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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第11章 星塔の輝石
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年末大掃除

そろそろ星塔の輝石も終わりに近付いています。




「メル、似合ってるぞ」


「うん!ありがとうパパ!」



メルに、銀色の龍が描かれている指輪を作った。

性能としては、ソルへ贈った『ヘラの指輪』の下位互換的な性能だが、メルの指輪『ディアナの導き』も神器である。


俺は神器量産マシーンなのだ。



「じゃあ戻るか。する事無いし、のんびり出来る......」


「のんびり、出来るとお思いで?」



メルを抱きかかえ、城のリビングへ向かおうとすると、フーに扉の前で通せんぼされた。



「大掃除を忘れてはいけませんよ」


「......城と家、どっちだ」


「りょ・う・ほ・う」



終わった。どちらか片方だけでも大変だと言うのに、このメイドはあろう事か、俺に両方やらせる気でいるらしい。



「と言っても、普段から私達がお掃除しているので、ルナさんがやるのはインベントリの整理くらいですかね」


「神よ。貴女が神でござったか」


「では、早めに動いてくださいね。星塔の事もありますし、あまりのんびり出来ませんよ」


「は〜い」



仕方あるまい。アフリカマイマイ。

お掃除するか。テスカトリポカ。




◇◇




「あぁ......ようやく終わったぁ!」



フーに言われ、プレイヤー個人のインベントリと家にある収納のインベントリを整理すること数時間。何とか『要る物・要らない物』を分け終わり、要らない物を捨てた。



「がんばったね、パパ」


「お疲れ様です、父様」


「あぁ、ありがとう2人とも」



城のリビングのソファで2人とグータラするこの瞬間が、1番生を実感するゥ!


そうしてゴロゴロモフモフとしていると、誰かが入ってきた。



「たっだいま〜!」


「ただいま〜......あっ」



「おかえり、ソルとミア。生産してたのか?」



「うん!あと星塔の限定素材も採ってきた!」


「限定素材?」


「そうそう。つ......ルナ君も喜ぶと思うよ?」



そう言って俺の横に座り、ソルは銀色に光る何かを取り出した。



「はい、プレゼントフォーユー」


「ありがとう。え〜っと、『月の欠片』ですとな?」



銀色の何かの詳細を開くと、そこには月の欠片と書かれていた。



◇━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

『月の欠片』(武器強化アイテム)


Rare:15


夜の星塔で稀に入手できるアイテム。

この欠片は地面に落ちている事が多

いが、空に浮かぶ月は満月である。


果たして、この欠片はどこの月の物か。◇━━━━━━━━━━━━━━━━━◇



「武器強化アイテムなんて初めて聞いたな」


「でしょ?ルナ君、既存の武器の強化を全然しないから、これを機に手を出すかな〜って思ったの。ふふっ」



何故、そう俺が目を落とす所に気が付くのか。

ソルは凄い。とても視野が広い。



「あ〜もう好き。大好き。やっぱりソルが()らんと俺はダメだぁ」



俺は月の欠片を大切にインベントリに仕舞ってから、ソルを抱きしめた。



「えへっ!私もルナ君が居ないと何も......ハッ!ミアちゃん!」


「あ、私は何も見てないので大丈夫ですよ」



椅子に座り、両手で顔を覆いながらこちらを見ているミア。


どう見ても、指の隙間から見えているんだよな。



「しゃ〜ない。リアルの方でソルニウムは補給するとしよう」


「じゃあ戻る?」


「あぁ。あっちでも掃除しなきゃだしな。じゃあミア、お疲れ様」


「お疲れ様です」


「またね!」



俺達はミアに挨拶をしてからログアウトした。


リルとメル、寝ていたから何も言わなかったけど、起きたら何か言われそう。ごめんね。




◇ ◆ ◇




「疲れた」


「大掃除は重労働だもんね。よく頑張ったよ」


「俺、もう三賀日が明けるまでは何もしない」



現在、大掃除が終わり陽菜の膝枕で休憩中。俺は体力の全てを掃除に使った。



♪〜



「あ、電話だ。陽菜取って〜」


「もう、しょうがないなぁ。はい」


「ありがとう......もしもし」



『もしもし月斗?』


「何ですかマイファーザー」


『正月、家に帰るのか?』


「帰ってきて欲しいなら帰るよ。正直、陽菜との生活から離れたくない」


『母さん!悲報だ!月斗が家族より陽菜ちゃんを取ったぞ!!!』


「音割れしてんじゃん」



正直に答えただけだと言うのに、騒がしい父親である。



『え〜、じゃあ父さん達が月斗の家に行こうか?』


「なんで?」


『年末年始ぐらいは家族に会いたいと思いませんか?』


「......思うけど、そっちが来るのは陽菜に負担がかかるだろ」


『じゃあ月斗達が帰ってくるのか?』


「う〜ん......陽菜に聞く」



俺は携帯電話を耳から離し、ずっと俺の頭を撫でていた陽菜に聞いてみた。



「私は別にいいよ?別におばさん達と会うのって、全然負担にならないから」


「本当に?気疲れしないか?」


「大丈夫だよ」


「......しんどくなったら言えよ」


「うん!」



なんて素敵な恋人なのでしょう。俺が陽菜の立場なら、太一さん達と会うのはかなりの負担だ。

こう、一瞬も気が休まらない戦場に立っている気分になる。



「父よ。そちらがこちらへ来てください」


『うぃ〜。おせち持ってくから、楽しみにな』


「うぃ〜。陽菜に伝えとくよ。じゃあ、来る時は気を付けて」



という訳で、俺の両親がやって来る事となった。



「陽菜、母さんがおせち持ってくるらしいぞ」


「本当に!?じゃあ食べ比べになるね。私のおせちとおばさんのおせち。どっちが月斗君の好みか......!」



結果は見え見えだけどな。

ヒントは俺が陽菜と離れたくない理由の一つだ。




「はぁ......今年もあと1日か」


「だね。思い残した事はない?」


「無いな。陽菜と付き合えてから、生活の色が変わったからさ。また灰色に近い生活を送るのは......無理だ」




4月。ここが人生のターニングポイントだ。ハッキリと言える。



始業式の日に陽菜と再会......という名の仕組まれた出会いを経て、それからユアストで沢山遊んだ。


正樹とも仲良くなれたし、4月から俺の表情は笑顔が増えたはずだ。



そしてそれからは、娘第1号のリルをテイムし、フーも仲間になった。

武術大会では無敗で優勝し、ギルドハウスとなる城を貰ったな。




「こうして考えると、ユアストの時間加速8倍ってヤベェな」


「濃いよねぇ」


「あぁ。5年分くらいの変化を8ヶ月で浴びた気分だ」



特に娘2人。これが大きいかな。



「娘......いつか欲しいな」


「そ、そうだね!」


「今後の陽菜との人生が楽しみだ」



ワクワクしますなぁ。これからの変化を楽しめるように、色々と考え方を増やさないといけないな。



「さ、寝るか。明日父さん達が来るだろうし、2人でゆっくり出来るのは今日までだ」


「う、うん!」




そうして陽菜と一緒の布団で寝た......特に何も無く。






「何も......無かった......」

今回のお話を書いている時、ゆずあめはいつものように紅茶を淹れていました。

お湯を沸かしながらティーパックを棚から取り出し、マグカップにセットする簡単な作業。

ポットから「カチッ!」と音が鳴り、私はお湯を注ぎ、紅茶を抽出していたのです。

仕上げはいつもの牛乳。コイツで紅茶を締めるのです。


そう、私はミルクティーが大好きなのです。



そして事件は起こる──



なんとこの牛乳パック、中には牛のミルクではなく、本来捨てるはずの油が入っていたのです。


家族によるイタズラか、はたまた間違えて冷蔵庫にしまったのか。

冷えて固まる前の油が私の紅茶へダイブしていきました。


「あの時、流石の私も驚きましたねぇ。今度、家族には油を捨てる時はパックを全て開いてから入れるように言います」


ゆずあめは、そう語ったようです。 end



次回『両親vs両親vs俺』お楽しみに!

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