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Your story 〜最弱最強のプレイヤー〜  作者: ゆずあめ
第2章 アップデートと仲間
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その銀狼、満月に笑う 7

遂に!

 



「オークじゃん、めんどくさ」



 午後の狩り一発目のモンスターはオークだった。ついてないな。



「あーあ、ソルがいたら楽なんだがなぁ......」



 オークの攻撃は強くて早いし、肉は柔らかいがHPが多くて倒すのに時間がかかる。


 ここにソルがいたらソルの超高火力の弓で、大体5発程度で倒せるのだ。



「しゃーない、頑張ろう」



『上質な豚肉』がドロップすることを祈って。




「よし、『茨よ』!」



 まずは茨ちゃんで転ばす。が、



「えっ嘘!?」



 オークが重すぎて、茨ちゃんでも転ばす事は出来なかった。



『ブモォォォ!』


「あーあ、怒ってら。弓でペチペチやるか」



 俺は剣を持ってオークの元へ走る。



「やぁ豚君、ごめんね?」



 そう言ってから右足の裏にある筋を切る。



『ブモォ!』


「はいはい、もう一本ね」



 左足の裏の筋も、右足同様に切った。



『ブモォォォォオ!』


「すまんな」



 俺はオークから離れ、弓を構える。


 バシュン!

 バシュン!

 バシュン!


 とりあえずセクスタプルショットを3回放った。



『ブモモモォ!』



 18本の矢が全て頭に刺さり、ハリセンボンみたいになったオーク。



「ありゃ、やっぱり18じゃ足りんか」



 やっぱりオークのHPはバカみたいに多いなぁ。



 そんな事を考えたいたら思い出した。



「あっ!!!! 二刀流試してねぇ!!」



 完全に忘れていた!せっかくフェルさんから武器貰ったのに一切使ってない!



「よし、オーク......死ぬなよ?」



 そう言って弓を仕舞い、アイアンソードを2本取り出す。


 左手に持つのが、高性能の方だ。利き手が右だからな。師匠の教えで左手でも剣は扱えるが、二刀流はやった事がなかった。



「リザルトのスキル習得のみオンにしてと」



 もし二刀流がスキルとしてあるなら、習得できたか知っておきたい。



「さぁやるぞ!! って思ったが、どう構えればいいんだ?」



 構え方が分からない。師匠は二刀流はやってなかったし、スパーダさんもやってなかった。



「要研究だな。とりあえずの構えでやろう」



 右手の剣を中段に、左手の剣を逆手に持った。



「これ、真っ直ぐ斬るの難しいな」



 少し素振りをしてみたが、中々『これだ!』って動きが決まらない。



『ブモォォ!』


「まぁまぁ、少し待ってくれハリセンボン君。君のお陰で俺は新しい戦い方を学べそうなんだ」



 そうして何十回も、構え方を変えては素振りをし、上手くいかなければまた構え方を変える、ということを繰り返した。




 そしてオークとの戦闘が始まって1時間程がたった頃、



「これだ!!!!」



 来た!決まった!この構えは良い!

 力が入り、剣筋は真っ直ぐに、そして剣を振りやすい構えが開発できた。


 その構えは、両腕を真っ直ぐに下に下ろし、手首だけを上げて剣を持った構えだ。


 切っ先は敵に。腕はリラックスして下ろせている。これなら構えで腕が疲れることは無い。手首は疲れるがな。



 普段は下ろすようにしよう。




「待たせたな、ハリセンボン君。お別れの時だ」



 そう言って俺は右の剣で切り上げ、左の剣で突く。


 ポイントは交互にやる事だ。

 本来、剣1本でやる、攻撃と攻撃の間に、左手の剣で攻撃をするのだ。


 単純計算で2倍の速度で攻撃をする訳だ。



 そうして何十回目かの斬撃でオークはポリゴンとなって散った。


 気になるスキルは......?






「ない......のかな。二刀流スキル」



 マジか......無かったか。まぁ、剣を2本持つ以外は普通の剣術と同じだもんな............



「ま、いいや。単純に剣撃のバリエーションが増えたし」



 考えてもみる。


 相手は右手の剣1本で戦っていて、その相手を追い込んだとしよう。

 そして相手の左手へ攻撃を与える――その瞬間に左手に剣が握られたら。

 


 ここで意識を二刀流使いに向ける。



 すると相手はまず、驚くだろう。驚かなくても相手の意識はそっちに向けられる。そうすればそこから勝機が生まれる。


 それに、格上相手に勝つには、虚をつくしかないのだ。


 これはビギナーズラックでよくある事だ。


 格上の相手というのは、自分自身の『型』もあり、ある程度、相手に対しての『型』もある。


 だが初心者は自分の『型』がない。故に不規則なのだ。そして格上が『こいつはここで攻撃する』と考えていても、初心者は攻撃せずにいて、格上相手の思考を乱せる。そして運良くそのタイミング―虚をついたタイミング―で攻撃して、格上相手に勝利を得るのだ。




「大事なのはまぐれではなく、俺自身の意思で虚をつけるか、だな」




 俺はショートカットインベントリ操作は毎日練習しているからな、日々上達して今では0.1秒で剣を取り出すことは出来る。



「剣、それもアイアンソードだけか」



 だって名前が『ア』から始まるんだもん。1番上にあるから選択しやすいのだ。


 お気に入り登録とかあれば、いいなぁ。




「よし、二刀流を考えるのはここまで。大分タイムロスしたな、早く狩りに戻ろう」






 思考を切り替え、俺は狩りを続行した。






 夕方──







「うっそぉおぉん!!!」







 俺はあるモンスターから逃げていた。





「なんでピクシーがいるんだよぉぁぉ!」



 そう、『物理無効』のピクシーだ。

 レアモンスターだから、出会わないと思っていたのだ。


 え? インフィルクロウ? アイツは知らん。なんかアイツから寄ってくるんだもん。


 だが、ピクシーは違う。もう既に12時間以上アルトム森林にいるが出会わなかったのだ。だから、『あぁピクシーは出会わないんだな』と高を括っていた。



「認識範囲広すぎるぞピクシー!」



 ピクシーは片手に乗るサイズの人型の妖精だ。

 だが、どうしてかな、敵を認識する範囲が広いのだ。




 そうして俺は、夜になるまで逃げ続けた。





「もう......無理......帰り......たい............」



 ヘトヘトだ。さっきようやくピクシーの認識範囲から出れた。だが、もう3時間ほど全力疾走した。体力が持たない。



「あぁ......俺......の............VIT......頑張ったな............」



 もうね、自分ってより自分のVITを褒めたいよね。

『良くここまで頑張った』と。




 そうして30分ほど休憩した。




「......ふぅぅぅ。よし、回復した」



 体力がようやく回復した。

 回復ポーションで体力は回復しないのかな?調べればよかった。



「ま、もしスタミナポーションなるものがあったら、ここで回復ポーションを無駄にするだけだ」



 俺は俺自身への言い訳を作った。




 ここでふと、顔を上げた。そこには――――




「おぉ......綺麗な満月だな。池に反射しているのも凄く綺麗だ」



 俺は池の所まで逃げていたらしい。



「本当に綺麗だな。これならピクシーに感謝......しねぇよ!!! このクソがぁ!!」



 3時間も全力で走らされた。それがどれだけしんどかったか。普通の人の『走法』スキルを10個分くらい取った気分だわ。



「......よし、写真を撮るか。ソルに見せよう。はい、パシャリ」



 撮った写真を確認した。



「うんうん、綺麗だな。ソルは喜んでくれるかな?」










 そろそろ帰ろうか、そう思い、後ろへ体を向けたとこで『それ』はいた。











「なぁに? こいつぅ?」



 そこには、体高3m程の、銀色の毛をした狼がいた。



『人間、か。久しぶりに食べるな』




 喋ったァァァァ!!!!!




 そしてウィンドウが出てきた。


 ━━━━━━━━━━━━━━━

『幻獣狼:フェンリル』との戦闘を開始します

 ━━━━━━━━━━━━━━━
















           「え? 幻獣?」

遂に出会いましたねぇ...。


次回、フェンリルとの戦いですね。


頑張って凝ります。楽しんでくださいね!

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