条件と親子(笑)
安定の迷走です。
「ルナ君! リルちゃん! おまたせ!」
「おはようソル」
「おはようございます、母様」
「うん、おはよう! 今日はどうするの?」
せやな。今日はゆっくりしたいんよな。
でも、ちょっと威力の高すぎる爆弾を抱えてるんよな......
「なぁソル......俺、生放送に出るかもしれん」
「え!? どういう事? どうしてルナ君が?」
「まぁまぁ、とりあえずコレ見て」
そう言ってからソルの前にウィンドウを出す。
運営からのメールだ。
「え〜。これ、条件めちゃくちゃ書いた方がいいよ。分からないことが多すぎるもん」
ん?
「分からないこと?」
「うん。まず、何処で生放送するのか。リアルなのか、ゲームの中でなのか。それに他の出演者の事。あの3人はいるだろうけど他の語り人がいるのかも分からない。それと、どれだけ何を言うか、だね」
あぁ〜なるほどな。少し理解した。
「なら返信にそれ全部書くか」
俺はバカですので、全部聞いちゃいます。うふふ。
「うん! そうした方が良いよ!」
「じゃあ書き込みますかね。追加で何かあったら言ってくれ。もう俺は何をしたらいいか分からん」
そう言って俺は書き込み始めた。
「できた!」
内容は──
━━━━━━━━━━━━━━━
メールありがとうございます。
第2回公式生放送の出演の件ですが、私は出演させていただきたいと思います。
そして、出演するに当たって条件とお願いがあります。出来れば聞いて頂けると嬉しいです。
・何処の配信サイトで生放送を行うのか教えてください。
・どの日程で放送を行うのか教えてください。
・どこで撮影を行うのか教えてください。Your story内で無ければ出演は辞退させて頂きます。
・私以外の出演者の事を教えてください。
・公開する情報や、放送内でどういった対応をすれば良いのか教えてください。
ここまでは条件とせさて頂きます。
次に、お願い、と言うより出演の報酬です。
・200万L
・真鍮のインゴット99個
・アルトム森林の次のエリアの情報
以上となります。よろしくお願いします。
━━━━━━━━━━━━━━━
この内容で送信した。
「こんな感じで良かったのか? こういう感じの文書くの初めてだから分からん」
「いいと思うよ? 出演依頼という事にすれば、報酬が出るはずだからね。タダでルナ君の時間と心をあげる訳にはいかないよ」
「時間はともかく心って......」
「何言ってるの? 生放送だよ? しかも公式の。絶対緊張するでしょ? だから心も、なの」
そう言えばそうじゃん。生放送じゃん! こっわ!失言したら一瞬で叩かれんじゃね?
「やばい、怖くなってきた」
「ほら、言わんこっちゃない」
「大丈夫ですか? 父様」
「......無理かも」
もう緊張、と言うより恐怖ががが。
「ふふ、大丈夫だよ。とりあえず今日はゆっくりしよっか! ギルドに行ったりお買い物に行ったりしよ!」
「そ......そうだな。フェルさんにメンテナンスと弟子の話をしないと」
「じゃあ行こっか!」
「「おー!」」
そうして宿屋を出てギルドに向かっている。
向かっている......のだが。
「なぁ、どうしてこうなった?」
現在、俺は右手でリルの左手を繋いでいる。
そしてソルが左手でリルの右手を繋いでいる。
あれだ、親子と言えば、という感じの手の繋ぎ方だ。
「ふふ! 親子みたいでしょ?」
「いや、『みたい』って言うより、ガチじゃん。これ」
そう、見方を変えれば100%親子なのだ。
人間と獣人の夫婦とその子供の獣人。
「いいじゃないですか父様。リルは嬉しいですよ?」
くっ! 可愛い......!!!
「そうだよ、そういう設定でいくんだから、慣れてね?」
ソル......君は逞しいな。俺達はまだ付き合ってすらいないんだぞ。いくら設定でもこれはかなり心のHPが持ってかれる。ほら見ろ、あのプレイヤーを。めっちゃ見てるぞ。
「......すんごい見られてるんだよなぁ」
「いいのいいの! 堂々としましょ? その方がいいよ!」
はぁ......マサキ、助けておくれ。俺、死にそう。
そう思い、オンライン状況を見てみた。
............マサキはまだログインしていなかった。
そんなこんなで冒険者ギルドについた。
「こんにちは、レイナさん」
「こんにちは! ルナさん。あれ? お子さんですか?」
グハァ!! フェンリル戦よりダメージがでかい気がする!
「そうなんです! 森でルナ君が保護したんですよ!」
ソルさん。リルは義娘ということですかな?
「そうなんですか! それはまぁ! 私はレイナです。あなたの名前はなんですか?」
「リルです! よろしくお願いします!」
「リルちゃんですね! よろしくお願いします」
「......じゃあレイナさん。2人分の買い取りお願いします」
「分かりました! こちらへどうぞ!」
そう言って箱を出してくれた。
えぇ〜気を取り直して、今回ぶち込みますのは―
『錆び付いた剣』×1400
『豚肉』×100
の2種類でございます〜。
「はい! ルナさんは丁度43万Lですね!」
「はい。ありがとうございます」
美しい。キリが良い数字は好きだ。
ってかあれだな。報酬に金貰わなくても普通に稼げるな。これ
「ソルさんも43万Lですね!」
どうやらソルも全く同じ数を出したようだ。
「お金持ちだ〜!」
「そうだな。これでも半分に満たない物を買おうとしてるって、俺、やべぇな」
「もう、今更気づいたの?」
「何を買う予定なんですか? ルナさん。この街にそんなに高い物ってあんまり無いと思いますが......」
ふっふっふ......レイナさん。お答えしよう!
「リンさんの所で、ソルに服を買おうと思いましてね。それが150万Lするんですよ」
「えっ!? リンのところで?それにそんな値段の服って......ちなみに、具体的なことを教えていただいてもいいですか?」
「いいですよ。それは『魔糸製の巫女服』ですよ。本来300万するところを友達価格でいいと言われまして。それで沢山お金を稼いでいるんです」
これからの予定は生放送に出て、巫女服を買って、フェルさんの弟子になって、それからエリア攻略だな。俺の予想だと、アルトム森林のボスはまだ倒されないだろう。第2陣のプレイヤーが来てから、本格的な攻略が始まると思う。そういやこのゲーム、まだ発売してから1週間経ってねぇな。
「そんな服があるんですね......情報ありがとうございます。何か良いのがあれば、私も稼いで買おうと思います」
「そうですね! リンさんの服はどれもいいですからねぇ〜。......では、今日はこの辺で。ありがとうございました!」
「「ありがとうございました!」」
「はい! また来てくださいね!」
そうして俺達は冒険者ギルドを出た。......手を繋いで。
なんか......そろそろ吹っ切れそう。公衆の面前で『パパだぞ〜!』とか言い出しそう。
いや、それだけは辞めよう。マサキは多分黙ってくれるが、他にクラスメイトがいたら俺は社会的に死ぬだろうからな。
「じゃ、次はフェルさんとこ行くか」
「うん!」
「はい!」
目的地をフェルさんの店にして、歩き始めた。
━━━━━━━━━━━━━━━
名前:ルナ Lv60
所持金: 255,050L→685,050L
種族:人間
職業:『剣士』
称号:『スライムキラー』
所属ギルド:冒険者 (E)
HP:690
MP:690
STR:2,610(200SP)
INT: 510
VIT: 1,120(50SP)
DEX: 2,140(150SP)
AGI: 810(20SP)
LUC:305
CRT:43
残りSP:170
取得スキル
戦闘系
『剣王』Lv50
『王弓』Lv43
『走法』Lv0
『手加減』Lv0
魔法
『木魔法』Lv82
生産系
『鍛治』Lv1
『金細工』Lv1
『裁縫』Lv1
『調薬』Lv1
『付与』Lv6
『木工』Lv1
『料理』Lv6
『錬金術』Lv1
その他
『テイム』Lv2
━━━━━━━━━━━━━━━
名前:ソル Lv31
所持金:212,220L→642,220L
種族:狐人族
職業:『弓術士』
称号:『ワンショットツーキル』
所属ギルド:冒険者 (E)
HP:930 (50SP)
MP:200(獣人補正)
STR:320
INT: 320
VIT: 320
DEX:3,536 (240SP)(獣人補正)
AGI: 320
LUC:160
CRT:24
残りSP:10
取得スキル
戦闘系
『剣術』Lv21
『弓術』Lv82
魔法
『聖属性魔法』 Lv3
生産系
『付与』Lv1
『料理』Lv1
その他
『テイム』Lv1
━━━━━━━━━━━━━━━
実はソルのステータスは少しずつ上がってます。ふっふっふ
ストック補充のため今日の投稿は今回で最後です。




