは幻獣について詳しく説明しよう!」
そう言ってからキアラさんが指を鳴らす。すると第1回の時のような黒板が後ろに出てきた。
「じゃあまず、『幻獣とは』何か、から。
それは、神に近しいモンスター。圧倒的な力をもち、人間と同等以上の頭脳を持つ存在。これはいいかな?」
「はい先生、質問です」
俺は手を挙げた。
「なんだいルナくん。答えてあげよう」
「では、神とは何ですか?」
これは気になる。運営なのか、それとも別に存在しているのか。
「予想してたけど結構難しい質問来ちゃった!
ではお答えしよう、『神』とは私達運営とは違う存在。この世界にはあらゆる神がいる。付喪神や太陽神、他にも色々とね」
「そしてそれらに近い存在なのが、『幻獣』なんだ。 本当に! 本当に! リアルで数ヶ月は倒される事は無いと思ってたの!」
「あはは、ありがとうございます」
「うむうむ。そんな幻獣との戦闘シーンは後で見せるからね! もう、超カッコイイんだから! 殆ど編集してないよ!」
そうなのか。そうなのか......独り言とかまた全部入ってるってことだよな............
「ではでは話を戻して、『幻獣との出会い方』にでも行こうかな! 幻獣はそれぞれ、その幻獣に適した場所にいるよ! 今回の『フェンリル』なら、『月の映る池』だからね!」
やっぱりか。フェルさんも確信してたもんな。
「じゃあ最後に『幻獣のレベル』について、かな! 今回ルナくんが戦った『フェンリル』のレベルは『150』だよ! これで、皆は容易に勝てる存在じゃないと分かってくれるかな?......1人、勝った人がいるけどね......」
ちょい待ちぃ!
「全然容易じゃなかったですよ。後で流す戦闘シーン見れば分かるでしょう?」
容易な訳がない。一撃でHPが2桁になるんだぞ! あれは避けないとマジで速攻で死ぬ。
「ルナ氏......あの映像見たら、簡単そうに成し遂げて見えるぞ」
「えぇ!? 嘘でしょカズキさん!」
「僕も、同じ意見ですね。ルナさんの才能と努力は、凄まじいです。僕もログを見て、直接お話ししなかったら、ルナさんの凄さには気づけなかったでしょう」
「レイジさんまで!?」
「まぁ、どうして2人にそんな風に言われてるか、これから流す映像を見れば分かるよ! ヒントは被弾回数だよ! では行こ〜!」
そう言ってキアラさんが指を鳴らすと、俺達の前にスクリーンが出てきた。
「映像を流してる間はマイクが入ってないからね! 戦闘シーン見ながら私達だけの実況でもする?」
「俺は無理ですよ。説明とかそんなのできませんから」
分かるのは予備動作くらい?
「僕も無理ですね。普通の戦闘なら出来るかもしれませんが、ルナさんの戦闘は無理です。見入っちゃいますから」
「俺も同意見だ。確実に見入る」
嘘やろ? 2人とも。
「そっか〜。なら普通に見よっか!」
「「「うん」」」
それが一番良いよ。
そして映像が流れ始めた。あれ? これまでどうやって繋いでいたんだ? ......気にしないようにしよう。
時は進んで俺が体当たりをくらい、死にかけたところ。
「あ〜これは痛かったですね〜」
「だろうな。これは体当たりと木に激突するまでがコンボになってやがる。やっぱ幻獣ってのは賢いな。飛ばす方向まであの一瞬で考えるとは」
あんたが作ったんじゃないんかい!
「あ! 今『カズキが作ったんじゃないの?』って感じた? もしそうなら、それは正解だよ。幻獣とか神とかは私が作ってるからね」
「そうなんですね......びっくりです」
数時間話してて初めて聞いた。
そして回復ポーションを1つ飲み、リルの所へ爆走してるところ。
「あ、SPをAGIに振ったのに思いっきり走ってますね。これ、本当に何度見ても不思議です。並のプレイヤーじゃ、AGIに負けてそのままぶっ飛んでますよ」
おぉ〜意外に早くリルの所まで行ったな。
体感じゃもっと長かった。
「だな。いきなりAGIが200も増えたら、慣れるまでは足が追いつかないはずなんだがなぁ......」
それから最後のラッシュで
「これ、マジでカッコイイな。俺も練習しようかな」
カズキさんがそう言ってるのはインベントリ操作の所だ。
「これは慣れるまで大変ですし、慣れてからも練習しないと全く使い物になりませんからね。矢を出すぐらいなら始めて直ぐでも出来ると思いますが、武器ごと持ち変えるのは大変ですよ」
「そうなのか? やっぱり小手先のテクニックってのは簡単そうに見えて、その実、とんでもない練習量で決まるものなんだな......」
それは思う。練習を初めてから毎日毎日、朝から晩まで矢を出し入れしてた。......あれ? 矢を出し入れしてるってめっちゃ危険じゃね?
やるなら石ころとかでやれば良かった......
そして1番最後の攻撃をした瞬間に、映像は終わった。
良かった。テイムの事は隠してくれるようだ。どうせ後から幻獣を討伐した奴がいたら気づくだろうが、今はまだ隠したいしな。......話すにしても、信頼出来る現地人だけだ。語り人には絶対に明かさん。
「以上だよ! さぁ皆、どうだったかな? カッコよかったでしょ?」
「「うんうん」」
2人は頷いていた。俺は......なんとも言えねぇ。
「ではルナくん! 戦闘シーンを見て、どう思った?」
え〜!? ここで振る!?
「えっ......そうですね、今ならもっと上手く戦えると思いましたね。改善出来る所は多かったですし。今も満足はしていません。リスポーンするなら、また戦うのもいいかもしれませんね」
それを聞いた3人が呆然としていた。
「あ、あれ? 俺何か失言しました? なら直ぐに首を切って広場に帰りますけど......」
「「「ダメ!」」」
あ、帰ってきた。良かった〜。
「とんでもないコメントが出たもんだね。この戦闘シーン以上か......これはこの先も楽しみにしていいのかな!?」
「良いだろう。男ならカッコイイ戦闘は見たいものだ。楽しみにしている」
「僕も楽しみですね! 次、強敵と戦う時はもっと色んな武器を使ってるシーンが見たいです!」
2人は欲まみれだな。まぁ、期待には答えたいな。
「そうですね! もう少しイニティにはいるつもりですし、アルトム森林のボスの時は他の武器も使って戦ってみましょうかね!」
ま、他の武器って今のところ『拳』しかないがな! はっはっは!
「では、フリートーク兼、エンディングトークに行こっか! さ、何か話したいことはある?」
「僕は、そうですね......早く生産特化の人達のレベルが上がる事を祈ってます」
「俺は称号関係について話そう。今現在、PKとかの犯罪系の称号持ちは居ない。だが、これからPKをしようと思っている奴に忠告だ。PKなどの犯罪を犯したプレイヤーに与えられる称号はデメリットしかないぞ。本来プラスの効果の称号も全て反転する。では、俺からは以上だ」
なんかめっちゃ大事なこと言ってる!!
そういやアカウントの停止は相当酷くないとしないって言ってたが、ペナルティはめちゃくちゃ重いようだな。
「俺は......なんだろう。これから生産に手を出すんで、ワールドアナウンスには暫く出ない......と信じてます。あ、3人に聞きたいんですが生産系でワールドアナウンスってあります?」
喋ってたら気になったんで聞こう。
「あるぞ。レア度10以上のアイテムを最初に作ったらアナウンスが入る。DEXが高いプレイヤーは是非挑戦して欲しいところだな」
「そうですね! 最初の街の生産所でレア度10は、本当にDEX頼りですからね! 皆さん頑張ってください!」
おぉ! マジか! ワールドアナウンスに載る気は無いがレア度10は出したいな!
「生産に手を出した後は、森林のクリアをしたいですね〜。フェンリル以下だと信じて、挑戦してみたいです」
「絶対にフェンリルより弱いに決まってるだろ!寧ろボスを倒さずに何故幻獣が倒せるのか......」
「正直、幻獣はレイドボスと捉えてもらっていいですからね......ボスは個人討伐を予想してますが、幻獣は予想していませんでしたから」
「本当にね......さ、この話は置いといて、そろそろ生放送を終わろうか! いいかな?」
「「はい!」」
「おう!」
「ではでは! ユアスト第2回公式生放送は、ゲストはルナくんでした〜! ありがとうございました!」
「「「ありがとうございました!」」」
こうして、俺の出演した第2回公式生放送は幕を閉じた。
「じゃあルナくん、報酬を送っとくね! それとアルトム森林の次のエリアは『王都ロークス』だよ! 特徴はイニティより大きな街ってくらいかな? 後は魔法士ギルドがあったり、王都にプレイヤーが増えたら『武術大会』が開かれたりするよ!」
へぇ〜。
うん。『へぇ〜』としかならないや。だってまだ戦闘エリアが続くと思ってたもん!まさかの街だよ!しかも王都だよ! 楽しみだね! うん!
よし、切り替えれたぞ。何から何に切り替わったかは知らないがな。
「分かりました。フェルさんの弟子の案件が片付いたら、行ってみます」
「「いいなぁ〜」」
ん?
「どうしたんですか?お2人は」
「どうしたも何も! あのフェルさんの弟子だぞ! 羨ましいに決まってるだろ! 俺でもなれなかったのに!」
え? マジ? カズキさんは無理だったのか。
「そうですね。フェルさんは僕より武器に詳しいですしね。王都、と言うよりあの国1番の鍛冶師ですからね。羨ましいです」
「そうなんですか? 全技術を教えて貰えるようなので、全部吸収したいところですね」
「「いいなぁ〜」」
それから少し雑談して、俺は『語りの広場』に転送された。
これで!第2章は終わりです!掲示板回を最後に書こうか悩みましたけど、もう少しコテハン考えてから書きます!一応25人程案はあるんですけどね...どんな名前かは作者Twitterにてあります。
ではでは次回、というより次章、『弟子と王都』です。お楽しみに!(まだプロットすら終わってません。てへ)




