死んだ心と怠惰の悪魔
不定期更新を謳っているクセに、毎日更新してる奴が居るらしいっすよ。
一体誰だ?
※後書きがすんごく長いです。飛ばしてね☆
「何これ......無意識に大罪のダンジョンに来ちゃったんたけど」
ず〜っとゴロゴロと惰眠を謳歌していると、俺が残す最後の大罪のダンジョンである、『怠惰』のダンジョンに来てしまった。
多分、潜入方法は『暴食』と同じ様な感じだろう。
あちらは100種の料理を食べることだが、こちらは『○時間寝続ける』みたいな。
「また付喪神もテイムモンスターも出せねぇし。締まらねぇなぁ」
声では残念そうに聞こえるが、肝心な表情が氷の様に薄い。気持ちでは残念がっても、顔には一切出てこない。
早く......ソルに会いたい。
『人間さ〜ん。私の領域へようこそ〜』
俺が虚無感に襲われながらベッドを這い出ると、目の前に緑色の髪をした女の子が現れた。
『私は〜、ここの悪魔の〜、『ベルフェゴール』って言うの〜』
『ここでは〜、人間さんに〜、自由にしてもらうの〜』
伸び伸びとした口調で、ベルフェゴールが俺をベッドに押し倒した。
『ここで〜、ず〜っとゴロゴロしてね〜』
「......触んなよクソが」
『む〜? 私のこと〜、嫌い〜? これでも〜、人間さん好みの〜、体のはずなのに〜』
大っ嫌いだ。ソル以外の人間、皆嫌いだ。俺から大切な物を奪って、奪って、奪って......
本当に奪ったのだろうか?
「はぁ......頭の中がグチャグチャだ」
『なら、そこで寝よ〜? 添い寝もしよ〜か〜?』
「近付くなゴミが。1人にさせろ」
『んも〜、仕方ないな〜。じゃ〜あ〜、1時間後にまた〜、帰ってくるね〜?』
「帰ってくんな」
『ふふふ! またね〜』
ベルフェゴールは近くにソファやクッション、それに羽毛布団を幾つも出し、笑いながら消えた。
「まぁ、寝る気すら起きないんだがな。脱出のヒントを考えよう」
まず、この怠惰のダンジョンの性質から考えていこう。
多分だが、このダンジョンは『脱出型ダンジョン』のはずだ。決められたゴールへ向かって謎を解き、最後のエリアでボスと戦う......あの面倒なダンジョン。
そして次に、ここが完全な密室だということ。
部屋に窓は無く、扉も何も無い。ただゴロゴロ出来る物で溢れかえり、無限のダラダラを実現出来るということ。
「で、どうすんだって話だよ」
頭は動いても心が動かない。
思考では外に出ようと頑張るが、心がやる気を見出してくれない。
「ゴロゴロせずに、ボーッと突っ立っておくのもアリだな。よし、考えることを辞めよう」
この虚無感が消えるまで、まともな思考が出来ないからな。こういう時は、咄嗟に思いついた行動を取るのが1番だ。
◇5時間後◇
『ね〜、人間さ〜ん。ね〜ってば〜』
「......」
『あ〜も〜、こんな人間さんが来るの、初めてだよ〜! 石みたいに動かなくなっちゃったぁ』
「......」
『ん〜ダメ。どんなに触っても反応な〜い......ふわぁぁぁあ......もういいや、寝ちゃお〜』
来た、このタイミングだ。コイツがこの空間で無防備になるタイミング。これを待ってたんだ!
狙うは寝てから1時間後。完全に深い睡眠に入ったところで、ベルフェゴールの首を斬る。不意打ちは戦闘の基本だ。確実に先手を取り、相手に大きなダメージを与えられるからな。
もう少し、もう少し我慢しろよ、俺。
◇2時間後◇
『すぴー......すぴー......』
ベルフェゴールは完全に寝ている。それに対し、俺は桜器の剣を片手に握り、立っている。
チャンスは今だ。敵の目の前で寝る愚か者に、断罪の時が来た!
「『戦神』」
スパン! と風を切る音と共に、ベッドごとベルフェゴールの首が消滅した。
『あ、あれれ〜? 私の頭、無くなっちゃった〜』
「キモイなお前。普通、首が無くなったら死ぬもんだぞ? どんな生体してんだ?」
『ふっふっふ〜。気になる〜?』
首無しの女の子が立ち上がり、俺に向かって人差し指を立ててきた。
さて、ここからは実験だ。
首が無くなっても生きているなら、体も消滅させたらどうなるのだろうか。残留思念的なサムスィングになって生き残るのか、それとも普通に死ぬのか。
その部分に関しては、凄く気になる。だが──
「残念、気にならない。『グレイシア』『イグニスアロー』『アウラ』」
ベルフェゴールの足元の床から一気に氷の柱が現れ、ベルフェゴールの全身を包み込んだ瞬間に、超高音に熱せられたイグニスアローが激突した。
その直後、凄まじい水蒸気爆発が起こり、俺は部屋の壁に叩きつけられる事になった。
◇━━━━━━━━━━━━━━━◇
『守護者の加護』が発動しました。
◇━━━━━━━━━━━━━━━◇
「痛てぇ......首もげるかと思った」
ビターン! と壁に当たったからな。俺がカエルなら、一瞬にして可愛い形のシミとなっていただろう。
『だ......め......死......ぬまで......ここ......に............』
「悪霊退散悪霊退散! それ! お塩パッパッ!」
俺の前にふよふよと浮いている白い塊に、調味料用の塩を振り撒いた。
『ギャァァァァァァァァア!!!!!!!!』
「え......マジで死んだ」
凄まじい断末魔を上げて、ベルフェゴールだった白い塊がポリゴンとなって散った。
これにて、7つの大罪のダンジョン、全て攻略完了だ。
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
『怠惰の悪魔・ベルフェゴール』を討伐しました。
『悪魔の礼装・怠惰』×1入手しました。
悪魔の腕輪×1入手しました。
称号『大罪断罪者』を獲得しました。
称号『無慈悲な退魔師』を獲得しました。
ユニーク称号『悪魔崇拝者』を獲得しました。◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
「ゆにぃくしょうごう?」
マズイな、過去1番ツッコミどころのあるリザルトが来てしまったかもしれん。
ユニーク......ユニーク......これ、俺だけの称号って事だよな? 他のプレイヤーが獲得出来ない、たった1人だけの特別な称号......
「大体何だよ、『悪魔崇拝者』って。別に崇拝なんかしてないんだが? これを俺に与えた奴、ちゃんと見てんのか?」
俺、悪魔を崇めたりしてないんだがな。どうしてこんな称号が出来てしまったのだろう。
どうしたものかね?
取り敢えず宝箱を開けてから考えるか。
「お、今回は初めての銀箱か。これで3種類目だな」
帰還用魔法陣の手前に、銀色に輝く宝箱が出現していた。
俺はいつものようにサーチで中身がモンスターじゃない事を確認してから、そ〜っと蓋を開けてみた。
すると、中から1本の細長い棒が出てきた。
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
『聖具:真銀の釣り竿』
Rare:30
付与効果:『無限の疑似餌』『誘引』
『大物軽量化』『精神統一』『複製:2』
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
「これが推定2番目のレア宝箱の中身ってマジ? 俺、アングラーを目指した方が良いって言われてんのか?」
ダメだ。そろそろ情報量が多すぎて頭がパンクしてしまう。こういう時は1度ログアウトして、脳を休めないと。
「まぁ、メルとのんびりする時に使うか」
俺は真銀の釣り竿をインベントリに入れ、魔法陣に乗った。
いやぁ、暴食と怠惰はかなりアッサリしていたが、傲慢のダンジョンはかなり濃かったな。プレイヤーの力だけじゃ勝つのは難しかった。
初めて犬子さんと共闘したけど、やっぱりあの人達は強かったなぁ。完封して勝利したくなったよ。
そんな事を思いながら目を開くと、俺は噴水の中に転移していた。
「アフターサービス最悪ぅぅぅ!!!!!」
ビショ濡れの状態で出てきた俺に、周りのプレイヤーが逃げるように去って行った。
ちくしょう。あのミドリ悪魔め。怠惰の悪魔というより、怠慢の悪魔だろ。
「ルナさん、こんにちは」
テンションが一気に下がっていた俺に話しかけてきたのは、青い髪のゴリラだった。
「......コキュートス君? 珍しいね。こんにちは」
「リア友がユアストを始めたので、ロークスに帰ってきてたんですよ。それで適当に買い物をしていたら、聞き覚えのある声が聞こえてきたので......」
「それはそれは、お恥ずかしいところをすみませんねぇ。怠惰の悪魔とかいう、空間魔法がド下手クソな奴のせいで、広場じゃなくて噴水の中に直接転移させられたんだよ」
「そんな事ってあるんですね」
コキュートス君は感心して、俺にタオルを渡してくれた。
コイツぅ......イケメンすぎるやろがい!
「ありがとう」
「いえいえ。それより、この後って暇ですか? 良ければ、さっき言ってた友人と一緒に遊びません?」
「いや、それは流石に相手に申し訳ないだろう」
「そんな事無いですよ。そのリア友、ルナさんのファンですから」
「出たよ謎のファン。前にソルにも言われた......まぁ、少しだけお邪魔しようかな。先にメル達に報告してきていい?」
「勿論です! じゃあ、ここで待っておきますね!」
「分かった。直ぐに戻る」
ログアウトしても陽菜が帰ってきてるか分からないし、今日はコキュートス君と遊ぼうか。
陽菜が早川と遊ぶなら、俺はコキュートス君と遊ぶぞ。
対抗戦だ対抗戦。どちらがより楽しめたかを競うぞ。
そうして俺は、転移ですぐさま家に帰り、ず〜っと寝ていたメルに出掛けることを伝えてから、またロークスの広場に帰ってきた。
「俺にも友達が居る。忘れちゃならんな」
◆1700文字の後書きです(今回のユアスト3700文字)◆
どうも、ゆずあめです。
ユアストを投稿する時、本編より後書きの方が悩むんですよね。
こう、真に何を書けばいいか分からないというか、他の方々の後書きが参考になったりならなかったりするので。
ブックマークや★評価も、別にユアスト本編に関わりませんからね。強いて言うなら、舞い上がった作者が番外編を更新するくらいでしょうか。
では、ここいらで1つ、私の思っていることを書きましょうか。
長くなると思うので、興味の無い方はシャーっとスクロールして飛ばしてもらっても構いません。
興味のある方や時間のある方は、どうぞお楽しみください。
私、ブックマーク登録のお願いや★評価のお願いって、You○uberの『チャンネル登録宜しくね!』くらいの力しかないと思うんです。
まぁ、それほど強い効力は無いと。
理由としては、その人の作品(動画)が面白い、また見たいと思えば、自然と高評価(★評価)やブックマーク(チャンネル登録)はすると思うし、逆につまらない、もう見たくないと思えば、何もせずにブラウザバックをする。
ですので、面白い作品は自然と★評価も沢山付きますし、ブックマーク登録や作者にお気に入りユーザーの登録がされます。
ただ、それが作品に影響するかと言われれば、どうでしょうか。
例に挙げたY○uTuberだと、「○○人登録記念!」という、言わば普段の動画とは毛色が違う、番外編を作る方も多いじゃないですか。
でも、小説の場合はどうなのか、考えてみましょう。
ブックマーク登録が増えたところで、ランキングに載ったりして様々な方の目には着きますが、作品自体に影響は出ませんよね?
書籍化やコミカライズ化などの場合は違うと思いますが、大抵は影響が出ないと思うのです。
そこで私は、双方、何の為にお願いをするか、それを考えてみました。
それは、ぶっちゃけ『モチベーションの維持・向上』だと思うんです。
人間、数字の魔力に取り憑かれやいもので、0より1を好む傾向があるじゃないですか。
0より1を。1より2を求める、強欲な存在だと思います。
私は書籍化や受賞などを狙っていないので何とも言えませんが、それらを狙っている方からすると、数字というのは大きな存在になります。
1人でも多く読んでくれている、視聴してくれている。
1人でも多く楽しんでくれた、面白いと思ってくれた。
作品の作者を応援してくれる人が居る。
それらが、全部数字として表れるのです。
恐ろしいですよね。自分の目標を持って取り組む人でも、絶対に数字の魔力に囚われるんです。
どんなに頑張っても、どんなに嫌われても、全部数字が無慈悲に表すんです。
その数字は、全て作者へのモチベーションと帰ります。
かく言う私も、FPSのランキングに載った時に経験しました。
実力が全てじゃない、運が大きく絡むこの世界で、どうして自分は下にいるのか、とね。
ランキングが下がればモチベーションは下がり、順位が上がった時は爆発的な気力を生みます。
.....まぁ、結局は『圧倒的な実力』の前にひれ伏すのですが。
さて、長々とクッソどうでもいい話を並べてきましたが、言いたいことは1つです。
「面白いと思ったら、何か行動しましょう」
あのギャグが面白かった。じゃあ明日、学校や職場で使ってみよう。
あの動画面白かったよね! ○○さんも見てみない?
あの本は凄く為になった。同じ作者の本を読んでみよう。
行動とは、自らが実際に動けば何でもいいのです。
自分が良いと思ったことを、自分が伝えたいままに言葉にする。それだけでも立派な行動です。
その行動のひとつひとつが、『面白い』を作った人に繋がり、巡り巡って『面白い』と思った人に帰ってきます。
前だけを見るんじゃなくて、横や上なんかも見て進みませんか?
きっとそこにも、新たな『面白い』があると思います。
そうして見付けた『面白い』を行動に繋げることで、自分自身とその先の人の道を明るくします。
インターネットは行動に移しやすい環境ですので、まずは小さな『面白い』を見付けましょう。
小説家になろうでは『★評価』や『ブックマーク登録』を、Y○uTubeでは『高評価』や『チャンネル登録』などで行動してみましょう。
その日から、世界の見え方が変わるかもしれません。
そうそう、レビューやTwitterの拡散は、めちゃくちゃ大きな力を持つ行動です。
例え拙くても大きな力を持っています。質を気にせずに行動してみましょう!
では、面白いと思ったら★評価やブックマーク、レビューを。つまらないと思ったらブラウザバックをお願いします。
以上、ゆずあめでした。(下に次回予告置いときます)
次回『剣聖vs銀髪さん』お楽しみに!