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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第11章 星塔の輝石
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私は強いもんっ!

朝に投稿できなかった.....( ´:ω:` )




「リル。俺の可愛いリル。どこへ行ったんだい?」


「上です」


「あぁ、肩車をしていたんだったッ!ンッハァァン!忘れていタァ〜〜〜ヨッ!」


「何ですか?その喋り方は」


「ただのお遊びだよ。それよりも久しぶりのピクニックなんだ。もっと遊ぼうぜ?」


「はい!」



日付が変わり、12月の26日。今日はソルとリルとメル、そして俺の4人でピクニックに来ていた。


使用人ズとギルドメンバーズも置いてきて、完全に家族でインフィル草原までピクニックを楽しみに来た。




「メルちゃん、パパ達行っちゃったね」


「だいじょうぶ。どうせリルちゃんにつれもどされるから」


「それは流石に無いんじゃ──ホントだ」




「父様、そっちへ行きました!早く走ってください!」


「ちょっ、待っ、どこ......あ、居た!!」



リルを肩車して歩いていると、リルがアルミラージの子供を発見した。

俺は今、敢えてサーチを切っているので肉眼に頼っているのだが、これがまぁ見えないこと。


肩車をされているリルの言葉を頼りに、俺は走っている。




『キュキュッ!』



追いかけること数分。1本だけ孤立している木の元でアルミラージが歩みを止めた。



「ふふふ、大丈夫です。私は怖くないですよ〜」


「俺も怖くないですよ〜」


「いや父様は怖いでしょう。小さい者は、大きい者に恐怖を抱くのですよ?」


「え......俺、怖い?」



『キュ?』



アルミラージに問い掛けてみると、小さな首を捻って応えてくれた。



「なぁリル。リルにとっての俺は怖いか?」


「怖い訳無いでしょう。暖かく、優しく、強く......だけどどこかが抜けている、そんな存在です」


「それヒロインのセリフだぞ......全く。さて、ソル達を呼ぶとするか。アルミラージ君、メルに食べられる前に去ると良い」



『キュ!』



アルミラージの赤ちゃんは小さく返事をし、木の裏に回ってから走り去って行った。



「あぁ、アルミラージちゃん......」



去って行くアルミラージを、悲しそうな目で見送るリルの頭を撫でた。



「出会いがあれば別れがある。あの子が強く生きていける事を、祈るしかない」


「はい......お元気で、アルミラージちゃん」



人はこう言った小さな経験の積み重ねで成長すると、昔に本で読んだ。

野生の動物と人間の住む環境の違いから、相手を思っての別れが大切だと、そう理解するのが大事だと。


リル、大きくなれよ。



「ほら、ソルの所まで戻ろう。今日はいっぱい遊ぼうな」


「はい!」






◇◇






「ほっしくっずほっしくっずランランラ〜ン♪」


「元気ですね、ルナさん」


「何か良い事があったんじゃない?珍しいよ、こんなルナは」



ゲーム内で翌日。俺はミアと翔と共に、星塔の()()に来ていた。


現在は西に進み、砂漠エリアを探索中だ。



「本当にこんな所にボスが居るのか?」


「居るらしいよ。第2階層は海が広がっているんだってさ」


「ほ〜ん。ボスの情報は?」


「欲しいの?初見の楽しみ、要らない?」


「じゃあ辞めとく。砂漠のボスとなれば、予想するに......デスワーム?」


「う〜ん、伝説。まぁ僕も調べてないから分かんないや。ミアはどう思う?」


「え、私ですか?私はまだ、普通のエリアで砂漠まで行ってないので......分かりません」



ミアが俯いて小さく呟くので、俺は少しの違和感を感じながら答えた。



「俺も砂漠は見た事無いな。そもそもあるのか?砂漠」


「あるよ。犬子(わんこ)とマサキの合同パーティが西に砂漠エリアを見付けてる」


「「へぇ〜」」



物知りだな〜、翔君は。僕ちん、翔君に感謝してるよ。



「何か誰かにバカにされた気がする」


「それは俺だな。で、ボスがこの先に居るっぽいんだが......敢えて言おう。俺は天才であると」


「はい?」


「どしたん?ルナ」




だってさ。サーチでちょっと覗いたんだけど、ボスの正体が──




「だってボスがさ、マジでデスワームなんだもん」




『ギシャシャシャシャシャ!!!!!!』




「「キモイキモイキモイキモイ!!」」



俺の前方40メートル先から、超巨大な芋虫が現れた。



「あ、無理なら俺がやるぞ。ムカデなら俺は無理だが、芋虫ならまだ大丈夫だからな」


「あ〜じゃあ僕パスで」


「わ、私はやります!」



青い顔をした翔はそっと後ろへ下がり、翔より青い......いや、白い顔をしたミアは前に出た。



「辞めといた方が良いぞ、ミア。アイツは弱いと思うが、戦ってて楽しくないなら戦わない方が良い」


「で、でも......私は強いもんっ!」


「あ〜......まぁいいか。ヒカリ、おいで」



『はいは〜い!どしたの主〜』



「ミアを守れ。足が震えてるから、攻撃喰らいそうだったら首根っこ咥えて空を飛んでくれ」



『了解なり〜!』



ヒカリ、暫く見ないうちに大きくなったなぁ。近い内にライトニングドラゴンへ進化するのかもしれんな。



「じゃ、翔ちゃんは後ろで寝てな」


「うぃ〜」


「ミア。厳しいだろうが耐えろ。頑張れとは言わないぞ」


「は、はいぃ......」






◇◇






『ギシュァァァ!!!』




「うひぃぃぃぃ!!!」


『ちょっと〜!暴れないでよね〜!』


「ごめんなさぁぁぁい!!!」



デスワームとの戦闘が始まり、5秒もする頃にはミアは腰が抜けていた。

だから今は、ヒカリに咥えさせて移動砲台となってもらおうと思っていたのだが、それすらも困難の色が見える。



『ヒカリ。お前はミアを連れてデスワームの意識を誘導してくれ。2秒で終わらせる』


『おっけ〜!』



俺はヒカリに念話を送り、デスワームのヘイトを買ってくれている間にサンダーをこれでもかとチャージした。



「鼓膜破壊ASMR行きま〜すっ!『戦神』『サンダー』!」



MP約2万を注ぎ込んだサンダーを使った瞬間、俺達3人の『音』という概念が消滅した。



「 」



ダメだ。自分の声も聞こえない。完全に耳が逝っている。




◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

『スター・デスワーム』を討伐しました。

これにより、『星塔』の第2階層を解放します。

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇




あ、ウィンドウ出た。仕方ない。ステラちゃ〜ん、癒しの光、お願いしま〜っす!



「「あ、聞こえた」」


「ふぃ〜、お疲れさん。やっぱり全員鼓膜が逝ったな」


『主〜!ヒカリ頑張ったよ〜!褒めて褒めて〜!』



聴力が戻った事に安堵していると、俺の脇腹をヒカリが鼻で突っついてきた。



「はいはい。ヒカリもお疲れさん」


『んぅぅ〜!!』



優しく頭を撫でてやると、気持ち良さそうに声を出した。


くっ、コイツ......ワイバーンの癖に可愛い......だとッ!?



「それじゃあヒカリ、また後でな」


『うん!バイバーイ!』


「ばいば〜い」



ヒカリが小さく翼脚を振ったので、俺も手を振り返してから戻した。



「ふふっ、今のルナさん可愛かったです」


「確かに、今までとは違う雰囲気を出てたね」


「何だよお前ら。俺だってペットと遊ぶ時はあるんだぞ〜」



「「ペット?」」



「あぁ、ペットだ。特にヒカリは、飛行と火力を備えている優秀なペットだぞ」



「なんか......いや、はい。うん......ちょっと言葉に出来ないです」


「良い奴から一瞬にしてクソ野郎に評価が落ちた気がするね。まぁ、ルナの事だし何かしら頭に入れて動いてんでしょ。知らないけど」



あ、やべ。マジで何も考えずに言ってんだけど、これを言えば更に評価落ちるよなぁ。黙っておこう。




「ほら、ヒカリの事は一旦置いて、今は星塔攻略に尽力しようぜ?階段、登っちまうぞ?」


「あ、今行きます!」


「待って〜」



デスワーム討伐後に現れた上に登る階段を1段踏むと、2人が慌てて駆け寄ってきた。


そして足並みを揃えて階段を登ると、視界が光に包まれた。





「「あ、暑い......」」


「お、火山エリアか〜。良いのを引いたな、これ」




俺達が飛ばされたのは、星塔第2階層、火山エリアだった。

塔なので、勿論階層があります。

星塔の最前線を走っているのは、皆大好きマサキ君と犬子君のパーティです。

彼ら、なんやかんや合同で動くので、進むスピードだけは誰よりも早いんですよね.....



では次回!『焼き鳥』お楽しみに!

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