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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第2章 アップデートと仲間
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その銀狼、満月に笑う 8

改行下手。

 



「え?幻獣?」




 目の前にいる狼の存在を理解した。



『ほう、人間は我をそう呼ぶようになったのか?』


「いや、知らん。俺、数人しか友達いないから」


『そうなのか? まぁよい。他に何か話すことはあるか? 冥土の土産に答えてやるぞ』




 マジかこの狼。なら遠慮なく聞こう。




「じゃあ3つ程いいか?」


『良いぞ。申してみよ』


「1つ目は、『幻獣』と今は呼ばれているらしいが、その前はなんと呼ばれていたんだ?」



 少し気になった事だ。多分、幻獣というのは語り人が出てきてから言われ始めたと思う。なら、その前は?



『ふむ。それは『神獣』だな。神の獣だ。まぁ、確かに神に近しいが、我は神ではないぞ』


「そうか。答えてくれてありがとう。では2つ目を、神はいるのか?」



 これは、少し前にスパーダさんが言っていた『神の加護』というのが、実際に神がいるのかどうかで変わる。もしいなかったらスパーダさんの言っていた『神の加護』とは何か。それが気になる。



『いるぞ。神はいる。それはお前達語り人の方が知っているのでは無いか? お前達が死なぬのは、その神の加護のお陰なのだろう?』



 う〜ん。分からん。多分、運営の事かな?それなら死なない、というより復活させているのが運営だから、神は運営ということになる。


 っていうかこの狼、『神のお陰なのだろう?』とか、疑問形で終わらせやがって。これで答えたら、『なら3つ目......』と言ったところで『さっき答えたでは無いか』とか言って殺しに来そうだ。




「では最後に、お前、俺にテイムされないか?」




『クハハ! 我をテイムだと? 出来ると思うか? 我はお前を殺す気でいる。殺す対象と心を通わせるとでも? 面白い。我をテイムするなら我を上回って見せよ。我を越える者ならば、我はそいつに従おう』



 うん。まぁ、予想してた。だってキアラが言ってたもん『友達は100%無理』って。


 それと上回るって無理じゃね?上回ったら殺してしまうぞ。そんな事をしたらテイムが出来ないじゃないか。これ、99%テイムは無理だな。


 まぁ、1%はある。俺は『手加減』スキルがあるからな。相手のHPを1残して攻撃することが出来る。ただ、それは『相手のHPを1になるまで削れるか』という部分で、1%にまで下がっている。






「じゃあ、やるか?」


『あぁ。2秒で殺してくれる』






 ――そして、戦いは始まる――







「はっ! 2秒生きたぞ!」


『お主、なぜ木魔法が使える!?』



 この狼、俺を殺そうとする時に跳躍して襲いかかろうとした。


 跳躍の予備動作は分かりやすい。だから戦いが始まった瞬間、蔦ちゃんで足を引っ掛けてやった。


 するとどうだ、見事にすっ転んだではないか!



「秘密だよ!!」



 そう言って俺は弓を射った。


 バキン!



『効かぬわ!』



 嘘だろ、この狼。矢を全部毛で弾きやがった。



「こっわ。ただの狼じゃねぇのか?」



 煽ろう。煽って狼の思考を乱そう。



『ほう、事もあろうにお主、我を挑発するか?』



 これ、効いてない体を装って本当は効いてるな?

 言葉の端々が震えている。



「犬っころ、お前、バカなのか?」


『貴様ァ!』



 めっちゃ効いてる。ってかやべぇ!早ぇぞこの狼!



「くっ!!」


『遅い!』



 狼の牙が俺に当たる寸前でなんとか避けれた。



「お前! は! バトル! マンガの! 敵か!」


『ふん、遅い上に弱いな』



 こいつ、わざと俺の攻撃を受けやがった。その上で挑発してきた。



「あーもう! 格上相手とかめんどくせぇ!」


 バシュン!


 ガキン!


『ほう、ようやく格上だと認めたか』


「んなもん出会った瞬間から認めてるわ!」



 この狼、お喋りが好きなのか? 油断大敵だぞ?


 まぁ、喋りながら撃った矢を全部毛で弾かれてるんだが。



『お主、認めよ。お主ではどう足掻いても我には勝てん』


「そうか? 俺はまだ勝てると思っているぞ」


『ほう。なぜそう思う?』



 ホントにお喋りが好きなのかな。



「だってさ、俺。語り人で最弱だもん」


『そうなのか? 我にはそうは思えんぞ』



 優しいな、この狼。



「俺、実はある称号持っててな? それに書いてあるんだよ。言おうか?」


『称号とな? 語り人はそのような物まであるのか? よい、申してみよ。』



 うん。君は俺の中で、お喋りな狼と認定したよ。




「あぁ、それはな? 『最弱無敗』だ」





『......む? 意味が分からんな。最弱無敗とはどういう事だ?』


「簡単な理由だよ。皆が簡単に強くなれる手を使っているが、俺はそれを使っていない。だから周りより弱いんだ」



 その代わり、成長はとんでもなく早いけどな。



『む? それだけでは無敗の説明は足りんぞ? お主、実は強いのか?』


「な訳ねぇだろ。言ってんじゃん、『最弱』って。最も弱いんだよ。それで無敗の理由はそのままだ。俺は負けたことがない。分かりやすく言うと、『HPが0になったことが無い』んだよ」


『そうか! 今まで無敗で生きていたのか、お主! ......だが、残念だったな。お主はここで敗北を刻む。無敗では無くなるな!』


「残念だな、お前の頭は。俺は『無敗』だぞ?それに、まだ2つ目のエリアで負けたくねぇわ!」






 はぁ......これは覚悟を決めるか。






「俺は、『最弱』を捨てるぞ!!」




 今までありがとうな、『最弱無敗』君。

 君が俺のところに来る要因となった最弱を捨てても、無敗が欲しいんだ。




 できれば、また俺のところに来てくれ。





『最弱無敗』に感謝を伝えて、俺は――









 俺は、『SPを振った』



『最弱無敗』よ永遠に― なんちゃって。

別に消えませんよ?最弱無敗君は。ただ、仕事量は減ります。またルナ君がSPを溜め込めば仕事量は戻るでしょう。ま、一つだけSPに関係なしに発動するのがありますが。



次回、ガチバトルです。お楽しみに!

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