表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第11章 星塔の輝石
343/492

全面戦争・中編

前後編にしようか悩みましたが、やっぱり中編もぶち込みました。


楽しんでくださいね!




「おや?誰も死ななかったか。残念極まりないが、仕方がない。この手で斬るとしよう」



俺のギルド、ヴェルテクスとプロゲーミングチームのストレリチアが戦っている中、その中心地点に俺はぶっ飛んで来た。



『お兄さん、それ悪役のセリフだよ?』


『そうですよ。ここは『私が来た!!』って、腰に手を当てて言うんですよ』


「おいフー、それはアカンやつや。ってかいつの間に出てきてんだよ」


(いくさ)ある所にフーあり、ですよ』


「なんやそれ......まぁいい。アシスト頼むぞ、2人とも」



『『ラジャー!』』



相手が俺を狙う前に素早く行動を起こし、腰の左側に布都御魂剣と夜桜ノ舞を、右側にクトネシリカを、背中にはアルテを装備した。


ガッチガチの戦闘編成だな。



「リル、メル、アルス。ソル達の所へ行け。時間は俺が稼ぐ」


「「はい!」」


「御意」



メルに氷龍核を渡し、3人を後ろの方へ走らせた。


さぁ、そろそろやろうか。全面戦争。




「シリカ、『魔刀術:紫電涙纏』フー、『魔刀術: 氷塊煙纏』イブキ、血を」



クトネシリカからは紫色の雷が滴り、布都御魂剣からは塊のような冷気を発し、夜桜ノ舞は赤黒くオーラを纏った。



「『戦神』『不死鳥化』......ふぅ」



今の俺は相手から丸見えだろう。だが、それでいい。


アクションを起こされない限りは俺がこの戦場を支配する。



『敵、右前方に5人。左前方に5人です』



「あぁ......」



魔刀術の奥義を2つも維持をするのは中々に大変だ。

頭の中で常に何かが動いているような、そんな感覚を与えてくる。


頑張れ俺。刀を抜いて敵を斬る。それだけで良いんだぞ。




──あ、解決策み〜つけた。




「ははっ......『雹霹(ひょうらい)』」






今日犬子(こんにちわんこ)side◇






「マズイ」


「何が?」


「ルナさんが来てしまった」


「大丈夫だろ。人数的にも俺らが有利なんだし、親玉が来た感じじゃねぇの?」



僕は今、爆発的に広がった土煙の中から、銀色に輝く髪を見付けた。そしてその中から、金に輝く目がこちらを見るのが分かった。


蛇に睨まれた蛙とはこの事なのかな。一瞬で鳥肌が立っちゃった。



「リキヤ君。君は8人を連れて逃げた方が良い。君達ではあの人には勝てないよ」


「そんなに強いとは思えんがな。だってよぉ、強いならもう仕掛けてきてるはずだろ?それでも来ないって、ルナも仲間に何か連絡取ってんじゃねぇか?」


「......違う気がする。僕は何か、準備しているよう......に......伏せろ!!」



僕が仲間であるリキヤ君の腕を掴み、何かが動く寸前に小さな丘に隠れた......はずだった。


僕が隠れた瞬間、青白い光が辺りを包み込んだ。



「間に合わなかった」



隣にいたリキヤ君は、僕が腕を引いたにも関わらず、首を綺麗に真横に斬られていた。

それも、体全体を凍らせるオマケ付きで。



「もしかして腕を掴まれたタイミングを見られたのか?」



いや、違う。多分予測だ。あの人は僕が腕を引く事を予測して斬ったんだ。


恐ろしい。僕はただ戦慄する。


世の中にこんな人間が居るのか。10人の動きを予測し、とんでもなく集中力を使うであろう技を使い、相手を倒すなんて......



「ふっ、僕も散々やって来たじゃないか。カムイ、頼むよ」



そう言って僕は愛犬である、フェンリルのカムイを呼び出した。



『飼い主。悪い事は言わねぇ。ここは引け』


「いやぁ、それも考えたんだけどさ。僕も命を懸けて戦いたいなって」


『ハァ......飼い主、お前はアイツの怖さをまだ知っていない』


「怖さ?」



何だろう。ルナさんの怖さ......と言うより、強さは知っているつもりだけど。



『アイツ、上位神を付喪神に降ろしている。それも、あと少しで最高神になろうって者も』



僕はカムイの言いたい事が分からず、眉を寄せた。



『これが理解出来ない時点で飼い主はまだ弱い。神界について、よく学ぶといい。そしてあの銀色の人間、匂いからして怒龍をテイムしてやがる』


「どりゅう?」


『高位の悪魔の怒りから生まれた、真っ黒なドラゴン。正しく呼ぶならラースドラゴン。

今の飼い主じゃ......そうだな。20時間くらいかけて、ようやく生命力の1割を削れるってとこか。それくらい硬いドラゴンの事だよ』



な、何それ。今まで結構な数のエリアを解放してきたけれど、ラースドラゴンなんてモンスター、聞いた事すら無い。


未開放のエリア......じゃない。もしかして未攻略のダンジョンのモンスターか?



「ル、ルナさんはそれを倒したと?」


『倒す?なにバカ言ってんだ。テイムだよ、テイム。飼い主もやったろ?俺をボコボコにし、テイムを受け入れるまで何度も何度も挑戦する......それをアイツは、俺より遥かに強い奴でやってるんだよ』


「それって今の僕で『無理だ』ですよね」



分からないな。ラースドラゴン。彼はそのドラゴンを出してくれるだろうか。




「さぁ、そろそろ僕も......あれ?」




僕も戦おう。そう言おうとした瞬間、足が動かない事に気付いた。


そして僕の横に居たはずのカムイの首が僕の元に転がり、光となって僕の中に戻っていった。




「あ、お話終わりました?残りは犬子さんだけなんですが、もう殺っちゃっていいですかね?」




僕の横から、純粋な笑顔で僕に語りかける存在が居た。




「やっぱりフェンリル、カッコイイですよねぇ。強いし可愛いし、なんてったってモフモフですもんね。俺も、リルをモフっている時が1番生を実感しますよ」



な、何を言っているんだ?この人は。


というかどうしよう。どうやってこの場から逃げよう。


転移?


......無理だ。僕はまだ、空間魔法を取得していない。


では走る?


そんなの出来たらやっている。だけど足が凍って動かないんだ。



あぁもう!この状況はどうしたら良いんだ!?



「犬子さん。どうしてこんな戦いが生まれたんですか?後からウチのメンバーにも聞きますが、何故、こんなに規模の大きそうな戦いをしたんですか?」



こ、これなら答えられる。よし、よし。



「そ、それは星屑集めですよ。常に2位に立っているヴェルテクスから奪えば、ストレリチアはより高いポイントで1位を維持出来るのでね」


「なるほど〜、そういう事ですか〜」



ルナさんは、何か気の抜けそうな、そんな声で答えた。



「う〜ん、まぁいっか。じゃあね、犬子さん。このギルド戦の間、いつでもウチを狙ってもらって構いません。今回は前哨戦。お互いの手札の見せ合いっことしましょう」


「は?」




「取り敢えず、初戦は俺達の勝ちという事で。お疲れ様でした」




その言葉が聞こえた瞬間、僕はディクトにある、ストレリチアのギルドハウスにリスポーンした。






フェンリルは往々にして知識欲が深く、賢いです。

それ故にラースドラゴンの事も知っているので、犬子君に警告していましたが.....残念。


次回は後編です。つまり、戦闘です。


次回も楽しんでくれるとハッピーです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ