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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
最終章 最強決定戦
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燃え盛る不死の鳥

最終章、スタートでごわす!




『ピイィィィィ!!!!!!!!』



「ハロー、フェニ男。元気してたか? 俺は元気だったぞ。ただまぁ、お前の巣を見付けるのに2時間かかってイライラしているがな」



現在の俺は、狐国の東側にポツリと佇む、小さな火山のある島に訪ずれ、火口の中で眠っているフェニックスを叩き起したところだ。


武術大会の戦力として、火属性に特化したフェニックスをテイムしに。



「リル、メル、ベル、アルス。やっておしまい!」


「「はい!」」


「「は〜い」」



あのフェニックス程度、4人なら完全に叩きのめせるだろう。ベルはAGIが低いから心配だが、その点はアルスが何とかしてくれるはずだ。


今日は4人の連携力を見てみよう。この1年近くで、どう成長したのか。



「メルちゃんは氷で足止めをお願いします! ベルちゃんは隙を見て攻撃を! アルスさんは全体のサポートをお願いします!」


「お任せを」



良い声掛けだな。声に出して伝えるのは、最も簡単で最も力のある連携構築方法だ。


......俺はあんまりしないが。だって恥ずかしいもん。



『ピィッピィ!!!』


「あ、面倒臭いコンボの予備動作だ。リルはどうする?」



確か炎の剣を作って、それを足で掴んで急降下する攻撃だっけな。

体当たりをジャンプして避けたら剣で斬られるから、フェニック・鳥之助を迎撃しないと確実に被弾する。



「メルちゃん! 氷の壁を!!!」


「ん。『オービストーレント』『オムニオジェリダ』」



『ッビィィ!!!!!』



うわ、痛そう。頭から氷に刺さったぞあの鳥。俺なら首が90度にポキッ! してる自信がある。



「で、後ろで待機しているベルが......?」


「行っくよ〜。『血塊錬成』『ヴィータブロッサム』」



何だアレ。赤黒い塊からピンクの花が無数に咲いているんだが。正直に言って、かなりキモ......変だな。



「吸っちゃえ〜」



そう言って謎の塊をフェニピオへ飛ばすと、花が塊の養分を吸い、空中でレイピアの様な剣の形へと姿を変えていく。


そして全ての剣がフェニックスの首に刺さると、ドクドクと音を立てながらフェニックスの体液を吸収し始めた。



「フェニックスの血を飲んでいるのか? あの剣」


「そうだよ〜、お父さん。あれはね〜、血魔術と花魔術の〜、合わせ技なの〜」


「なるほどな。にしてもアレ、相当威力高いな。あと数回メルとリルが攻撃したらアイツ死ぬぞ」


「不死鳥なのに〜?」


「不死鳥なのに。テイムが目的だから、殺さないで欲しいのだが」


「大丈夫〜、皆手加減してるよ〜」


「なら良し。見守っておこう」


「は〜い」



おい待て。何故ベルが俺の元に居る? お前、戦闘中だったよな? 戻ってきちゃダメだろう。


まぁ、いいか。強くなった3人ならフェニックスとも戦えるだろうし、危なくなれば俺が盾になれば解決するし。




『ピィ!!!』



「父様! 出番です!!」


「はいよ。『テイム』」



リルから指示が来たタイミングでフェニックスの元へ転移し、左手にサンダーチャージを3重に出しながらテイムを使った。



『ピッ......ピィ!』



一瞬だけ抵抗しようとしたフェニックスだが、俺の左手を見て恐怖に呑まれたようだ。



◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

『幻獣鳥:フェニックス』をテイムしました。

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



「皆ありがとうな。お陰でテイム出来た」


「ん。もっとなでて」


「頑張ったね〜。お姉ちゃん達〜、えら〜い」


「主の為です。精進致します」



「父様。その子の名前はどうするんですか?」



3人が俺の元に集まる中、リルだけはフェニックスの前で刀に手を掛け、警戒していた。



「リルもこっちに来い。初めて俺抜きでの戦闘をしたんだ。今は勝利を喜ぼうぜ?」


「でも......はい」



全く。この子は妙にしっかりしてるんだから。もっと甘えてくれてもいいんだぞ? 俺はデロンデロンに甘やかすからな。


昔の俺みたいに、我慢をしないで欲しい。



「よしよし」


「えへへ......それで、名前はどうするのですか? 私、気になって夜しか眠れません」


「健康体だな。だが名前かぁ......本人に聞いてみるか」



俺はリル頭をぽんぽんと撫でてから、インコの様なサイズまで小さくなった、可愛らしい赤い鳥を両手に乗せた。



「お前、名前の希望とかあるか?」


『ニクスが良きかな』


「声が渋いっ! イケおじだなニクス」


『ふっ、王にそう言われるとは光栄だ。このニクス、必ずや王の力になりましょう』



赤いインコが俺に向かって頭を下げるが、どうも威厳が感じられない。

声や雰囲気は荘厳と言えるのだが、体のサイズがその威厳を打ち消している。


何か......可愛いな。気に入った。



「よし、お前のポジションはココだな」



俺はニクスを頭の上に乗せた。



「ふふっ、可愛らしいですね!」


「ん。いいかんじ」


「お父さんより〜、高い位置で良いの〜?」


「我も気になりました。それではまるで、ニクスの下に主が居るような気がして......」



え〜? 意見が割れちゃったぞ。俺としては頭の上がベストポジションだと思ったのだが、ダメなのか?



「別に俺は偉い訳でもないし、普通の男の子が頭にインコを乗せてるだけだぞ?」


『いや、王は偉いぞ。この私を配下の動きだけで完封したのだ。その配下の上に居るお「おい」......何でしょう?』



「リル達は配下じゃねぇ、家族だ。これからお前もその枠に入る。だから二度とその呼び方をするな」



『しょ、承知した』



いや〜、危ない危ない。鳥の躾なんかやった事が無いが、上手く出来ているだろうか? 一応俺の手札としては『友好』『恐怖による支配』の2枚があるのだが、ついつい後者を切ってしまった。


まぁ、ニクスがプルプル震えてるくらいだし、多分問題無いだろ。うん。



「父様、ニクスさんはペットですか? それとも家族に?」


「一応ペットも家族だが......暫くは様子見だな。ニクスの態度次第で、ペット枠かどうかが決まる」


「なるほど......これからよろしくお願いしますね? ニクスさん」



あら可愛い。あんな上目遣いで言われたら、9割くらいの紳士は堕ちるぞ。



『あ、あぁ。よろしく頼む......リル姫』


「お、お......お姫様!? 父様! わ、私、お姫様に!」


「落ち着け餅つけ。リルは姫じゃなくて天使だ」



『「「「「え?」」」」』


「え?」



ど、どこからどう見ても天使だろう。綺麗な銀髪に見る者を虜にする黄金の瞳。そして究極的なまでに整った顔立ちに狼の耳! そして尻尾ォ!


この子を天使と言わずして、何を天使と言う? お?


おいそこの君、今、リルは天使じゃなくてケm(ry



「パパ、おやバカ」


「でも〜、そんなお父さんが〜、大好きなんだよね〜」


「主は身内想いですからね。致し方ないかと」


「ンだよもう。ほら、帰るぞ。ニクスのレベリングと、今日の晩ご飯の買い出しだ」



俺はリルと手を繋ぎ、ベルにテレポートを設置してもらった。



「今日のご飯は何ですか?」


「う〜ん......焼き鳥かな」


『「「「「え?」」」」』


「え?」




べ、別にいいじゃん! 食べたくなったんだもん!

新たな仲間はフェニックスのニクス君!

見た目は完全に赤い羽のインコです! ちっこい!

でも中身はフェニックスなので、強さとしては.....?



では次回『立ち入り禁止』お楽しみに!

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