その銀狼、満月に笑う。
ガチバトルです。それと、リザルトをチェックしていないのでレベルはまだ上がっていません。
名前:ルナ Lv43
所持金: 255,050L
種族:人間
職業:『剣士』
称号:『スライムキラー』
所属ギルド:冒険者 (E)
HP:520
MP:520
STR:440→2,440(200SP)
INT: 440
VIT: 440→950(50SP)
DEX: 440→1,940(150SP)
AGI: 440→640(20SP)
LUC:220
CRT:34
残りSP:420→0
取得スキル
戦闘系
『剣王』Lv20
『王弓』Lv1
『走法』Lv0
『手加減』Lv0
魔法
『木魔法』Lv1→11
以下省略
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「おら゛ぁ!!」
雄叫びを上げながらフェルさんから貰った高性能の方の剣で斬り上げた。今は片手だけだ。
『ぐぅ!!』
「まだまだァ!!」
得意のインベントリ操作で一瞬で武器を弓に持ち替え、セクスタプルショットを放つ。
ドパン!!!
『ぐふぅ!! 貴様、何をした!!!』
「弓を射っただけだ。6本矢を飛ばしたがな!」
『違っ『ぐぁ!!』
ここからは喋らせない。こいつとの戦闘に没頭する。
「次」
パンッ!!!
シングルショットだ。全力で引き絞った。
『ぐはぁ!!』
思いっきり刺さってんな。痛そうだ。
「剣」
愛剣に持ち変え、狼の腹を斬ろうとする。
『させん!!!』
狼が俺の剣を避けた。それによって俺は空振り、その隙に攻撃を食らった。思いっきり体当たりされたのだ。その勢いは凄まじく、池の周りの草地から、1番近い森林の木にぶつかった。
「ぼはぁ!!」
俺、生きてる? HPは......おうまいがー、40しかねぇ。
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『最弱無敗』が発動しました。
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ほぇ? どゆこと?
記憶を掘り返す。そう、確か――
『さて、メインディッシュのお時間だ。
『最弱無敗』オープン!』
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『最弱無敗』
・残りSPに応じて獲得経験値増加(スキル経験値含む)。増加率は『残りSPの数×1%』
・残りSPに応じてドロップ率上昇。増加率は『残りSPの数×1%』
・残りHPが30%以下の時、全ステータスが2倍。
SPを消費せずに30レベル上げると獲得。ただし、その間に1度もHPが0にならないこと。
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「思い出した」
今までHPが50%を切ったことがない。だから忘れていた。
うっわやっべぇ。STRが4,880にDEXが3,880になってら。ソルより高ぇじゃん。
「負けられねぇ」
俺は回復ポーションを1つ飲んでから立ち上がり、狼の元へ走った。AGIも高いからな、爆速だ。
今の俺の気持ち的には『最弱無敗』君に『頑張って!』って応援されている。
「よぉ、狼。お前のお陰で強くなれたわ」
『ほう? ほざくか、お主。先程のような生ぬるい攻撃では我は倒せんぞ』
「嘘つけ、結構苦しんでたじゃねぇか」
『違う! 初めて攻撃をまともに食らったから驚いただけだ!』
なんだこの狼。可愛いところもあるじゃん。絶対にテイムしてやろう。
「第2ラウンド、先手は貰う」
そう言って弓に変え、射った。全力のセクスタプルショットだ。
ドッバン!
『ぐぁぁぁ!』
「剣」
愛剣に持ち替え、顔を斜めに斬った。
ザンッ!
『あぁぁ!』
「弓」
シングルショットの全力で。
バン!!!
『がぁぁ!!』
ここに来て、ようやく狼に傷がついた。
また俺は愛剣に持ち替え、そこで気づいた。
「あぁ、やべぇな」
俺は今、超デカい問題を抱えている。それは、
「武器が耐えれねぇ」
そう、高すぎるステータスが仇となっている。
1回斬っただけで愛剣の耐久値が10も減っている。弓はもっと酷い。シングルショットかつ、全力で引き絞ったら一瞬で壊れそうだ。
「狼、最悪俺は拳で殴らねぇとダメかもしんねぇ」
『闘術』スキルはないが、マトモにダメージは入るだろうか?
『クハハ! お主が急に強くなったから武器が耐えられんか。ならあと少し耐えれば我の勝利が確定するな?』
「そうだな。その時までにお前が俺にテイムされてくれるといいな」
まぁ、負けたくないから全力でいくが。
「剣」
愛剣からフェルさんの剣に持ち替え、突く。
『ふっ!!』
狼に避けられた。
「弓」
トリプルショット、そこそこの力で。
ドパン!!
『ぐはぁ!』
「剣」
左手にある弓を仕舞いながら右手を振り下ろし、その何も握っていない手にフェルさんの剣を出して、斬る。
一種のミスディレクションだ。
『がはぁぁ!! 何だそれはぁ!』
「テクニック」
そう言いながらまた弓を出し、射る。ダブルショットの小威力。
バシュン!!
『ぐふ! ......ん?』
矢が当たった瞬間に愛剣を取り出し、突く。
『ぎゃああああ!!』
左目を突いた。狼は一際大きな鳴き声(?)を上げた。
「今のもテクニックさ。分かるか?格上相手にただ全力でぶつかるのは中級者のする事だ」
初心者は無知故に稀に勝つ。
中級者は上と下を知ったからこそ、ただ全力でぶつかる。
上級者は見えにくいテクニックから力を入れる量を変え、相手の思考を乱し、乱した瞬間に全力で叩き込む。
全力を叩き込むタイミング、それは今だ。
「さぁ、そろそろ決着を付けよう。元最弱の無敗の語り人対、最強無敗の幻獣狼の戦いをな。」
弓を取り出し、シングルショットを全力で放った。次、撃ったら壊れるだろうな。
パン!!
『ぐぁぁぁぁあああ!!!!』
矢は、狼の右目を貫いた。
「剣」
そう言って俺は弓を仕舞い、剣を2本出した。
そして両目が見えない狼に向かって構えた。
ザンッ!
ザシュッ!
ザンッ!
ザンッ!
斬撃、突き、斬撃、斬撃の順の4連撃だ。
『ぐぅぅ......』
「これで最後だ、フェンリル」
そう言って俺は剣を振り下ろした。
『ぐぁぁぁぁあ!!』
そして狼は......いや、『フェンリル』は――
死ななかった。
「おい、お前。俺にテイムされないか?」
『な......に............?』
俺は最後の一撃に、『手加減』を発動させた。
だからフェンリルのHPは1残ったのだ。
「ほら、回復ポーション。効果あるか知らんけど」
そう言って俺はフェンリルに回復ポーションをぶっ掛けた。するとフェンリルの体が緑に光り、HPが回復した。
「ほれほれ、まだまだあるぞ〜」
俺は残りの回復ポーションを全部フェンリルにぶっ掛けた。
『何をする!? 貴様、我を殺さないのか?』
「殺さねぇよ。最初の方に言ったろ?『テイムされないか?』って。ほら、お前を上回ったぞ。返事を聞かせろ」
俺は返事を待った。
そして、3分ほど経って、フェンリルは口を開いた。
『我は、お主のテイムを受け入れる』
「おっけー。はい、『テイム』!」
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『フェンリル』をテイムしました。
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プレイヤー『ルナ』によって、『幻獣狼:フェンリル』が倒されました。
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ワールドアナウンスがあった。
「これから宜しくな? 『リル』」
『それが新しい名前ですか?父様』
は?
「えっ......だれ?」
そこには、狼の耳と尻尾が生えた、美少女が立っていた。
遂に...!遂にここまで来た!
作者は元々、ここまでを1章にする予定でした。
けれど、「なんか違うなぁ〜」って思い、2章にしました。...それだけです!
次回は新しい仲間とお話ですね。




