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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第11章 星塔の輝石
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娘に挨拶

11章、最後の休息の前編です。楽しんでくれると嬉しいです!




「陽菜。初詣に行こう......ユアストで」



1月1日の朝8時。俺達の両親がまだ寝ている時間に、俺は陽菜を初詣に誘った。



「なんでゲームで初詣?」


「リアルは人が多いから」


「あぁ......」


「それに、リル達とも行けるからな」



また皆で和服を着て狐国に行こう。久しぶりに、神様に挨拶をしないと。


俺は梅昆布茶を淹れ、小さな湯のみに注いでから陽菜に渡した。



「ありがとう。リルちゃんって、そっちが本命?」


「......違う」


「絶対ウソだ〜!寂しくなっちゃったんでしょ?」



確信を持ったように言ってくるが、実はそうでもない。



「まだ寂しくない。陽菜が居なければ寂しくなるだろうが......まだ大丈夫」


「『まだ』って時点で、ちょっとずつ寂しく思ってるのは伝わるよ。ふふっ、お母さん達もまだ起きないし、やっちゃおっか」


「あぁ」



俺は陽菜の分の湯のみを持ち、キッチンの方へ持って行った。



「じゃ、行こう」


「ありがとう。そういう小さな気遣い、大好きだよ」



頬に愛情たっぷりのキスを貰ってから、俺達はユアストにログインした。


陽菜のキス、嬉しすぎてテンションが上がるね。




◇ ◆ ◇




「おは......そっか、城の方か......」



ユアストのログインすると、俺は城のリビングで目が覚めた。


確か、前回ログインした時は2人にギルド戦を手伝うように言ってから、直ぐに戻ってきたんだったな。




「誰も居ない」




「私は居ますけどね」


「シリカも居るよ〜!」


「忘れられては困りますなぁ」


「ホントね。新年早々酷いわよ」



俺が小さく呟くと、どこからともなく付喪神ズが現れた。



「すまんすまん。明けましておめでとう。今年もよろしく」


「はい!今年もよろしくお願いします!」


「あけおめことよろ!」


「よろしくお願いします。益々の活躍をお祈りしております」


「よろしく」



緩い。実に緩いが、この緩さが無性に居心地良いのだ。


あぁ、リル達はどこだ。まだ星塔で戦っているのだろうか。送り出した俺が言うのもなんだが、帰ってきて欲しい。



「へいへいへ〜い!ルナ君、リルちゃん達のお迎えに行くぜぇい!!!」



リビングの扉を勢いよく開けてソルが出てきた。



「あいよ。皆、戻ってくれ......よし、『転移』」



4人をそれぞれの武器に戻し、俺はソルを巻き込んで星塔の前まで転移した。



そして星塔の中に入り、テイムモンスター情報からマップを見て、リル達の方へ一直線に進む。



「いや〜、空を飛ぶのは気持ちいいね〜!」


「だな。他の人間が飛べない事も相まって、基本的に空は独占出来るからな」



現在、星塔の第2階層に広がる、大きな森の上空を飛行している。


空は基本、鳥とモンスター以外飛んでいないので、上手く航路を考えればエンカウント無しのストレスフリーで移動出来るので、非常に便利だ。


ただ、MPの消費は馬鹿にならんがな。




「──見付けた。何かデッカイ鳥と戦ってるな」



空を飛ぶこと10数分。サーチで鮮明に分かる範囲にリル達が引っかかった。



「ピンチかな?」


「いや、メルが居るから多分大丈夫。一緒に居るのもピギーだし、負ける方が難しいくらいだろ」




俺達は戦場の後方上空に待機し、戦闘が終わるのを待った。




「──お疲れ様!2人が居て助かったよ!」


「お疲れ様です。にしても今の鳥さん、中々にしぶとかったですね」


「ん。でもパパならワンパン」



そ〜っと近くに降りてみたが、お話に夢中でこちらに気付いていないようだ。



「え〜?流石に父様でも一撃は無理だと思いますよ?というか、最近のメルちゃん、父様に甘くなってませんか?」


「なってない。むしろパパがわたしにあまい」


「確かにそうかもな。俺は優しいと言うより、甘いからな」


「「あっ!!」」



後ろから声をかけると、2人揃って驚いてくれた。



「明けみゃりておめでとう。今年もよろしく」


「盛大に噛みましたね......明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします、父様」


「あけましたおめでとうございました」


「あけおめことよろ〜」



3人に挨拶をしてから、俺は辺りを見渡した。


第2階層の森の先に広がる、小さな花畑で戦っていたようだ。


足元には赤から青まで、色とりどりの花が咲き、その隙間から小さなモンスターがちらほらと目に入る。



「綺麗な場所だな、ここ」


「レアエリアだからね。ギルド毎に現れる場所が変わるんだってさ。まぁ、今日までなんだけど」


「博識なピギーだ。ハギーだ」


「変な略し方するの辞めてくれる?無知なルナ。ムルナ」



何故言い返してくるんだ。これではピギーも俺と同レベルだぞ。


こういう事は、言い返さない方が大人として捉えられるのに......勿体ない。



「ナムルみたいに言うなよ。それより初詣に行こうぜ。去年お世話になった神様にお礼と、今年が良い年になるようにお願いしよう」


「行きます!お稲荷さんに会いたいです!」


「おいなりさん?......たべるの?ならいく」


「ふふっ、メルちゃん。稲荷ちゃんは神様だよ。だから食べられないの」


「え〜......まぁ、パパがいくならわたしもいく」



う〜ん、可愛い。こんな事を言われて甘くならない奴、絶対いないだろ。

我が子にダダ甘になる全国のパパさんの気持ち、少し分かるぞ。



「よしよし。ピギーはどうする?」


「私はいいよ。初詣の前にハチドリの周回とPKしないと、ランキング維持がキツいから」


「そうか。じゃあ初詣が終わったら俺が星屑を集めてこよう。全階層ブッコロフィーバーすれば余裕だろ?」


「......その分恨みを買う事を忘れずにね。じゃあね。終わったらよろしく」


「あぁ。またな」




ピギーに別れを告げ、俺達は初詣をすべく狐国へ向かった。


あ、改稿の進捗ですが、現在126話まで進んでおります。

このままのペースですと、多分400話行くまでに終わ.....るのでしょうか。

終わると信じましょう!



さて、次回予告です。


次回『神様に挨拶』


お楽しみに!

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