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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第2章 アップデートと仲間
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来訪者、そして運営から

迷走だぜ!ヒャッハー!です。

 



 宿屋にて――




「じゃあおやすみ、ソル」


「うん! おやすみ、ルナ君、リルちゃん」


「おやすみなさい、母様」



 そして俺とリルは同じ部屋に来た。

 え?なんで美少女と同じ部屋にいるか? ......これには訳がある。



 宿屋のおじさんが、『その子、テイムしたモンスターだろ?なら同じ部屋だな。テイムってのは心を通わせる、言わば家族だ。じゃ、そういうことだから』


 って言ってもう1つの部屋を取らせてくれなかった。


 事前に俺の中に入れるってのは聞いていたが、流石に気になるのでおじさんに聞いたのだ。

 結果は惨敗だな。


 諦めよう。




「おやすみ、リル」


「はい。おやすみなさい父様」



 そう言ってリルは光になって俺に飛び込んで来た。



「ビックリした。そうやって入るんだな」


『はい! テイムされた時に、語り人やテイムのスキルの知識が諸々入りましまして......』


「そうか。じゃあまた、何日後になるかは分からんが、おやすみ」


『おやすみなさい』




 俺はログアウトした。


 ---------------------------------------------------------





『月斗! 幻獣倒したってマジ?』



 正樹からメールが来てた。今はアイツ、起きてないだろうな。とりあえず返信だけしとこ。



『倒したよ。そのかわり俺の成長速度はかなり落ちた』



 嘘は言ってないぞ。倒したしな。討伐はしてないが。

 それに成長速度は『最弱無敗』君がお休みモードに入ったからだ。今の状態でも1.7倍の補正はあるのだが、これまでの3〜4倍がデカすぎた。



「さ、こっちでも寝るか。明日は土曜日だし、1日ゲームだな」



 そう言って目を閉じようとしたら、


 ピロロン!



「誰? ......陽菜か」



 陽菜からメールが来た。



『月斗君、明日は何時くらいにやるの?月斗君の事だから、朝から夜まで?』



 俺の事だからって......いや、これは貶されてない。大丈夫だ、気を強く持て、俺。



『そうだよ。リルの事も気になるし、換金や弟子の話もあるからな~』



 そう返信した。すると



『分かった! なら私も7時半くらいに始めるね!』


「え〜......今、24時でっせ。睡眠時間7時間で足りるのか?」



 大丈夫なのだろうか。



『無理はしちゃいかんぞ。何時ぞやの俺みたいに体調を崩されたら心が痛む』



 あの時の逆の事が起きたら、俺はどうなるのかな?



『大丈夫だよ! 多分。それじゃ、また明日! おやすみ!』


「多分かよ。ちゃんと寝ろ!」


『あぁ、おやすみ』



 それだけ送って俺は寝た。










 朝7時





「んぁ。ねむぅ」




 昨日はあれだけ戦ったからな。聖の曜日は休んだが、闇の曜日に戦いすぎた。



「起きるか。さ、ごっはん〜ごっはん〜...え゛?」




 え゛?



 そこに、本来ここにはいない人がいた。







「おはよう月斗。お母さん、来ちゃった!」



 なんで?



「な、なにしてるの??」


「朝ごはん作ってるの。そろそろかな?って」


「え? ちょっと意味わかんない」


「『ちょっと意味わかんない』って女の子見たいね!そうだ!月斗、彼女はできた?」


「はぁ? 朝から脳の処理が追いつかねぇ」



 何故だ?何故母さんがいる?どうやって入った?

 ―いや、このマンションは両親が選んでくれたから、鍵を持ってるのは普通か。



「あの〜母上? どうして私のところに来たのですか? 大阪から東京ってそんな軽く来れたっけ?」


「ん〜? 来て欲しくなかった? 月斗が寂しくしてるかなって思って来たんだけど」


「来て欲しいか来て欲しくないかは知らん。

 だが、寂しくないぞ。友達も1人できたし、陽菜がいるからな。......知ってた? 陽菜、同じ学校だったんだ」



 もうなんでもいいや。これ以上頭が回らん。



「あらあら! 友達が出来たのね! おめでたいわ!! 陽菜ちゃん以外と話すなんて、想像できないけど!!」



 何故、陽菜が同じ学校なのに触れないんだ? まるで知ってるかのような......


 なんか、嫌な予感がする。



「母さん? 陽菜が同じ学校って知ってた?」



 意を決して聞いてみた。すると



「もちろんじゃない! 陽菜ちゃんが言ったんだもの!」




 え?




「どういう事?」


「簡単な話、『月斗君と同じ学校に行きたいので月斗君が行く高校教えてください』って言われたから、全部話したわよ! もちろん、このマンションの事もね!」




 あぁダメかも。おバカモード入りそう。




 いや! 耐えろ! 朝ごはんができるまで、あと少しの間耐えろ!!





「......そっか」



 理解した。理解していないことを理解した。



「理解していないのに理解した風に答えても無駄よ。さ、朝ごはんできたから食べましょう!」



 なんか全部バレて〜ら。



「あぁ。いただきます」


「いただきます!」



 朝ごはんは和食だった。鮭の塩焼き、白米、お味噌汁、お漬物。



「「ごちそうさまでした」」


「じゃあ俺はゲームするから」


「そうなの? ずっと1人でゲームしてて、寂しくない?」



 ふっ、母よ。今の私は1人ではないのだ。



「1人じゃない。陽菜と一緒やってる」


「あらあら本当に!? あの月斗が陽菜ちゃんとゲームねぇ......もしかして?」


「ん? なに?」


「え? いや、もしかして、もしかしてじゃないの?」


「だからなにが?」



 嘘だ。俺は気づいている。母さんが何を言いたいかを。......言えねぇ、いや違うな。言いたくねぇ。



「うーん? これは不味いかも?」


「何がやねん。じゃ、俺は部屋に居るから。出るなら鍵閉めてね。泊まるなら適当にどうぞ」



 そう言って俺は部屋に戻り、ログインした。





 ---------------------------------------------------------




「あっちの事は気にしないようにしよう」


「おはようございます、父様」


「うわぁ!! ......あぁ、おはよう、リル」



 独り言を行ったら目の前にリルがいた。



「ソルはあと少ししたら来ると思うから、部屋で適当に待っとくか」


「はい! 父様、いっぱいお喋りしましょう!」


「そうだな」


 さて、リルと何を話そうか―そう思っていたらウィンドウが出てきた。



 ━━━━━━━━━━━━━━━

 ルナ様へ


 いつもYour story ―君の紡ぐ物語―を遊んでいただきありがとうございます。こちら、Your story運営です。


 この度のメールは、ルナ様に『第2回公式生放送』に出演して頂きたいと思い、送らせて頂きました。


 出演を許可して頂けると幸いです。

 また、出演するに当たって、条件等がございましたらこちらのメールの返信より、お送りください。できる限りの要望に答えるつもりです。


 そして最後に、『幻獣』のテイム、おめでとうございます。我々運営は『幻獣』をテイムするプレイヤーが現れる事を予想していませんでした。

 私達の予想を覆した証として、称号を贈ります。


 では、何卒これからもYour story ―君の紡ぐ物語―をよろしくお願いします。

 ━━━━━━━━━━━━━━━






「えぇ......出演?」

生放送出ちゃうの!?ルナ君!



次回、『条件と親子』お楽しみに!

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