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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第11章 星塔の輝石
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メルちゃんは甘えたい!

ゆずあめは月曜日より火曜日の方が憂鬱になります。




「メル!『スロウチェイン』『遅炎』『ネヴァンレイン』」


「ありがとうパパ。『滅光』」



メルの援軍に来てすぐ、俺はデバフの魔法をこれでもかと敵にかけた。


5頭のフェンリルは勿論のこと、フェンリルをテイムした今日犬子(こんにちわんこ)君本人にもデバフをかけさせて貰った。



「ソルとリルはあっちの2頭を殺れ。こっちの3頭は俺とメルでやる」


「分かった!」


「分かりました!」



手早く2人に指示を出し、フェンリルのHPを削っていく。



「フー、おいで」


『はい。ここに居ますよ』


「ありがとう。『戦神』『魔刀術:雷纏』」



明確な意志を持つ敵だからな。ちょっとの油断が死に直結する。



「ん。『テンペストブレス』」


「『(らい)』」



メルと同じタイミングで魔刀術を使い、フェンリルを1頭ずつ倒していく。

デバフが聞いている内に終わらせないと、ひっじょ〜に面倒臭い事になるのは目に見えてるからな。


犬子君、ごめんよ?






「さて、犬子君。どうして貴方は1人でこちらに?」


「......仕返しさ。秘密兵器で、2人くらいは倒そうとね。でも、全部君にバレていたよ」


「う〜ん、知ったのはメルを送る少し前ですけどね。漁夫の利や、第2ラウンドを始めても大丈夫なように、ちょっと周囲を見ていたら犬子君を見付けただけです」


「周囲......君の周囲の範囲、おかしくない?」


「おかしいですよ。おかしくなきゃ、やってらんないのでね」



生き残る為に全力を尽くすなら、意地でも『1歩引いた考え方』をしないとならない。

すると当然、前に立ち続ける人とは違う考え方が出来る。


それが今回、たまたま『全力サーチ』だっただけだ。



「まぁ、取り敢えず今日のところはこれで帰ってください。殺したらデスペナで暇になるでしょう?」


「殺さないのかい?」


「えぇ。前は挨拶する前に消しましたから、今回はその補填です」



テスカに変身している時、この人に見破られたからな。

ちょっとカッとなって、滅光で消しちゃったのだ。




「分かった......ありがとう」




それから犬子君は何も言わず、綺麗に回れ右をして帰って行った。





「殺らなくていいの?」


「いい。ランキングも1位だし、もう少し星屑を集めてもらってから殺る」


「うわぁ......ルナ君、鬼だ......」



失礼な!旬の魚を釣るのは当然の事だろう?


痩せて身がパサパサの魚より、旬の時期で脂が乗り、身がプリップリの魚の方が良いに決まってるダルルォ!?


おっと、失礼。



「さ、帰るぞ。今日はもう帰って、生産でもし「だっこ」......はいはい」



3人を連れて転移しようとすると、メルにご褒美の抱っこをせがまれた。



「あ〜!ズルいです!私も抱っこしてください!」


「ダメ。きょうのパパはわたしのだから」


「「「え?」」」


「きょうはずっとだっこしてもらう」



マジかよメルさん!俺、今日1日ずっと抱っこしていなきゃいけないのか!?



「パパがいったもん。『気が済むまで抱っこしてあげる』って。だから」



そうでした。僕が原因でした。



「ル〜ナ〜く〜ん?」


「どうしたソル」


「明日は私を抱っこして!」


「体が大きすぎて無理だ......お姫様抱っこなら良いけど」


「ならお姫様抱っこで!」



どんどんレベルが上がるではないか。俺としては問題ないが。



「その代わりに別荘から出れんが......良いのか?」



「うっ......明日は............リンカちゃんに......生......産を教え......くっ!」



「はい、敗北者。リルは対抗するか?」


「大丈夫です。父様の近くに居られればそれで良いので」


「あら大人。ソルが反面教師になっているのかしら」


「うっうっう......いいもん寝る時に抱きつくもん」



おぉ、リルの大人パラメーターが上がる代わりに、ソルの大人パラメーターがグングンと下がっていくな。


今日はメルが甘えん坊モードだが、次はソルかもしれない。




◇◇




「あぁ〜、やっぱり家は落ち着く〜」


「おちつく〜」



今は星塔から帰り、別荘でロッキングチェアに揺られている。


膝......と言うよりお腹の上にメルを乗せ、島の暖かい風を感じていた。



「あ〜、そろそろ龍核を集めに行かんとならんなぁ」


「パパ、メルにいっぱいくれるもんね」


「あぁ。正直、生産に使うかメルにあげるかの2択しか選択肢が無いからな。生産は時々ミスするから、メルにあげた方が確実なんだよ」



錬金術で失敗した時とか、使ったアイテムが全部消えるからな。


今まで何個の龍核を無駄にしてきたか......あ。



「あ、別にメルが絶対に失敗しないって思ってる訳じゃないからな。時には失敗して、龍核を10個くらい無駄にしてくれて構わん」


「そんなしっぱいはしない」


「『してもいい』なんだよ。失敗や敗北を知らないと、成功や勝利に対する価値観はひねくれた物になる。俺はメルに、そんな子に成ってほしくないだけだよ」



一時期の自分がそうであった事から、メルやリルには等しく失敗を学んで欲しい。


俺を反面教師として、真っ直ぐに育ってくれ。



「にしても、メルの髪はサラサラだなぁ。撫で心地最高だぁ」


「ふっふっふ。ママがまいにち『お手入れ』するから、ちょ〜きれいでしょ?」


「綺麗だぞ」


「むふふ」



今日はやけにアクティブな甘えん坊モードだ。珍しい。



「あ、そうだメル」


「なに?」


「メルはアクセサリー欲しいか?気まぐれだが、久しぶりにアクセサリーを作ろうと思ってな」


「ほしい。カッコイイのがいい」


「了解だ。にしてもカッコイイのか......何だろう。腕輪や指輪かな」



見た目に拘ると言うことは、身に付けている時に自分で見れた方が良いだろう。

そうなると、髪留めやイヤリングは自分で見るのが難しいから辞めておこう。


だから指輪や腕輪などの、自分で見れる物の方が良いだろう。



「ママのゆびわ、カッコイイからあんなのがいい」


「おっほ......ゃく指輪か。流石にあの指輪クラスの物は無理だな。込める想いが違うから」


「ん〜、でもにたようなものがいい」


「分かったよ。じゃあ早速作りに行......はいはい」



椅子から立ち上がろうとすると、メルが足を絡ませて落ちないように抱きついてきた。


こいつァ大変でぇい。本当にずっとくっ付くつもりのようだァ。




仕方がないので、ちゃんと抱っこしてから城へ向かった。




ジカァイ『年末大掃除』オタノシミニィ.....(ねっとり)

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