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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第11章 星塔の輝石
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星の女神・アステリア

ラスボスだぜっ!

『あぁ、この時を待っていましたよ。語り人』

『あなた達の輝きは、神界に居る私にも届いています』

『さぁ、その光を更なる輝きへと導きましょう!』



「いや、お前誰やねん。俺と同じくらい独り言が激しいな」



RPGらしく定型文をぶち込んで登場したのは、星塔の第100階層ボス『アステリア』だった。



さて、自分の心を落ち着ける為にも今の状況を再確認しよう。まず100層の景色から。


100層はこれまでの星塔とは違い、完全に天井が無い、屋外である。正しく塔の頂きと言ったところか。



そして俺の目の前に立ちはだかるは、背中から様々な惑星の球体を飛ばしている女神、アステリアだ。

髪が半分赤く、半分青い、瞳が金色の女の人だな。

身長は結構高く、俺と同じかそれ以上ある様に見える。


アステリアは右手に金色の直剣を、左手には宇宙の様に暗い色をしている槍を持っている。




『私はアステリア。この星塔の主である』


「へぇ。ちなみに過去、お前に挑んだ語り人は何人居るんだ?」


『2人だ。だが弱すぎた故、下界へ帰したぞ』


「多分犬子君とマサキだな。あの2人で弱いとは、アステリアさんって相当強い?」




『フッ、私は女神であるぞ!人間如きに負ける程、落ちぶれておらんわ!!』




耳が痛くなる程の声量でアステリアはそう言うが、それに異議を唱える者が4名ほど居た。



『アステリアさんってあんな方でしたっけ?もっと落ち着いてませんでした?』


『うんうん。昔は一緒に遊んでくれたし、あんな野犬みたいな性格じゃなかったよ!』


『随分と変わられましたなぁ』


『そうね。同じ星の神としては複雑な気分ね。私も他の神から見たら、あんな風に変わったのかしら』



『『『『う〜ん』』』』



付喪神ズは全員が元上級神との事だからな。過去のアステリアさんと照らし合わせて、このイベントでの雰囲気の違いに気持ち悪がっているようだ。


俺としても、作られた気持ちで戦うのは嫌だなぁ。



「アステリアさん、あまり取り繕わなくても大丈夫ですよ。戦いを楽しみましょう」



『なっ!私が攻撃しないからと言っていい気になって......許さぬ。許さぬぞぉぉぉ!!!』




うわ、なんかテンプレみたいに怒り出した。




◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

『星女神・アステリアLv900』との戦闘を開始します。◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇




ブォン!!



「あっぶね」



戦闘が始まると同時に、アステリアは急接近からの剣での振り下ろしを繰り出してきた。



『速いッ!?』


「なんでそんなバトル漫画の敵みたいなこと言ってんのさ。それにステータス的にはアステリアさんの方が上なんだから、これで『速い』は無いでしょ」


『余計な事を言うな!!!』



あ〜この雰囲気、俺は凄く既視感を感じるぞ。



そう、これはリルとの初戦闘の時だ。お喋りがメインになって、肝心な戦闘がサブポジションに行く、あの現象が起きている。




「ほらほら、その剣の長さはあなたの体格に合っていませんよ。もっと短い剣を持つと良いです」


『ほう......ならそうさせて貰おう』



やべ、あの剣は形状変化持ちだったか。思いっきり敵に塩を送ってしまった。



『フンッ!』


「よいしょ......と。『戦神』『クロノスクラビス』『グレイシア』『魔刀術: 紫電涙纏』『魔刀術: 清濁水纏』イブキ、血を」



流石に避けるだけじゃ戦闘が進まないからな。俺もガッツリ攻撃していこう。



『効かぬわ!』


「嘘つけ。2秒も動き止められてんじゃねぇか」


『気のせいだ!』



何だこの人。どうしてクロノスクラビスに縛られた事を強がりで無かったことにしているんだ?



「ほれ、ほれほれほれほれ」


『ンヌッ!......毒など効か......ん......』


「ざぁぁぁんねぇぇぇん!イブキの毒は最強の毒でぇぇぇす!!!あなたの状態異常回復も間に合いませぇぇん!」


『貴様......!!』



煽り散らかしている間にも行動詠唱で雷霆を使い、クトネシリカに使っている紫電涙纏にどんどん吸わせていく。



「ほれほれ」


『ぎゃぁぁぁ!!!』



再度、夜桜ノ舞でアステリアを傷付けると、夜桜ノ舞の効果によって不可視の斬撃が8回、追撃していった。



『おのれぇ......!』


「なになに〜?また喰らいたいの〜?しょうがないにゃあ〜」



雷霆を使う合間にクロノスクラビスを使い、事実上のハメコンボでアステリアを完封していく。


クロノスクラビスで生まれた2秒の隙にイブキで斬撃を加え、大ダメージで怯んだところで雷霆をクトネシリカに吸わせていく。


そしてアステリアが体勢を立て直す直前にクロノスクラビスを使い、またイブキで斬っていく。このコンボだ。



『ルナさ〜ん。私とセレナさんの出番がありませ〜ん』


「お前は仕事してないけど、セレナはきちんとやってるぞ」


『えっ!?な、何をしてるんですか?』



「後ろの球体に必中を付けてくれている。あの玉、絶対に攻撃か何か使うはずだからエイムを合わせて貰ってんだよ」



『そいうこと』



『んなぁぁぁ!?私だけニートじゃないですか!ニートメイドとか、それアリなんですかぁ!?』



「一定層には人気ありそうだな。ダラダラメイド」



『Oh......私の勤勉なイメェイジ......』



おやおや、声だけしか聞こえないというのに四つん這いで悲しみに打ちひしがれているフーの姿が見えるぞ。




「さて、初見の戦闘なのにハメコンボを開発してしまった訳だが、もうそろそろ終わりにしようか」


『アッサリ塩味でしたね〜』


『ようやく出番が来た!』


『ほっほっ、アステリア嬢には再教育ですな』


『ドンマイ星の神』



可哀想だぁ。アステリアさん、あなたにダメージによる怯みが無ければもう少しまともに戦えたというのに......恨むなら運営陣を恨んでくれ。


俺はただ、たまたま作った魔法と、たまたま作った武器がドンピシャで嵌っただけだからな。




「じゃあな。神界で会ったら宜しく。『神雷(しんらい)』」



『ぐぅ......ようやく、楽になれる......』




そう言葉を残し、アステリアはポリゴンとなって散る。





と同時に、俺は星塔から真っ逆さまに落ちた。




『ルナさんルナさんルナさんルナさん!何やってんですかバカぁぁぁぁ!!!』


『落ちてる!早く浮いてお兄さん!!!』



「うん。思いっきり足踏み外したわ。アステリアさんを真っ二つにしたかと思えば、俺の足が止まらなかったわ〜」



初めてのスカイダイビングだ。とても気持ちが良い。




◇━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

『星女神・アステリア』を討伐しました。

『月の輝石』×1入手しました。

『太陽の輝石』×1入手しました。

『金星の輝石』×1入手しました。

『星剣アステリア』×1入手しました。


レベルが5上がりました。


『戦闘系』スキルレベルが5上がりました。

『魔法』スキルレベルが8上がりました。

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

プレイヤー『ルナ』が星塔をクリアしました。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆



「美味しい!!!!」



ギルド戦のラスボス故にか、経験値の量が凄まじい。

これはリンカ達のレベリングにも使えそうだが、残念ながらリアル時間で今日がタイムリミットなんだよな。


悔しい。



『そんな事言ってないで早く浮いてください!死にますよ!?』


「え〜......仕方ないなぁ......おわぁ!」



フーに言われて仕方なくフラカンを発動させようとすると、俺の体が空中で停止した。


これはクロノスクラビスの効果か?何故?




「迎えに来たよ、ルナ君」


「ソル......」



どうやらソルが俺にクロノスクラビスをかけたようだ。

俺は空中でソルにキャッチされ、メテオラスに乗せて貰った。



『ふぅ、危なかったぁ』


『フー姉ちゃんだけに『ふぅ』って?』


『シリカさん。久しぶりに殺り合いますか』


『お、いいよ〜!シリカは売られた喧嘩は全部買う主義だからねっ!』



「やめなさい2人とも。元々は俺が原因でしょうが」



『『は〜い』』



「ふふっ、相変わらず2人は元気だね!」


「元気すぎるくらいだ......まぁ、居心地が良いから気にしないが」



暇さえあればすぐにお喋りするからな。脳が休まる事を忘れてしまったぞ。



「あ、ルナ君。星塔クリアおめでとう。本当に駆け上げっちゃったね」


「ありがとう。あ、99階の街を見たいんだが......「ご飯だよ」ッスよねぇ」



大体察していた。ソルが迎えに来たのって、晩ご飯が出来たからそれを呼びに来たのだろうと。




「仕方ない。ご飯の後にもう一度行こう」





俺は埋めたマップにピンを刺して、ソルの運転でギルドハウスに帰った。






◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

名前:ルナ

レベル:442→447

所持金:3,129,712L

種族:人間

職業:『ヴェルテクスギルドマスター』

称号:『スライムキラー』

所属ギルド:魔法士・Sランク冒険者

Pギルド:『ヴェルテクス』

所持因子:『稲荷』他6柱

所持技術:『魔力打ち』他多数


《ケリドウェンの叡智・学問》


HP:22,060→22,310

MP:22,060→22,310

STR:22,060→22,310

INT:22,060→22,310

VIT:22,060→22,310

DEX:22,060→22,310

AGI:22,060→22,310

LUC:11,025→11,150

CRT:100(上限値)


SP:1,540



『取得スキル』


戦闘系


『剣帝』Lv68→73

『魔剣術』Lv100

『弓帝』Lv72→77

『魔弓術』Lv100

『槍帝』Lv23→28

『魔槍術』Lv100

『闘帝』Lv25→30

『魔闘術』Lv100

『刀将』Lv97→100

『魔刀術』Lv100

『操帝』Lv41→46

『魔糸術』Lv100

『盾術』Lv80→85

『斧術』Lv15→20

『走法』Lv0

『手加減』Lv0

『戦神』Lv100



魔法



『獄炎魔法』Lv71→79

『海魔法』Lv49→57

『暴風魔法』Lv31→39

『大地魔法』Lv15→23

『電磁魔法』Lv100

『極氷魔法』Lv45→53

『光明魔法』Lv58→66

『暗黒魔法』Lv62→70

『空間魔法』Lv85→93

『自然魔法』Lv100

『龍神魔法』Lv93→100

『古代魔法』Lv1→9

『音魔法』Lv100

『妖術』Lv1→9



生産系



『神匠:鍛冶』Lv200(上限値)

『神匠:金細工』Lv200(上限値)

『裁縫』Lv100

『神匠:調薬』Lv200(上限値)

『神匠:付与』Lv200(上限値)

『木工』Lv97

『料理』Lv100

『神匠:錬金術』Lv200(上限値)



その他



『テイム』Lv92

『不死鳥化』Lv100

『マナ効率化』Lv0

『植物鑑定』Lv0

『毒物鑑定』Lv0

『動物鑑定』Lv0

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

布都御魂剣に発動させた清濁水纏は保険ですね。

HPを削りきれなかった時の切り札です。


さて、あと数話で11章が終わります。もう少しお付き合いを。



次回『不可視の街』お楽しみに!

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